最初の何回かは、一般の人からよく質問されそうな話をしたいと思います。

 この名称になったのはここ数年?かな。名称には関係なくこの手の親は昔からいました。状況もさほど昔と変わらないと思います。
 昔は「あほなこと言っていないでいい加減にしろ」で済んでいたのが、校内暴力の時代(昭和50年代後半)に体罰が裁判沙汰で使えなくなり、その後、学校へのくだらないクレームや裁判沙汰が増え続け、校長、教育委員会が逃げ腰になって事なかれ的にうるさい親に振り回されるようになったというところが真相でしょう。昔はまだ、「いい加減にしろ」がある程度通用しましたが、今ではいちいち誠意をもって対応しなければならなくなったという話だと思います。誠意をもって対応するとますますクレームが増えるというのが現状でしょうか。

 基本的にモンスターペアレンツという場合、次の3つに対する執拗にクレームをする親を指すと考えられます。
① 成績に関するクレーム
② 注意、生徒指導に関するクレーム
③ 家庭状況の注意に関するクレーム

① モンスターほどではないですが毎年いるのは、「成績間違っていませんか」の問い合わせ。「100点取ったのに成績が5じゃない」というのが一番多いですね。
答えも毎回同じで、
「テストのほかに小テスト、提出物、実技(実験・製作物など)も点数に加味して成績がつきます。」
「テストの点数が80%、テスト以外の分は平常点として20%とし、成績をつけます。(割合は教科あるいは教師個人で違います)」
年度初めに配布される資料に書いてあるはずですが、1年の1学期にはこの手のクレームが多いようです。
私の知る事例では「試験の問題が難しすぎる」といって職員室に来た親がいました。さすがに親からのクレームで成績を訂正した話は聞いていません。(原簿から成績表への転記ミスはたまにあります。何年かに一軒といった頻度です。)

② 私がかかわった件では、学校にネックレスをつけてきた生徒から取り上げたら親が血相変えて駆けつけ、職員会議中に呼び出されて今すぐ返せと言われたというのがありました。あとで聞いたところでは子供暴れて手がつけられないので返してくれといった状況だったようです。
 よくあるのは髪を染めてなぜ悪い、万引き、いじめなんてよくあること、注意しなくてもよい。家ではいい子なのに学校でのトラブルは先生の対応が悪いからだなどです。親があまりうるさいと生徒をままっこ状態として特別扱いし卒業まで待つということになりますが、他の生徒に伝番しクラスの崩壊につながるので厄介です。

③ 私が見た事例では生活保護家庭の生徒が体育で骨折、入院し子供の分の食費が生活保護から減らされたことに対して「学校のせいだから減らされた分を学校で保障せよ」とクレームが来たというのがありました。(入院中の食事は病院で出るのでその分生活保護が削減される。もちろん医療費は無料です。)
 よくあるパターンは育児放棄や家庭内暴力。親に注意しても聞かないし、家庭訪問しても中には入れない。学校や教育委員会に親が乗り込んで大騒ぎするといった状況で、何も対応でないまま、食事もろくにしていない、1週間も風呂に入ってない子供たちが卒業まで放置されるということになります。

 いわゆる「クレーマー」系の親には放置で対応が一般的でしょう。家庭環境の問題についてはいずれ機会を改めて。