弊社は写真撮影だけでなく
ビデオ撮影、編集販売なども手がけております。
自分がパソコン好きだった関係もあり、ビデオの編集も本当に早いうちから「ノンリニア(パソコン上での編集)」をしておりました。
現在もブライダルやピアノ・バレエなどの発表会、幼稚園の発表会などを写真撮影とともにビデオ撮影も行っています。
ただ、幼稚園の場合「発表会以外」ではほとんど撮影に行っておりません。
よく保護者から
「なんで松本さんの会社がビデオ撮影しないんですか?」と聞かれることもしばしば。
今回はその「なんで」についてツラツラ書かせていただきます。
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さてビデオ撮影、販売となるとビデオ機材や撮影・編集における人件費でどうしてもある程度は必要経費がかかってしまう。
撮影してDVDやブルーレイ1枚にして納めるなら、その全額をご請求するのだが、例えば幼稚園で「希望を募って販売」という場合「下限」がわからない。
大体「園児数の3割が購入する」という目安で「1枚単価」を出しているのだが、それでも赤字になる場合がある。
VHSの時代から今に至るまで相変わらずコピーをされるので、それも考えるとかなり売れる見込みが無いと怖くて簡単には引き受けられない。
…という事を10年くらい前、ある幼稚園の園長にご相談させていただいたことがある。
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その園長は
「購入者の園児にリボンをつけ、それ以外の園児は撮らない様にすればいいじゃん?」とアドバイスを下さった。
で、試しに大きな遠足行事でその方法をやらせて頂いた。
「買わないと映さない」となれば多くの方が購入していただけるので、確かに前年度より売り上げは上がった。
ところが実際当日に撮影した「私」の気持ち中にはモヤモヤとイライラがすごかった。
例えばね、目の前に4人の園児が来てくれたとする。
右側からゆっくり流して撮影していきながら、リボンが付いていない園児をとばして撮影。
お弁当を食べている時も、リボンをつけていない園児がどんなに自分に対してアピールしても撮影をしない。
もうね、途中でこの撮影方法に耐えられなくなって、帰ってきてからしばらく落ち込んでいたんです。
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確かにこのやり方なら売れる。
先に「どれくらいの売り上げがあるか」がわかるから、赤字なら断ることだってできる。
本当に「会社」としては無駄がなく、先生には手間をかけさせてしまうが、安心して撮影はできる。
でも
「映らなかった子供」の気持ちはどうなるんだろう?
映して欲しくてじゃれついてきた園児たちを、親が購入しなかったからと撮影しないなんて私には絶対に無理です。
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一度ね、本当にあったんだけど、小学生になったとき病で亡くなったお子さんがいて、当時購入しなかったビデオや写真を、会社で嗚咽を抑えながら探していた後姿を見たことがある。
映さなければ何も残らない。
映ってさえいれば、後で役に立つかもしれない。
もしかしたら事情があってその時に購入できなかったのかもしれない。
自分のビデオカメラで撮影するからいいやと思って注文しなかったが、当日急に来られなかったりトラブルがあって映像を残せないかもしれない。
もうね、そう考えると「買った人だけ撮影する」という方法が、例え売り上げが上がらなくてもコピーされても、自分の「美学」からは無理だなって。
だってね、目の前で並んでいる園児たちの中に1人リボンをつけていない子がいたら、どんなに素敵な笑顔でも「いなかった事にして撮影する」なんて無理。
結局この方法、2年くらいやってみたんだけど、
やる度に「自分の心の何か」がすり減るような気がして一切やらなくなりました。
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今お付き合いのある幼稚園でもいろんなイベントを頼まれる時がある。
前記した方法で撮影の依頼を受ければ、全部のイベントで売り上げが上がるんだろうと思う。
でも、どうしてもできない。
素敵で無邪気な笑顔を向けている子供を「撮らない」なんて自分には無理だから。
「絶対に買わない」という親御さんだとしても、
自分は「その子のため」に撮影しておきたい。
自分が大きくなったとき、もしかしたら「幼稚園の頃の映像が…」なんてあるかもしれないから。
その時に
「当時保護者からの注文が無かったから撮影していなかったんだ」とお友達の笑顔ばっかりのビデオみたら、自分なら辛くて死んじゃうかもしれない。
私は保護者のためにも撮影しているが、正直
「本人のためにも撮影」していたいと思っているから。
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そんなんじゃ経営者として失格、会社のためを考えればそういう事も我慢しなければだめだ…、というのなら、私は社長を辞めて会社を絶たんでもいい。
確かに会社だから綺麗ごと言っている場合ではなく「利益」を出さなければならない。
でも
「自分の心の何かをすり減らして」まで利益を求めたくはない。
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その時に注文しなかったのは「保護者」。
被写体である「園児」は欲しかったのかもしれない。そう考えると、この販売方法は今後もやらない方向で仕事をしていきたいと思っている。
全員が購入しても、全員が満足できるようなビデオを今後も作っていきたいと思う。
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