やっと観てきました。

さすがの娯楽大作でした!

2時間39分が長く感じませんでした。

眠たくなったのは、コゼットを養う狂言回しの宿屋の夫婦のシーンぐらいでした。

ジャン・バルジャンは、

私が小学生の時に読んだ「ああ、無情」のイメージと全然ちがいましたけど、

(小学生だったので、ものすごくお爺さんだと思ってました)

ヒュー・ジャックマンはさすがに素晴らしかったです。


良い映画でしたが、周囲の感想で聞いていたように、

「最初から大泣き」というのはなくて、

最後の「民衆の歌」にホロリとしたぐらいでした。


涙よりも、登場人物たちが抱える「無常感」に、

「わかる、わかる。そうだよねぇ、切ないよねぇ」と、

遠く空を眺める、みたいな気持ちになりました。


たとえば、現実の世の中ではいろんな犯人による残虐な事件が起こりますが、

たいていは生い立ちから始まっている。

バルジャンを追うジャベール警部の生い立ちもそれに通じるものがあるんですよね。

そして、バルジャンに許されることは殺されることだった、

あの時、自分は死んだ、と自ら死を選ぶ。

哀しい登場人物たちは「報われない愛」によって死んでいくんです。


そんな無情のなかで、

ジャンはコゼットが悲しまないように生きた、逃げた。

コゼットの美しさだけは守り通した、

そういう物語です。