急ピッチで復旧されているのは有難いことですが、
どうしても思い出してしまうことがあります。


阪神淡路大震災の年の3月末、
つまり、
震災から2カ月ほど経ったころ、
わたしは独身で(あ、これは余計なこと)
スキー事故で入院していました。

入院していた病院の整形外科の病棟は、
ロビーをはさんで、女子棟・男子棟に分かれていて、
長期入院患者が多く、
わたしたちは仲良く疑似家族のように過ごしていました。

ある日、ひとりの男性が入院してきました。
小さい土建業を営む社長さんで、
脊髄損傷だったかと思います。




阪神淡路の被災地復興のために、
神戸に全国から広く土建業の方々が集められ、
不眠不休の仕事だったようです。

そこでのまさかの事故でした。

そして実は、
社長の腕一本を柱にした零細企業は、
労災に入っていませんでした。


入院したばかりの頃は奥さんもお見舞いに来ていました。
社長も男っぷりのいい人でしたから、
奥さんも華やかな美人でした。

ところが半身不随と診断されて、
労災に入っていないなどの事情が明るみに出てから、
パタリと来なくなりました。

わたしは半年そこにいたのですが、
その間に離婚となりました。
金の切れ目が縁の切れ目でした。


急ぐが余りの疲労の事故は、
珍しくなかったと聞いています。


今さっき、
小さな建設会社の現場責任者が、
肉体労働をする男の人特有の「男気」で、
「不眠不休で一刻も早く復旧に努める」
と語るのをニュースで見て、

男っぷりがよくて、
わたし達の兄貴みたいだったその人を、
ふと思い出したのでした。


急ぐが余りの悲劇が起こらないよう祈ります。

親会社の心ある対応をお願いしたいです。