ちょっと古いドラマの話で恐縮ですが
2008年に放映された大河ドラマ
篤姫
毎回見ていたが一番おもしろかったのは
第32回「桜田門外の変」
(文化庁芸術祭参加作品との事で、
NHKも力を入れた回?)
日頃から大老、井伊直弼の政治手法に
疑問と憤りを感じていた篤姫(天璋院)。
安政の大獄で多くの攘夷派の
志士・公家等を斬首などの刑に
処していた井伊大老に茶室で問い詰める。
天璋院:
処刑、処分者の名が記された巻物を広げ
「これだけの人を殺めて
後悔はしていないのですか?」
井伊大老:
「しておりません」
「徳川家と国を守るため
自分が今しなくてはならない事であります」
天璋院:
「ここまでする必要があるのですか?」
この事実に怨念を持ち立ち上がる者が数多く居るだろう
と問い詰める
井伊大老:
「(反対派に命を狙われる)覚悟をしております」
天璋院:
どうしてそこまでするのですか?
井伊大老:
「役割にございますゆえ」
その後、茶道家としても大成していた
井伊の茶を率直に褒めた天璋院と
互いに立場は違えど理解し合えたと心通じ、
また話をしようとその場を終える。
その直後、桃の節句の雪の日の朝に
水戸藩浪士らに襲われ暗殺されたと
大奥に急報が入り天璋院は落胆する。
(桜田門外の変)
***
井伊は攘夷派に狙われていると
側近から耳打ちされていたが
いつも通り自宅から普段と変わらぬ警備、
道順で籠に乗って登城をしていたと言われている。
劇中でも雪の中、変わらぬ様子で登城し、
揺られる籠の中で浪士達の気配を感じた時点で
茶室で天璋院に贈られた刺物を手に取り
眺め覚悟を決めた表情で刀を受け絶命する。
***
※
この「役割ですから」は
ドラマが始まったばかりの回の頃、
天璋院が薩摩の島津分家の娘時代に
密貿易で薩摩藩財政の立て直しを
している家老 調所広郷(ひろさと)の元へ
「何故、法に反する密貿易までするのですか?」
と問いただしたときの調所の言葉と同じ言葉。
という仕込みがありました・・・
※
自分の記憶だけで書いているので
詳細記憶違いがあるかもしれません
***
まあ、ドラマなので史実と違う所は
あると思いますが、この
中村梅雀演じる井伊大老が
素晴らしくシビれます。
そのドラマにも感化され
自分の「役割」という言葉を
とても意識するようになりました。
(続く)