N市の銘菓 | 今日の出来事とか。

N市の銘菓

 『名物にうまい物なし』などとよく申しますがそれは所と品に依ったもの。

 信州の杏こそは、よそにはない独特の果実でありまして、その酸味と甘味は云うにいわれぬ持味で、すいも甘いもかみ分けた通人の好みに合うと云うことも尤もなことでありましょう。

 信州の杏は、善光寺を中心に其の鐘の音の聞こえわたる地区内に限って実ると云い伝えられて居るのも不思議であります。

 此の杏の実をもととし先祖豊治郎が研究を重ね工夫をこらして謹製しましたのがこの『玉だれ杏』でありまして、独特の風味と、上品で衛生的な、郷土の名菓として恥ないものと自負して居る次第であります。

 創製以来、幸いに大方の讃辞を頂いて居り、尚昭和二十六年三月三十一日長野県菓子品評会において食糧庁長官賞を、昭和二十六年五月四日全国菓子品評展示会においては農林大臣賞(第一位)を何れも最高賞を頂き、また再度に亘り昭和天皇に献上の光栄に浴し皇太子殿下御入信の際には本県よりこれを差上げ、平素善光寺両本坊の御愛用を頂いて居りますなど、重なる光栄に感激し愈々自重して製造に推進しつゝ在ります。


『名物にうまい物なし』?
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