介護施設は、穏やかなご老人ばかりでは、ありません。
もちろん、血の気の多い方も、いらっしゃいます。

そんなエピソードを2つご紹介いたします。

初めて、介護施設に宿泊をするという、女性がいました。
その方は、昼間は穏やかだったのですが、
日が暮れると、「帰りたい」「帰して下さい」と不穏になりました。
声かけをして、なだめるも、帰宅願望は、治まらず、
「うらんでやる」「ばけてでてやる」とさらに、エスカレート!

それを、おとなしく見ていた、男性が、
「あなたは、なにがしたいんだ!」と突然大声と共に、立ち上がりました。
そして、向かいに座っていた方の、杖を取ろうとしました。

杖の持ち主である男性も、自分の杖が取られると思えば、杖を取ろうとします。
持ち主の男性の方が、わずかに早く杖を取りました。

すると、「何!わたしに杖を振り上げているんだ!」と怒りが増してしまいました。

しかし、杖の持ち主である男性は、静観していてくれたので、バトル回避。

ひとりブチ切れてしまった男性は、強制的に車椅子に乗せられて、
怒りが治まり、落ち着きを取り戻すまで、帰ってくることはありませんでした…。


そして、夜…。職員は、わたしひとり…。
耳が遠く、話し声が大きくなってしまう男性がいます。
その方が、トイレに全然起きてこないので、声かけをして、起きていただきました。
深夜なので、施設内は、とても静まり返っています。
そこに、その方の大声が響きわたります。

すると、夕方、ブチ切れた男性の居室から声が聞こえてきました…。
「うるせー!」「何言っているんだ!」
嫌な予感がします…。
すると、センサーが反応し、チャイムがなりました。
チャイムが鳴ったので、わたしは、その方をトイレから出すと、
ブチ切れた男性の居室へ向かいました。
すると、すでに、ブチ切れて、その男性は、立ち上がっていました!
「何時だと思っているんだ!」
わたしは、制止しますが、怒りは治まらず、廊下へと歩き出そうとします。
すると、右手で、ベッドの前にあったセンサーを握り、振りかざしました。
「うるさいから、これで、殴ってやる!」
わたしは、とっさに、右手をおさえました。
「何!おさえているんだ、お前は!」
えっ、怒りの矛先がわたしに!?
廊下へ出ないように、食い止めるのが精一杯…。
そこに、トイレから出たはずの大声を出す男性が、戻ってきました。
「便が出る」
バトル勃発!?
不幸中の幸い?というか、ブチ切れた男性は、
便が終わるまで、廊下で待っていてくれました。
便が終わり、大声を出す男性を、トイレから出すと、
ブチ切れた男性が、トイレに入っていきました。
わたしは、大声を出す男性を、居室まで送り、
避難させると、トイレに戻りました。
すると、ブチ切れた男性は、立ったままおしっこをして、
トイレ中をおしっこで、ビショビショにしていました。
とりあえず、おしっこが終わるまで、そのままに…。
おしっこを待っていると、ナースコールが…。
コールの相手は、さっきの大声を出す男性。
「まんま!」と大声を出しながら、壁を叩きだしました。
ブチ切れた男性は、「まだ、うるせーな」と言いつつも、
おしっこが終わると、怒りが治まったようで、
居室に戻り、ベッドに横になってくれました。

そして、ホッとしたのも、つかの間…。
ビショビショのトイレを掃除していると、
「おはようございます!」「誰かいませんか?」と大きな声が…。
夜、ほとんど寝ない女性が、騒ぎに乗じて、起きてきました。
この女性、1時半に起きて来られて、
とうとう朝まで寝ることはありませんでした…。
ちなみに、この女性が入床した時刻は、24時。
1日の睡眠時間が、1時間半で良いとは、実にうらやましいかぎりです…。


『すると』ばかりで、読みづらい、文章でごめんなさい。
介護のお仕事の大変さが、すこしでも皆さんに伝わったでしょうか?

このお話を書くのに、1時間半、かかってしまいました…。
ほとんど寝ない女性の寝た時間と一緒!(笑)