人の動きで一番大切なものはバランスである。
左右バランス
左の壁に足をつけながら右足をあげようとしてもあがらない。
前後バランス
背中に壁をつけて前屈をしようとしてもできない。
足先を壁につけるとつま先立ちできない。

つまり、歩けなくなるのは、筋力低下ではなく、バランスの異常である。
バランスを鍛えることが大事。

立ち上がりの生理的曲線。
立ち上がる時に人差し指で頭を押されると立てない。
立ち上がる動作を観察して、頭の動きを見る。
頭は、一度下へ行き、足よりも前へ出ることがわかる。

イスからの立ち上がり。
立ち上がり自立=介助の3条件
①前かがみ(頭の中心が足よりも前)
②足を引く(足が引けないものはダメ。車いすのレッグレスト、ポータブルトイレ)
③いす、ベッドの高さ(ひざの高さ。体格にあわせる個別化)
(テーブルは、前かがみで食事をするので、へその高さにする)
(ベッドは、ソファーより高くてはダメ。ナイチンゲール)

ななめ上に引くと立てない。
ななめ下に引くと簡単に立てる。
手を握るときは、握手で介助する。

手すりの位置。
手すりは引くものではなく、押すものである。
手すりは、座ったときのへその高さで、遠くで低く前かがみになれるところがよい。

ベッドから、車いすへの上手な移り方。
立ち上がる際、車いすの肘あてを両手でつかむというのは、効率が悪い。
イスを置いておけば、身体をひねるだけで簡単に座ることができる。

腰を痛めない介助方法。
身体を密着させない。
自分の身体を下に下げて、片膝をつく。
腕の力を使わずに、足の力で立つ。
背の高い人が低い人の介助だと、片膝をついても、前傾姿勢にならない。

座るときの生理的曲線。
座るときは、「わたしに寄りかかってね。」と言って片膝をつき、真下に降りる。

お風呂の上手な立ち上がり。
左足を引いて、湯船の遠くをつかむ。(このとき口が浸水することもある)
介助者は、腰に手を添えて、上に持ち上げるのではなく、前に押してあげる。
お風呂の中は、浮力が働くので、体重の7分の1の力(頭の重さ)でよい。

生活の基本
食事は口から楽しく
トイレで排泄をする
お風呂は普通のお風呂

生活習慣を大事にする。自分らしく生きること。
老人をダメにしない。弱者は、80・90歳まで生きない。老人を誤解しない。

介護の3K
感動があって、健康になって、工夫ができる。