ＡＥＤ講習のレポート。

わたしは、以前、人が倒れている現場に遭遇したことがあります。

それは、１０年以上前の冬で、大寒波が来た時でした。
その日、わたしは、たまたま有給休暇を使い、
買い物にでかけ、自宅へと帰ってきたのですが、
その途中、前方に、裏の家に住むおばあちゃんが、
ゴミステーションの掃除から帰ってくる様子が見えました。
わたしは、そこまでは、行かずに、
手前の路地を左折して、自宅のある方向に行きました。
車を車庫に入れ、自宅に行き、こたつに入って、
しばらくテレビを見て暖をとった後、再び、車庫に戻ると、
車庫の前の白い雪原に、薄っすら雪の積もったコートが落ちていました。
誰のコートだろうと、近づいていくと、
うつ伏せに倒れている人間ではないですか？
よく見ると、それは、裏のおばあちゃん…、
わたしは、気が動転して、家に駆け戻ってしまいました。
家に戻り、事情を説明して、祖母を連れ、
再び車庫の前に行き、祖母が声をかけるも、反応はありません。
祖母の指示で、近所のおじさんの家に助けを呼びに行くと、
救急車を呼んだのか聞かれ、まだと伝えると、救急車を手配してくれました。
しかし、その日は、悪天候で、救急車はなかなか来ません。
騒ぎを聞いて近所の人たちがたくさん集まってきたものの、
誰も、人工呼吸や、心臓マッサージの知識などありません。
みんなで、大丈夫かと声をかけて、反応をみているだけで、精一杯でした。
ようやく救急車が来て、救急隊の処置が車内で始まりましたが、
結局、サイレンを鳴らして病院へ出発することはありませんでした。

今にして思えば、もし、このとき、
わたしが、心臓マッサージと人工呼吸の知識を、
持ち合わせていれば、救えた生命なのかもしれないと思うと、
とても残念な気持ちで一杯になってしまいます。
滅多に、人が倒れている場面に、遭遇することは、ないと思いますが、
訓練しておいて絶対に損は無いと思います。
わたしは、２度とこんな思いをしたくはないし、
ほかの人にも同じ思いをしてほしくありません。
今回のＡＥＤ講習に参加したことにより、
今度、倒れている人を発見した場合、怖気ずに、
積極的に人命救助に携わっていけるスキルを学ぶことができたと思います。
とても良い講習で、自分自身のレベルアップとなり、
有意義な時間を過ごさせていただきました。
もっと練習をして、もっとスムーズにできるようになりたいです。
教えてくださった消防署員のみなさん、本当にありがとうございました。