重心施設(重症心身障害児(者)施設)で働いていると本当に色んなタイプの利用者さんに出会う

もちろん、身体や知的など障害区分で表されるタイプも様々なのだけれど、本人さん達が求めている距離感も様々
ゆっくりじっくり関わって欲しい人からあっさりさっぱり派まで、本当に人の数だけ関わり方がある
本当は関わって欲しいのに、発作等の関係で上手く関わりを受け入れられない人も
その距離感は、本人さんと自分との関係の中で掴んでいくしかない
私が注意していたのは、
勝手に本人さんの間合いに入って行かないこと
入る時は必ず声をかけるし、安心感のある間合いから今から入らせてもらうねと伝える(合図を送る)
どんなに反応が少ない人でも、いくら知的年齢が0歳と言われている人でも関係無い
本人さんの安心できる空間を大事にしたいから
だって怖いものですよ
自分は身動きが取れないのに、何も言わずにすごい勢いで近づいて来られて、何か身体を動かされようもんなら
「あなた誰⁉️何するの⁉️」って言いたくなっちゃいますよね
だから私は「独り言⁉️」と周りに思われるくらい喋っていた
「○○さんおはよう」「○○さん、今日は私だよぉ」「今から○○するね〜」「触るよー」「良い?もしかして嫌?」「じゃあ○○してからにしようか」「今日は身体が硬いから動かしてからしよう」「おっほぐれてきたね〜いいかんじ」「今日のメニューは○○だよぉ」「どれが好きだったっけ」「○○から食べようか」「今日のは美味しそうだね〜」「え〜今日も○○するの〜好きだね〜」等々出したらキリが無いくらい喋りかける
とにかく、本人さんの名前はよく呼んだなぁ
名前はその人その人の宝物だし、あなたと私の会話って言うのがよく分かるから
当然、この言葉に対して何の音も返って来ませんよ
だから側から見たら独り言
でもちゃんと返事は返って来るんです

今まで自分から人に積極的な関わりを見せた事のない人が、
去り際に手をキュッと握って来て涙目になっていたり
病気が進行するに連れ反応が鈍くなって、覚醒時間も短くなった人が、近づいた私に腕を回してギュッと抱きしめてくれたり
もう数年間していなかった反応を見せてくれる
いつも同じ食べ方しかしていなかった人が、初めての食べ方を見せてくれたり
いつも職員のする事にスムーズに動いていた人が、ギュッと抱きついてイヤイヤをアピールしてくれたり
本当に彼らからもらった色んな形のお返事が積み重なって、お互いの距離感が出来ていったな
もちろん、うちの施設は医療施設だったので各専門家がしっかりと評価した上でのマニュアルやポイントがあるのだけれど、人間同士それだけじゃなくて関係性の中で出来ることってあるもんね
ただ、機械的に動いているだけじゃ分からない事がいっぱいあって、難しいけれど面白い、奥が深い仕事

だから、どんなに現場が人手不足で忙しくても、動きは速くなっていても、声をかけることと彼らの声なき返事を聞き逃さないようにだけは心がけていた
もちろん私ダメ人間なので、出来ていないことの方が多かったと思いますが


って何で急にこんな事を書いたかって言うと、
実は私が怖い思いをしたから
いきなり知らない人が入ってきて、急に食事介助を始めるって言う

動作や雰囲気からスグに知らない人だけど、出来る人で危険はない人だと感じるのだけど
やっぱり怖いんですよね〜予期せぬ他人の介入って
この人は危険のない人なのか、私の状態を知っている人なのかと警戒して構えてしまう
せめて一言名乗ってもらえたら、せめてその時間帯の担当看護師さんが最初だけでもその人と一緒に顔を見せてくれたら…全然安心感が違うのだけどな…
何だか一日中気を張っていて安心できる瞬間が無かったので、余計に怖く感じてしまったのでした

名乗るなんて1〜2秒、ちょっと顔を見せるのは1分以内。ちょっと面倒でもそのひと手間が人の心をほぐしてくれるのだけどな…
ここは大学病院だし急性期だし忙しいのも、みんなギリギリのところで何とか働いて頑張ってくれているのも知っているから、ほんの一瞬でも患者の目を見て喋ってくれると嬉しいな
そういう些細な優しさが患者にはとても温かく感じられるのです
そう思うと、同じ状況の中でもいつも温かさを与えてくれる看護師さん達には本当に感謝だなぁ
退院までにまた顔を見られるかな