自分の意思で逃げることが出来なくなった私

入浴介助の時に温度を確かめずに直接かけられるのが思いの外怖い。
大概確かめない人は勢いよくかけてくれるので、熱いか冷たい水が広範囲にかかる。
力が入らないはずなのに、変な緊張が入ってどっと疲れる。
逆に温度を確かめてくれて、寒いだろうからとタオルやお湯をかけ、洗う順番まで考慮してくれる人に出会えると、宝くじに当たった気分になる

ハイペースで一口量が多い食事介助は、焦ってしまう為むせる回数が増えて食事が憂鬱になる。次に入ってくる食材や形態が分からないのは結構怖い。想像していないものがくると、結構激しくむせる。
だから、声かけしながら食べさせてくれる人だと食事が少し楽しくなる。増して、食べさせてもらってるという感じではなく、元気な時に一緒に食べている感じでゆっくり話しながら食べさせてくれる人との食事は何倍も美味しく感じられる。
初めての人や関わりの少ない人に、前置きなく介助されることにすごく警戒してしまう。私の身体の状態を知っているのか、痛みの部位を把握しているのか、自分の無防備な状態をみせても大丈夫な人なのか…
初めてでも、そのことを伝えてくれて1つずつ確認しながらしてくれるとかなり安心する。ある病院ではケアのポイントをベッドサイドに貼り出してくれたのでみんながそれを確認してくれて、かなり安心感があった。加えて新人さんがケアや介助に入る時は必ず先輩がついて指導してくれた。組織体制にも救われた

安心の何割かは肌(皮膚)から感じるものなんだろうなぁと最近思う。
きっと普通に動けていた時の何十倍も感じている。肌から感じる人の想い。
だからね、全部伝わっているからね。あなたの優しさも温かさも。一見分かりにくいかもしれない思いやりも全部全部。
いつも喋れる訳じゃないし、いつも笑える訳じゃないし、字も書けないから、ちゃんと感謝を伝えられないけれど、心の底から思っています。
ありがとう


