京都が高くなった理由は外国人だけではない 観光需要の偏りと老舗の消失により供給が縮小し高級化が進んだ結果だ

京都のホテル高騰の理由
京都のカプセルホテルが1泊4万円になるほどの高騰は単純なインバウンド増だけでは説明できない。まず供給側の構造変化が大きい。コロナ禍で昔ながらの小規模ホテルやビジネスホテルが閉鎖され、外資系や大手のラグジュアリーホテルが続々進出したため市場の平均単価が押し上げられた。
次に需要の質が変わった。欧米などからの富裕層は滞在中の消費が高くホテルにも惜しみなく支出する傾向があり これが価格設定を強気にさせた。さらに大阪の大型イベントなど近隣需要の波及で繁忙期の価格が常態化し 日本人の短期旅行者が敬遠する流れができた。
もう一つの要因はナイトエコノミーの崩壊だ。夜にゆっくり過ごすプランが組みにくくなり 食事や飲み歩きの消費が落ちると観光全体の魅力が薄れる悪循環が生まれている。