これはまるで体内の「お掃除係」に新しい道具を渡したような話です🧹🧬
京都大学が開発した新しいタンパク質「クランチ(Crunch)」は、がんや自己免疫疾患の原因となる“不要な細胞”を、体内の貪食細胞(マクロファージなど)に「食べさせる」ための橋渡し役をします。
🍽️ クランチって何?
クランチは「Connector for Removal of Unwanted Cell Habitat」の略。
ざっくり言えば、こういう働きをします:
• 不要な細胞に目印をつける:「この細胞、もういらないよ!」というサインを出す。
• 貪食細胞とつなぐ:掃除役の細胞に「この子、食べていいよ」と教える。
• 細胞死を待たずに除去:普通は細胞が死んでから片付けられるけど、クランチは“生きてるけど不要”な細胞も処理できる。
これはまるで、冷蔵庫の奥に残った古い食材に「食べてOK」シールを貼って、ロボット掃除機に渡すようなもの。しかも、ロボットはその食材をちゃんと認識して、片付けてくれる。
🧪 なぜすごいの?
• がん細胞や自己免疫疾患の原因細胞は、なかなか死なない
→ クランチなら、死ぬのを待たずに除去できる。
• マウス実験で効果あり
→ 実際にがん細胞の数を減らしたり、病状の改善が見られた。
• 将来的には人間にも応用予定
→ 2030年代の実用化を目指して、臨床研究が進む予定。
🧠 ちょっと哲学的に言うと…
この技術は「生きているけど、もう役割を終えた存在」をどう扱うかという問いにもつながります。
社会でも、制度でも、身体でも、「不要になったけど消えないもの」が蓄積すると、全体のバランスが崩れる。クランチはその“境界”に働きかける、まさに儀式的なタンパク質。