今回、上演する舞台「罪人 ZAININ」は、とにかく動いてる。


今までの作品も、歌ったり、踊ったり、走りまわったりしているけど今回は次元が違うくらい動く。


もともと、ハリウッドのアクション映画みたいな舞台を今回はやりたいなと思って企画したんだけど、実際につながったものを観てみると・・大変そう(汗)


自分でやらせておいてなんだけど、役者からしてみれば明らかに大変。こんな激しいの22公演ぶっ通しでやるなんて頭が下がる。


それにしても、今作でPKシアターとしては4作目。僕の演出作としては5作目だけど、やっと映画監督としての僕の経験を少しではあるが舞台に落とし込めるようになった感じがする。


考えてみると過去の3作は「舞台」というものを常に意識した脚本を用意してきた。しかし、今回は敢えて映画のような脚本を書き上げた。これは、映像畑の僕から演劇畑の僕に対するある種の挑戦なのだ。つまり、挑戦してもいいかな?くらいに舞台のほうも演出家として自信がついたということだ。


それに伴い、今回は演出方法も若干変えた。


今まで一緒に組んでくれているスタッフに、色々ゆだね始めた。


これは、今から10年前23歳の頃、それまで自分でカメラを回し、人にカメラを任せることなどできなかった僕が初めてプロのカメラマンや照明さんと組んだ時と似ている。


実を言えば、あのときは辛かった。本当は自分でカメラを回したいのに全てを言葉で伝えなければならず、それができずに、モニターの前でモジモジしていたのを覚えている。でも、あの経験があったからこそ、そのあとすぐにプロになれたと言っても過言ではない。


プロになると、カメラマン以外にも沢山のスタッフに指示をだす。しかも、簡潔で明快な演出方針を打ち出す。

この訓練を若いうちにさせて頂いたことは凄く感謝している。

ただ、最近はあまりに思い通りの方向性を持ってきてくれるので、ときどき遊び過ぎて怒られるのだが・・。


演劇のほうも、演出補から照明、舞台監督、音響に方向性とプライオリティーを伝え、ある程度出してもらって最後に調整といった、映像の現場と近い状態でやらせてもらっている。


だから、いつも以上に自分がやりたいことが明確に出ていると思う。


23歳の時に映画の現場で飛躍できた状況が、10年後の今、舞台の現場で起ころうとしているような気がしている。だから、今が一番楽しいかも?


それにしても、助監督も演出助手も、よく僕の求めていることが分かるよな・・。

まーそれに頼り過ぎて、この前の映画の現場では助監督に怒られたけど。女優さんと写真撮って遊んでたら、「現場戻って!」って。


さすがに今の舞台の演出補は若いので怒られないけど、歳上の役者さんに怒られるんじゃないかと密かにびびってます。


映画でも、舞台でもいつも思うのは、役者もスタッフも皆さん尊敬します。

こんな、おもちゃ箱ひっくり返して片付けない監督&演出家につきあってくださるんですから・・。

でも、ちらかし放題のときの作品のほうが評価高いんだから仕方ない。


そんな、記念作になりそうな舞台の本番まであと18日・・。

さてさて、昨日から「にしすがも創造舎」という小学校を稽古場として使用している公共施設で稽古が始まった。僕らが使用しているのは音楽室。


なんか、桜も咲いていい雰囲気。


でも、花粉症の影響でいまだに鼻が詰まる。ってかお花見の季節はもう治ってた気がするんだけど・・今年のがキツイんですかね?この前、鼻が詰まった上に咳もでて、気管支が苦しいときにビックカメラの階段を駆け上ったら息がしにくくなり軽くパニックになった。


たぶん、周囲の人は誰も気づいてないと思いますが、ちょっと「死ぬかも?」ってなぜか思った。


パニック障害ってこれのもっとキツイやつなのかな~。これはキツイ。いや、マジでキツイでしょ。これは、日常生活に支障きたすでしょ?


こんな風に、ときどき何か自分に些細なことが起きると、増幅させて色んな立場の人の気持ちをイメージする稽古をしている。もちろん、実際にはその人の苦しみを理解することはできない。けど、全くイメージできないのと、辛さの方向性を想像できるのでは色々違う。


自分の感覚の延長線上にイメージをするというのは、演出や役者はもちろん、生き方としてもときどきヒントになる。


例えば、今回の公演。PK初の11日間連続公演。しかも、役柄は違えどほぼ全員1日2回の22公演連続出演。これは大変なことである。通常、これだけ連続すると1日くらい休演日があるのだから・・。しかも、内容はいつもの3倍くらいの熱量。


この公演にあたり、いつもPKの公演(8~10公演)に出演している役者は、具体的に自分がどういう状況になるのかイメージできるだろう。


僕レベルでいえば、撮影現場に2ヶ月半以上いたことがある。きつかった。

その時に、運動量は今回役者の運動量以上だが、そこに「観客に見られる」という緊張感が入ってくるとどんな感じなのかはイメージしにくい。まー監督として長期間、「撮影が遅れてはならない」とプロデューサーから常にプレッシャーをかけ続けられ、睡眠不足なのに寝れないなんて経験はあるが、そんな感じだろうか?


と、一応、色々役者の立場でも想像してみる。

そして、できるだけ役者たちがストレスなく(まー無くなることはないが)公演を続けられるよう準備はするのだけど・・


一番重要なのは、役者それぞれがちゃんと長期間公演をイメージすること。イメージするだけで体調管理、精神管理が全然変わってくる。よくあることだが、公演序盤にアドレナリンですぎて怪我することも少なくなるだろう。


それでも色々問題が出てくるのが現実。それは仕方がない。

けど、そういう問題に対する危機意識があるのとないのでは、問題がでたときの対応が変わってくると思う。


そんなわけで、今日も色々イメージしながら稽古に挑もうと思う。


喉が痛いけど・・(汗)









さてさて、本番まで1カ月を切り「間に合うのか?」という若干の焦りも感じつつ稽古は進んでいる。

まー焦っているとは言え、今までの経験上、のんびりやるより少々焦って集中するくらいのほうがちょうど良いと思っているので問題はないですが・・まー役者さんたちはこれから結構な地獄です(笑)


で、ふと昨日の稽古での出来事を思い出した。

今は花粉症の季節なのでマスクをしている人が多い。特に役者さんは喉を大切にしたい人もいるので特にマスク率は高いし、稽古中も埃が舞うので皆、マスクをしている。これは、自分の体調を管理するうえでとても重要なことだと思う。


ただ、芝居する時もマスクしている人がいる。


僕としては当初から違和感を感じていたけど、今回は初めてご一緒する方もいるので、それぞれのスタンスがあるので、「いつから芝居芝居見せてくれるんだろうな~」なんて思いながら見ていた。


そしたら、昨日、常連役者のヨウヘイから「芝居中にマスクするのはいかがなもんか?」という声が出て、あわててマスクを外すという感じになった。


その時、最初に思ったのは、「あ、外すんだ・・」


僕は、専門学校で講師をするときパンをかじりながら教鞭をとるタイプなので、「稽古中はこういう姿勢で!」みたいなことを言うつもりは全くない。たぶん、これは僕がアメリカの大学で学んだことの影響だろうが、ある意味、結果主義。


道筋は自分で決め、結果をだす。というのが僕にとっては重要だ。


だから、芝居中マスクをしてもしなくても、本番2週間前まではどっちでもいい。ただし、マスクしている人の芝居は演出としてはほとんど見てないけど・・。というか、見えないしね(笑)


でも、芝居に限らず、「自分の行動の目的を認識すること」って大切だと思う。


たとえば、初めて仕事をする人に挨拶するとき。このとき、重要なのって・・・

たぶん、顔を始め、自分を覚えてもらうことだと思う。そのとき、マスクをしていたら、どうなんだろう?


初めてのデートをするとき、不意の雨で自分の完璧なデート計画が狂ったら?

頑張って計画を遂行するか?彼女の頑張っておしゃれしてきた服を濡らさないために計画を変更するか?

我に返って「このデートの目的は?」と考えてみれば自ずと選択は決まってくる。


こんな偉そうなことを書いても、僕自身、これを忘れることは多い。

けど、仕事の時はいつも「目的はなに?」というのを忘れないように気をつけている。


なぜなら、演出という多くの方をマネージメントする立場においてはとても重要だからだ。

無駄に皆を緊張させないで、自由に、楽しく結果をいかに出してもらうか?


役者という仕事は、本気でやれば絶対に苦しい。だから、現場では無駄なプレッシャーはかけたくない。

まー普段、演出からのプレッシャーに頼っている人には残酷な手法だけど、自分の中で考えて進むというのは劇団ではなく、客演ばかりを集めているプロデュースチームという枠組みでは最適かなとも思う。


そんなわけで、役者に限らず「今、最優先すべき目的は?」という問いかけ皆忘れないように頑張りましょう!