プライドの高い役者、スタッフは信用できる。
もちろん、本物のプライドのことだ。
単に虚勢をはったり、いばったり、他人の意見を受け入れる余裕がないようなプライドではなく、本物の「誇り」。舞台に立つことへの覚悟と自信をしっかり持ち、そのための努力を決して怠らず、自分を磨くためにどんな意見でも柔軟に取り込み自分の物にしてしまう、いや演出家のアドバイスを受け入れるだけでなくそれ以上を放出してやろうと言うハングリー精神を持つ、そんな人間。
特に演劇を作っていると役者やスタッフが本物のプライドを持って生きているか、よく分かる。特に演劇の場合、役者のプライドがどの程度かは顕著に表れる。これは、僕の個人的な意見だが映画は「監督のプライドを役者にぶつける」ことができる。けど、演劇は「役者のプライドのみで成り立つ」ような気がするのだ。
僕の作品は、色々動きが複雑だったりするので基本的には指定した稽古に出られない人は出演を御断りしている。ただ、別に根性論で「休み&遅刻禁止」と言っているわけではないので、仕事などどうしても・・という理由がある場合は例外も認めている。
で、その認める基準はプライド。
たとえ、稽古を休んでもプライドがある人は次の稽古のとき何事もなかったように入り込む。要するに、うまく辻褄を合せることができる。たぶん、早く来たりして他の役者に色々聞いているのだと思う。そして、絶対に他の役者に遅れをとらない。そういう人は、「休み」も仕方ないかな・・・と思う。
ただ、もちろん休んだり遅刻をすると代役などを立てなければいけないので、他の人に多大なる迷惑をかけることは否めないけど・・・。
現在、芝居の流れは出来てきておりダンスとの融合が始まっている。もちろん、うちの場合はダンサーだけではなく役者も踊らなければいけない。専門ではないので、なかなか大変だ。振り付けが始まったすぐは、たまたま運動神経の良い役者だけが、なんとか踊れる。
しかし、その次の稽古を見ると個々の役者としてのプライドがよく分かる。運動神経関係なく・・いや、意外に振り付け初日に踊れなかった役者が、踊れるようになっている。ここに、「役者」という意地と覚悟が見える。そして、それはダンスをしている時の表情に出ている。実に、真剣でかっこよく、輝いている。
そんな表情を見ていると、ダンスとは関係なく「今までこういうイメージだったけど、こんな役もやって欲しいな。見てみたいな。」という思いがこみあげてくる。
一つの作品を制作するのはとても大変で、製作中はもうやらなくてもいいかな・・なんて思う。しかし、こういう瞬間、この役者達ともっと何かできるのではないか?と次回作を色々妄想してしまう。
逆に、そこに怠惰な感情が見えると、なんか残念な思いになってしまう。この人は、なんのために膨大な時間を費やしてここにいるんだろうとさえ思う。・・・あ、嘘。思わないかも・・・すでに興味失うから。ちなみに、面白いのは振り付けを担当している典型的なB型のジュンヤの指導も役者のやるきに比例しているみたいだ。僕と同じ。やっぱそうなるよな~(汗)
舞台の上は戦場だと思っている。それは、相手を倒すとか、自分が目立つというような貧相な戦場ではなく、自分が役者として生きる覚悟をぶつけ合う場所である。もちろんスタッフも舞台下で戦ってるけど・・。僕も何もしてないのに汗びっしょり(笑)
さて、今回の作品では舞台上でかなり激しい戦いが繰り広げられると思う。覚悟が弱い役者は稽古の段階で間引くので、ご来場の皆様は格闘技以上の素敵な戦いをご堪能頂けると思います。主要メンバーはもちろん、後ろのほう、端のほうまで、じっくりご覧いただけるような作品をお約束します。

