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半夏白朮天麻湯

【主治】脾虚生痰・風痰上擾

【治法】健脾除湿・化痰熄風

半夏白朮天麻湯には≪脾胃論≫と≪医学心悟≫の二種類の出典がある。

脾胃論の半夏白朮天麻湯には、素体に脾胃の虚があり煩燥、便秘を伴う人に誤診し疏風丸(防風通聖散加減)を与え、便を通じさせたが以下の症状が併発した者に用いている(嘔吐、消化不利、痰唾粘稠、眼黒頭旋、気短喘急、頭重、四肢厥冷等)。

著者である李東垣は誤治によりさらに脾胃が虚し、痰厥証となり、頭痛や頭旋を起こしたと考え、半夏白朮天麻湯を与え治療した。


一方で、半夏白朮天麻湯には脾胃論(1249年)の他に医学心悟(1732年)がある。

まずは、これらの比較について述べてみたい。

医学心悟の薬味は8味(二陳湯加白朮、天麻、大棗)で、脾胃論ではさらに沢瀉、黄柏、神麴、麦芽、人参、黄耆、蒼朮、乾姜が加わった処方に生姜、甘草、大棗を除いた処方である。

その為、痰湿が重い場合は薬味が少ない医学心悟の方がシャープに効き、慢性化し場合であると、人参や黄耆、消導薬を内包し、より虚に重点を置いている脾胃論の方が適していると思われる。


次に、症状が類似する苓桂朮甘湯との鑑別を述べる。

苓桂朮甘湯の出典である傷寒論では、誤治により脾陽が虚し、これにより痰飲内停したことで起こる立ち眩み、身体動揺感に用いている。

また、脾陽のみならず心陽も虚し、心悸も現れる。

桂枝が温陽化飲し、桂枝+甘草で心陽を補い、白朮+茯苓で、脾を補いながら、利水する。

半夏白朮天麻湯との最大の違いは天麻にあると思われる。
天麻のない苓桂朮甘湯の眩暈には半夏白朮天麻湯のような突発におこる回転性の眩暈や激しい眩暈はない。

苓桂朮甘湯は山本巌(東医雑録)に詳しいので、要約を添付する。

「朝寝の宵っ張りで朝はずっと床に居たい。たとえ早く起きても、頭がぼーっとし、はっきりしない。朝は食欲もなく、午前中は体や頭が働かない。段々よくなり、日が落ちる頃に、最も元気になる。夜は逆に頭がさえて眠れない。いわゆるスロースターター型である。また、冷え症で、眩暈はいわゆる立ちくらみで、座ったり、横になった状態から急に立ち上がるときによく起こる。横になればよくなるが、よくならなければ冷や汗が出て、心悸亢進し、皮膚蒼白する。また立ちくらみの前段階として、フラフラと揺れることもある。」