みなさんこんにちは

 

 

 

社交辞令はどの国にもあると思います

 

ところが社交辞令なのかそうでないのか分かりにくいものもあり誤解を招き、結果気まずい関係になったり、本気にしたため裏切られたと感じることもあります

 

今回は上記に関する例をラフに見ておきましょう

 

 

 

  1 形式的な例

 

 

たとえば友人の息子・娘さんが入学試験に合格したor結婚したなどの場合、特に読者とは面識がない人でも「おめでとうございます」と言いますね。さらに友人の知り合いの知人の場合であっても「おめでとうございます、よかったですね」とか言うと思います

 

タイでも知人の知人くらいまでなら「おめでとうございます(タイ語:ขอแสดงความยินดี(コー・サデーン・クワーム・インディー)」と言います

 

不幸な事例-事故や逝去の場合も上と同じです(タイ語:ขอแสดงความเสียใจ(コー・サデーン・クワーム・シアチャイ(残念です、ご愁傷さまです)」

*亡くなった人のことを、「彼は楽(サバーイ)になったとよく言います(タイ語で:เขาสบายแล้ว(カオ・サバーイ・レーオ」です)

 

他に「道中、お気をつけて」「おめでとうございます」「終生、ご多幸を」「健康になりますように(日本語の「お身体をご自愛ください」)」など主に文章で使います、それだけに形式感があります。社交辞令は「言葉の慣習」と言われる所以でしょう

 

話はそれますがタイ語学校では「こんにちは(サワッディー)」を教えたあと、「お会いできて嬉しい(Nice to meet you.)」を教えるところが主流です、タイ語では「ยินดีที่ได้รู้จัก(インディー・ティー・ダイ・ルーチャック)」です、このフレーズは出会ってお互いを理解し、意気投合したときに使う、つまり別れ際に使うのが本来の使い方ですが、会っていきなり英語のように使う人をよく見かけます

 

*筆者はこのフレーズを初心者にあまりおすすめしていません、「タイ語は発音が難しい」とタイ人講師に洗脳された方が、発音に対し不必要に自信を失うこともあるからです。また、ひとりの人に一生で一度しか使えないし、先に相手に言われたらもう使えません。もし相手が「詐欺師」や「あなたに下心がある人」なら、いきなりあなたから「お会いできて嬉しいです!」と言えば相手のペースになり危険!というのは考えすぎですが…この「インディー・ティー・ダイ…」のフレーズは相手に言わせましょう

 

動物界にも社交辞令があるかも

 

 

  2 日本語では社交辞令でもタイではそうではない場合

 

 

機会があればまた会いましょう

日本ではお互い心の中では、「余程のことがない限り会わない」ことが多いと感じますが、「また会いましょう」とタイ人に言えば「いつ?」「何時?」と聞かれます

 

また、誘ってください

(もう誘われたくない場合も)日本では使いますが、タイでは明日・明後日のことと勘違いし、「いつですか?明日なら空いてますよ」とか言ったあと「いま、有名なお祭りやってます。行きますか?」「何か他に見たいものは?」などと勘違いするケースがあります

 

逆に年に1度タイ旅行をする人が、「来年も来るので、また誘ってください」と社交辞令と違ってお願いした場合、今度はタイ人が覚えていないでしょう。これまでも述べましたが、約束の賞味期限は長くて1週間程度です

 

(あの件)何かあればこちらから連絡します

これをタイ人に言っても、要件を明確に覚えているのは3日くらいかもしれません。むしろ、社交辞令で言ったことを忘れてくれるので気が楽です

 

逆にタイ人から「(あの件)またかけ直します」と言われても、かかってくることはないでしょう。こちらからかけ直しても「どうした、なにかあった?」…まあこのやりとりが自然だと事前に知っておくことをおすすめします

 

暑い国タイ

辛いものでないと食欲がでない

 

 

 上記背景

 

タイ人気質と風土の関係を何度かお話しましたが、ずっと同じような気候が続く国では、「区切り」の概念が希薄になると思われます。「時間にルーズ・すぐ忘れる」と日本人が感じるのも「時(とき)」を区切って行動する習慣が芽生え難いからでしょう…タイ人の多くがメモをこまめに取らないのもその現れかもしれません

 

年中暑いタイ

食糧はOK

 

おまけ①

☆行けたら行く(ไปก็ไป パイ・コ・パイ)

日本では、「調整次第では行きます」、タイなら「あなたが行くなら行く」といった返答ですが、基本的に「行きたくない」のが本音でしょう。タイ人から誘われて気が乗らないなら「パイ・コ・パイ」を使ってみましょう

 

このローカル線で行けたら行こう!安いから

 

 

3 タイの社交辞令ベスト1は 

 

 

キットゥン

 

 

今回は英語のI miss you.(恋しい・寂しい・想っている→場合によっては「好き、愛してる」)を表すキットゥン(คิดถึง)について考えてみましょう

 

歓楽街やナイトライフの場面で「キットゥン」と言われた場合は社交辞令や営業トークと割り切りましょう

 

筆者がFBの誕生日お祝いメッセージ(最近は簡単にできます)を送信すると、「ありがとうございます」をタイ語or英語or日本語で返信する人がいます。その返信に対し、「あなたのことを「とてもキットゥンしています(คิดถึงแกจัง)」と書くとリアクション(といっても絵でのメッセージで「私もキットゥン」)が返ってくることがありますが、社交辞令の典型的なやりとりとも言えます、理由は年賀状のように1年でたった1回のやりとりだからです

 

日本もタイも同じ

スマホは生活の一部

 

LINE交換までできても、友人止まりのケースが多いのは、何か共有する事柄(例:仕事・遠距離趣味仲間・レッスン対象者)ではないからです

ところで、タイ旅行者でこのキットゥンを言われ、本気で「I love you.」と言われたように錯覚する人が結構いますが仕方ないです、つまり

 

「キットゥン」は罪深い社交辞令

人懐っこいタイ人からキットゥンと言われれば、誰もがその気になるのは自然なことで、罪深い表現だと思っています、タイ語学校やガイドブックでちゃんと説明すべきだと感じています

 

 

本来の「キットゥン」を感じるには時間がかかる

というのも、タイ人が本気でI miss you.と言う場合、仕事でも、日常生活でも、毎日会っている(or週に1回でも)継続した期間の付き合いが前提になります

 

またsnsでの継続した付き合いより、むしろ直に会っていることが重要です。何語で話すかは重要ではありません、対面で話すことで、相手の息を無意識に受け取ることが大切なのです

 

息(いき)は生(いき)ることで、お互い生きたやりとりから初めることで、初めて「キットゥン=想う・恋しい・寂しい」という感情を交換しあえると感じます

 

本当に「キットゥン」なら「キットゥン」と言わない

毎日のように顔を合わせている相手を恋しいと想うときは、キットンやラック(愛する)といったフレーズを使わないで、たとえ数日しか会っていなくても「長いこと会ってなかったね」とか「どこに消えて(=行って)いたの?」のように他の言い方をするのが自然です

 

今はLINE、ZOOM、WhatsAPPなどで顔を見ながら話せます。タイと日本、4600キロ離れていても、継続して顔を見て話せると本当の友人になれるでしょう(特に恋愛関係を望むなら、かなり時間はかかりますが最低限必要な努力といえます)

 

性別問わず、いつも一緒だった人がいなくなると

「キットゥン」の想いが起こる

 

歓楽街ではビジネスライクで

 

おまけ②

日本人が帰国時にタイ人から言われるフレーズに「(今度は)いつ帰ってくるの?ータイ語:「เมี่อไหร่จะกลับมา?)」があります。タイ人にとってはありふれた言い方かもしれませんが、「帰ってくる」という語になんとなく後ろ髪を引かれます

*最近、最初にいた高校から「いつ帰ってくるの?みんなキットゥンしている。はやく帰ってきてまた教えてほしい」と某先生からラインがきましたが、返答に困りました→いろいろ考えて返信する頃、相手はこの件を忘れている可能性があるからですウインク

 

また、日本で長期休暇をとって訪タイし、帰る時に、「なぜそんなに急いで帰るの?タイ語:ทำไมรีบกลับ?」とよく言われます。「仕事があるから」「ビザの関係で」…など本当のことを言っても嘘をついているような気分にさせられます

 

上記2例、相手の真意は分かりませんが、仮に社交辞令だとしても、ほのぼのとした感じになる人が多いのではと想像します照れ

 

  エピローグ

 

ここまで書いてきて思うのは、筆者はタイが専門だから上記のような偉そうなことを言えるのであって、仮にタイではない他国に赴任したら、やはり「キットゥン」のような表現と出会えば、タイの初心者同様、「親愛表現」「愛情表現」と思いたくなるしょう、人間は感情の生き物ですから

 

 

 

 

課題

 

さてタイ語にも他にも聞き手を困惑させるフレーズはあるはずです、例えば

*すばらしい(ケン・マーク、スット・ヨートなど)

*お大事に(ハーイ・ワイ・ワイ)

*ご幸運を(チョーク・ディー)

など…気がついたら自問自答してみましょうチョキ

 

 

ここまでにしましょう