みなさま、こんにちは

 

 

 

 

  1タイ人はこれまで戦争をしませんでした。周辺国がたびたび戦争を行うなか、どうして戦争をせずにこられたのでしょうか?

 

 

(答)そのつど強い国の味方になったから

 

タイは戦争勃発理由の良し悪しにかかわらず、有事の際は必ず形勢有利な国と同盟をかわし戦禍を避けてきました。『孫子の兵法』顔負けの戦法です。仮に日本がA国と戦争になり、その影響がタイにも及ぶ危険性があり、A国が9割以上の確率で優勢な場合、タイは日本を捨て、A国と同盟を結ぶでしょう・・・たとえ、長年タイがA国と敬遠の仲であったとしてもです。島国日本と違い、タイとの国境がある4カ国の歴史から学んだタイの知恵と言えるでしょう。まさに「賢者は歴史に学ぶ」といったころでしょうか・・・

 

以後、日本人のメンタリティーの根幹ともいえる「恩」の考え方をヒントに考察します。ちょっと退屈かもしれませんが、このあたりを理解しておくとタイ人(orタイ国)との関係でイライラすることから開放されるかもしれません


訳;たとえ正しいと思っていても

負けを認めなければならない

この道ではバスとトゥクトゥクが強者

弱者が強者に挑むのは愚策

 

国防訓練

タイは負けない!ようになっている 

 

  2 日本人にあってタイ人にない「恩」👉本当の意味は?

 

 

(答)「行いを知る」

 

戦争から話がそれますが、「恩」は古代インドから来た借用語でタイ語で「カタンユー」といい、もともと古代インド語(サンスクリット語)では「行いを知る」という程度の意味なのです。日泰修好130年の間柄であっても、タイ人に恩義・恩情を訴えて問題を解決しようとしても無駄かもしれません。会社で「あいつに、あれだけ目をかけて世話をしてやったのにお礼ひとつしない」と怒る日本人が多いのですが、戦争も含め、恩情ベースでの解決や見返りは期待できないと思われます

 

プローイサット(動物を逃がす儀式)

いずれ殺傷する生き物を逃がす(殺傷しない)

これは布施であり生き物への恩義ではない

 

 

  3 日本のNPO団体などが、経済的に困っている学校などに多額のお金を寄付しても恩義は感じないのでしょうか?お金を寄付したときはとても感謝しているように見えたのですが??

 

 

(答)潜在意識で恩義は感じないが、謝辞は必要なことと認識している

 

お金をもらったときは嬉しいので、謝辞も言いますし、学生にタイ舞踊をさせるなどして接待をしてくれるところもあるでしょう・・・ただそれは、楽しむことが目的で、これを「もてなし上手のタイ人」だと勘違いすることもあるそうです。

 

しかしながら、寄進されたとき、本人も気づかない潜在意識では次のように考えているかもしれません。

 

様々な日本の団体がタイに寄進・寄付することで、「徳を積む機会を与えてあげた」・・徳を積めば来世は今以上によくなる(良い身分になり楽ができる)・・・

従ってお礼を言うなら、むしろ寄付をした日本の団体の方だと・・・

 

「そんなアホな!」とお思いでしょう・・・

 

 

 

 

4 実例ですが、日本人上司が転勤となり彼の右腕だったAさんに4万バーツもするアイフォンを買ってあげました。翌日どうなったでしょうか? 

 

 

(答)もらったアイフォンを売り3万バーツを得た

 

理由を教科書的に整理すると次のようになります

●1アイフォンをもらった社員の上司は去り、新しい上司が来る。先の戦争原理同様、自分に対し有利な方(新しい上司)の方に味方意識が芽生える(去る上司は心理的に捨てられる)

●2恩義の思想がないので、アイフォンを買ってもらった事に対し、何らかの義理を果たす習慣がない

●3アイフォンを買った上司は徳を積めたので、もらった社員は上司にいいことをさせてあげたと捉える

 

上記3つは、タイ人の潜在意識にあるものです。顕在意識では「旧上司は敵ではない」「恩義がある」「アイフォンをもらって感謝している」と考えるべきだと自身に言い聞かせているうちに自己暗示にかかり恩義や感謝を感じるようになり

1-3の潜在意識には一旦蓋がされます

 

ですが、何かあった際、上のような行動に出るのです。例えば「お金がすぐ必要」と思った時

1-3のような潜在意識にある「タイ人にとって正義の習慣DNA?」によって換金という(彼/彼女にとって正しいと感じる)行動にでてしまうのです

 

 

タイに住み、タイ人を絶対肯定し日本人を

完全否定するのは、まさに洗脳と

言っても過言ではないのです

気をつけましょう

  

 

  4 潜在意識とか顕在意識とかややこしいですね。ちゃんとまとめてください!

 

(整理しましょう)

①タイはインド思想の「布施」文化、日本は中国思想の「恩義」を重んじる文化

②タイに「恩義」の思想はなく、日本にも「布施」の思想はない(言葉だけある)

③両国が長年(2千年位)、①の習慣を受け継ぎ、考える基盤になってしまった

④sns以前から世界のグローバル化などで、各国の距離感が近くなった

⑤その結果③が心の奥底(潜在意識)に隠れ、④によって意思疎通のためには似たような考えに基づいて(顕在意識)で話すようになった(主に英語を介して)

 

緊急時に表面化する潜在意識は、それぞれの国の長年築かれてきた習慣(布施や恩義等)に根ざしています。それが表面化しない間はお互い上手くいっているように感じますが、いざとなると、お互いの潜在意識が表面化し、お互いがお互いを非難し合うことになるのです。異文化ギャップの怖いところはまさにこの点にあると感じます

 

(補足)

戦争であれ、教育であれ、芸能であれ、自身にとって有益かつ人気のある側をその都度味方として入れ替えるのがタイでありタイ人の気質に連動していると思われます

 

今まで仲良くしていた間柄なのに、突然の寝返りに遭うこともあります。一方、数回しか合わなかった知人からもคิดถึง(キットゥン「I miss you.」)というフレーズをよく聞くはずです。ですが「恩義がある」からคิดถึง(キットゥン=I miss you.)という想い(感情)になならないと考えたほうが無難です。でないと場合によっては「裏切られた」と感じるかもしれません。冒頭の戦争の例も生命にかかわることなので、日本が突然タイの敵になることも可能性として否定できません。

 

 

 

 

今日は、ここまでにしましょう

 

 

 

 タイ語表現演習

 

(前回の答え)

友達とランチにいくことになった読者、A)店選びが面倒くさいので「まかせる」という場合、B)店そのものに関心がないので相手に「まかせる」―このAとBの「まかせる」はタイ語で何と言うでしょうか?

Aはแล้วแต่(レオ・テー)「直訳:あなた次第→あなたが決めて(私はどこでもいい)

Bはเฉยๆ(チュイ・チューイ)「(店そのものに)関心がない(or興味がない)

今日から8月末まで、タイ語表現演習は夏休みにしましょう

 

 

ではまた