扉は、プライバシー保護に必要不可欠な物。
しかし、同時に外に居る人間の姿は見えません。
例え、全くの別の物だとしても…
扉の向こうの訪問者
「この前さ〜、変な体験しちゃったんだよ。出張先でさ〜」
Oさんは、出張の多いお仕事。
地方に、月の半分ほど行かれるそうです。
「すいませ〜ん、隣の部屋の者ですが子供がこちらに来ていませんでしょうか?」
その日もOさんは、出張先のホテルで荷解きが終わり寛いでいた。
すると、突然部屋の扉をノックされ扉越しにこう聞いてくる人がいた。
Oさんは、子供が迷子なのかな?くらいの気持ちで扉を開けようと入り口に向かう。
〈ドン!ドン!ドン!!〉
「子供きてませんか?子供来てませんか?子供ー!!」
唐突に、荒々しく叩きながら壊れたように子供と繰り返す何者か。
怖くなったOさんは、ノブを握りしめたままで固まった。
〈ドン!ドン!ドン!!ドン!〉
鳴り止まない音。
Oさんは、震えながら耳を塞いでしゃがみ込む。
暫くすると、扉を叩く音は聞こえなくなっていた。
『子供…来てませんか…?』
ふいに、地を這うような低い声が聞こえた後に静寂が訪れた。
しかし、Oさんは恐怖のあまり暫くは扉の前から動けなかったらしい。
どれくらいの時間がたったか分からないが、ようやくOさんはドアスコープを覗いて外の様子をうかがう。
何も居ない…少し暗めの廊下が見えるだけ。
あの声の正体は分からないまま。
「あれってさ…すぐに開けてたら何が居たのかな?」
Oさんは、そう呟いていた後は話を切り替えてしまいました。
一体、Oさんの部屋を訪問したのは何だったんでしょうね?