8月28日。一日中小雨、26度。

 ポランのひろばのある沖縄の知念村を発って3日が過ぎた。今回の沖縄滞在も例によってあれもこれもという予定を立てたのだが、涼しいスイスから長時間の飛行と蒸し暑い大都会を経由するという疲れを計算せずにいたので、計画していたことのうち二つのことを諦めなければならなかったが、それでも正味四日の滞在としてはいくつかの大きな収穫があった。


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 久高島の夜明け。

 23日。この日は計画していた二つの調べ物を放棄した日だったのだが、夜になって予想していなかった収穫を得た。というのは、この晩は友人のケイタさんがお膳立てしてくれた写真仲間の飲み会だったのだが、その場所がまた素晴らしいところだったのだ。国際通りにある、公設市場を中心としたマチグワーは有名で今や観光名所と化しているが、それはさらにディ-プに入り組んだ、観光客など影も形もないマチグワーの中にある飲み屋だった。僕よりも先に着いていたケイタさんが、近くまで来た僕をその飲み屋に案内してくれたのだが、一度店を出たケイタさんすらその店を見つけるのに苦労をするほどの迷路の中にその飲み屋はあった。入口は狭いのだが、その店の中も迷路のように込み入っていていくつかのスペースがあり、印象よりははるかに広い。その店そのものを写真のモチーフとして撮りたいと思った。そしてさらに大きな収穫は、ケイタさんの素晴らしいパートナー、さらにisさんとミヤモトさんという新しい友人を得たことであった。そして、来てくれたみんなに心から感謝!


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 迷路のようなマチグワーのなか。

 24日。この日の予定はただ一つ。大浦湾の珊瑚保全や泡瀬の干潟埋め立てに反対する活動を行っている、サンラーさんとお会いすることであった。サンラーさんは、奥さんとお二人でわざわざ知念村まで来て下さり、多くの貴重なお話を伺うことができた。奥さんは東北のご出身なのだがウチナーグチを学ばれていて、まるでウチナンチューのようなイントネーションで話されていた。素晴らしいご夫妻に出会うことができた。サンラーさん、おくさん、ありがとうございました。夜はポランのひろばオーナーご夫妻に、移住者が南城市に新築したペンションの落成パーティーに連れて行ってもらった。内地から来た人たちもいたようだが、パーティーに来た人のほとんどがウチナンチューで、それはそれはディ-プな沖縄式パーティーだった。ここでの収穫ははじめてヤギ汁を食べたことだ。建物の落成式のようなときの食事として、ヤギ汁は沖縄では欠かせないものらしい。人の話や本で読んだ知識では、ヤギの肉の臭いのせいで沖縄の人でさえ食べられない人がいるということだったので、いままで自分からすすんで食べるということをしなかったのだが、こんなに美味しいものだとは思わなかった。これも大きな収穫のひとつであった。

 25日。朝9時半に知念村を出て那覇に向かう。途中でメンテナンスに出していたレギュレーターを久米島のダイヴィングショップ・ネプチューンダイバーズであるトントンミーさん宅に送る(宅配便でレギュレーターを送ったとき、心痛むことがあり考えさせられたのだが、そのことは後日書くことにする)。途中何回か渋滞に巻き込まれたのだが、レンタカーを返す時間(11時)に大きく遅れることなくレンタカー屋に到着。空港には早めについたので、レストランで早めの昼食。そのレストランでは、大きな窓から見えるチービシや慶良間諸島を眺め、その海に潜った日々を思い出しながら食事をした。そして沖縄本島を眺めながら東京へ向かう。沖縄の去る飛行機の中から、沖縄本島を眺めるときほど辛いものはない。
 東京へは予定通り午後3時10分に到着。今晩の会合をアレンジしてくれたひでくんに電話。新宿で迷子になる可能性があるので、ホテルまで迎えを頼む。重いバッグを担いで新宿へ向かう。ホテルにチェックインする前に緑の窓口へ行き、翌日の松本行きスーパーあずさのチケットを買う。新宿駅南口を出てホテルへ。値段の割に狭い部屋に当惑。窓から記録用の写真を撮る。弟に電話して翌日の午前中に会う約束をする。弟には弓の修理と毛の張替を頼んであったからだ。夜は、東京にいる以上どうしても会っておきたい友人たちと会食。もちぷりんご夫妻、nankurukuruさんとは初対面であったが、わざわざ新宿までおいでいただいた。とももちゃん、amicaちゃん、みっちぇるさん、会えてうれしかったです!ミッチェルさんには素晴らしい写真を頂き感謝!そしてひでくんに最大限の感謝!来る予定だったさめさん、kusaさん、Ta○shiくんは不参加。次回を期待。


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 新宿のホテルの窓から。


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 若い母とその娘。

 26日。午前10時に弟がホテルまで弓に本を届けてくれる。そのあとカフェで2時間ほど話し込む。もつべきものは友であると同時に、仲の良い信頼できる兄弟であることを再確認。そのあと銀行へ行き所要を済ませ、時間つぶしにまたカフェに入る。新宿の街を眺めながら食事する若い親子を写真に撮る。夕方6時過ぎ松本のホテルにチェックイン。ここから先は地獄の毎日。自分の日記を書くどころか、人の日記を読む余裕もないほど疲れ果てる毎日。