雪乃香り塩田武士

ジャンル:恋愛、ミステリー

 

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

テンポ9.0、プロット9.3、ストーリー性9.5、展開9.0、人物描写9.3背景描写9.5

空気感9.2、恋愛度9.5、ドキドキ感9.5、伏線9.2、読後感10.0

 

    

 

~ 解説 ~

初読の作家さんなれど、引き込まれた。

まぁ、良い本というのか自分に合う本というは数頁も読めばなんとなくわかるものだが、この作品においては1頁目で大当たり!!を確証し、ネットで既刊の作品を注文していた。

 

ジャンルとしては、ミステリー要素を多分に含んではいるが、ガチガチの恋愛小説。

 

ストーリーは、12年前に理由もわからずに恭平の前から突然に消えた彼女雪乃が、出会ったのと同じ場所で同じシチュエーションで出会うところからはじまる。過去の思い出と現在を行ったり来たりしながら徐々にストーリーが進展していくという形式なので、センテンスも比較的短くテンポよくて非常に読みやすいし、ダレる暇もない。

 

のみならず、人物や背景の描写、プロット、ストーリーすべての要素がバランスが取れていて、最初から最後まで引き込まれ続ける非の打ちどころもない作品でした。

 

~ 作品につい ~

舞台は現代の京都、それも鴨川デルタと呼ばれる三角州から北山辺り、ちょうど上京区から北区を中心に物語が進む。

 

従ってこの辺に住んだことがある人であれば、非常に丁寧に調べ上げたことだけで感動するのではないだろうか。

(逆に知らない人にとっては、説明がしつこすぎるかもしれないが・・・)

 

背景描写でそうなのだから、人物描写は言わずもがな。

主人公で現在記者の恭平とヒロイン雪乃はもちろんの事、その他の登場人物 刑事の勝山や学生時代の悪友衣笠などの登場人物さえもが顔かたちから体形、下手をすれば声までイメージできてしまうほどに生き生きと描かれている。

 

ストーリーとしては、12年前に突然消えた雪乃と出会った再開したのは、

 

  はたして偶然なのか。

 

    突然消えた理由はなんだったのか。

 

      彼女はまた、消えていなくなるのか。

 

いつ消えぬともわからぬ不安を押し隠しながら、好きだからこそ聞けぬ彼女が隠している真実を探るうちに、徐々に点と点が繋がってくるときに現れる雪乃の実体とは。

 

~ 読後感 ~

恋愛小説である。

死ぬ人は出てこないが間違いなく謎が謎を呼ぶミステリーでもある。

 

京都の街を縦横無尽に、時には昔の思い出や今の現実をの中で散策する恭平と雪乃が、ただただいとおしくなってくる、是非手に取ってほしい感動的な作品に仕上がっています。 了

 

 

<評価の説明>

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい