生活安全0課 ~ファイヤーボール~ 著者:富樫倫太郎

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品

   プロット;7、ストーリー;7、描写;6、テンポ;5、ドキドキ感;6、発想:7

   スリル;6、サスペンス;6、ドンデン;6、推理;6、感動;-、泣ける;-、切ない;-

ジャンル:歴史、連作短編、ミステリー

感想:

とにかく、傑作のシリーズSVOの期待をもち、満を持して新シリーズ「生活安全課0係」を手に取った。

 

結論は非常に微妙。

 

それは、わたしが本を読むうえで大事にしているスピード感やテンポがどうも悪いということ。

 

もうひとつ不平を言うと、バックボーンや人物の描写がどうも拙い。

 

それは、多分に期待値も含まれていることは致し方ないが、どうも安物刑事ドラマ風なのである。

 

そうして、インターネットで調べてみると、3年ほど前に金曜8時に小泉孝太郎と松下由樹と、なんとも時間つぶしの枠とキャストでドラマ化されていた。

 

確かに、この時間帯にはちょうどいいレベルかもしれない。

 

 

ストーリーはというと、

主人公の小早川冬彦は、東大出のキャリアエリート警部ながら20代ですでに科研警へ左遷されてたボンクラ。

 

キャリアはあるが、その経歴は、中高ひきこもって進学せず大検を経て東大へという、知能指数だけはいいオタクという設定になっており、オタクの例にもれず空気が読めない。

 

 

だてにキャリアではない。

 

独自の知能やプロファイリングなどで、警察内部の秘匿情報を解明したことをネタに上層部を脅し、科研警から希望の刑事課に異動となる。

 

その移動先が、彼を取り込むために新設された、ついでに署のあぶれもまで寄せ集めた生活安全課なんでも相談室、通称なにも生まない「0係」への配属となる。

 

 

放火事件、ぼけ老人の徘徊、やくざの闇カジノ、幼児の家出など、大きい小さいに係わらず、科研警や独学で培った理論で、解明していくのだが。。

 

 

この手の作品によくある、収束。

 

それも、なにか無理やり感がありあり。

 

どうも、最後まで パッとしない内容に 少々どころかガッカリ。

 

 

ひとつだけ面白いところとしては、プロファイリングの種明かし的な内容。

 

相対する人の感情は顔ではなく挙動の方が分かりやすい、例えば 相手の靴がこっちに向いているかあっちに向いているかが、それが自然とこちらへの興味の度合いをと一致する。

 

もしかしたら、当シリーズはそういったプロファイリング的な心理面を多用してくるのだろうか。

 

 

期待をもつと、あまりいい作品には出会えない典型的な作品なれど、すでに既刊すべて購入済みで積読中になっているため、そのうちにまた1冊1冊読んでいこうとは思う。 了

 

 

 

<評価の説明>

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい