神の時空 ~貴船の沢鬼~ 著者:高田崇史

★★★★★10:超傑作、もう神の域

  プロット;9、ストーリー;9、描写;10、スピード感;10、ドキドキ感;9、発想:8、

  スリル;8、サスペンス;9、ドンデン;9、推理;10、感動;-、泣ける;-、切ない;-、

ジャンル:ミステリー、歴史、京都、怨霊

 

感想:

年明け早々大当たり。

 

それは、登場するほとんどの場所が私が生まれ育った、もしくは深く縁が地であったことからで、従って多分に主観は入っている。

 

とはいえ、その主観をのぞいたとしても、過去の高田崇史作為品の中でも突出しているのではないだろうか。

 

 

 

シリーズ第三作は、京都の貴船と橋姫伝説。

 

 

『貴船』といって 直ぐにピンとくる方は、相当に京都通ではないだろうか。

 

場所は、京都の北部の鞍馬山中にある。

 

 

ぱっと思い浮かぶとすれば、少々齢を重ねている方であれば 貴船川沿いに立ち並ぶ料亭が、夏の一定期間だけ 涼を取るために川の上に座敷をあつらえて 食事ができる 「川床(かわどこ)」であろうか。

 

また、最近ではパワースポットとして、また貴船神社の水占いが有名になったので、若い女性を中心に知る人ぞ知る場所なのであるが、それでもマイナーであることには違いない。

 

 

 

そんな貴船と宇治の橋姫伝説の関係、近隣にある天狗で有名な鞍馬寺やその魔王殿、上賀茂/下鴨神社の真の位置づけなどなど。

 

 

 

京都の街を、北に南に走り回る様はあたかも ダ・ヴィンチ・コードばりの迫力とスピード感。

 

 

 

地理的に細かな点までは正確に検証されているのは地元民保証付き。

 

 

 

もちろん歴史の解明も当作は相当に広く深く突っ込まれている。

 

その上、ミステリーとしても最上級な作品となっており、当作家の中でも一二を争う出来栄えではないだろうか。  了

 

 

 

<評価の説明>

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい