LAUGHTER IN THE DARK
~ライブの感想 ③良かったとこ~
前回は、宇多田ヒカルさんのライブの まずは勝手な主観で、良くなかったとこを述べさせていただきました。
が、それはわたしの大いなる間違いでありました。
なので、今回は良かったところを述べさせていただきたいと思います。
まずライブは、スマホでのカメラやビデオの撮影はフラシュさえたかなければ自由ということでした。
理由はわかりませんが、おそらくデジタルチケットでの入場で基本100パーセントのスマホ保有の観客、ということは全員がカメラを持っている。
たとえ、撮るなといってもコソコソと隠れて撮影する。
そこに意識が向かい、それがためにコンサートへ集中できなくなるであろうことを聡明なる彼女なら想定したハズで、それなら好きに撮れ
と彼女の独断で というか掛け合ってでも思い切った決断をしてくれたんではないだろうか・・・、そんな風に勝手に思っています。
あくまで想像ですが、おそらく彼女の強い意向があったことは間違いないと思っています。
観客全員が、驚きつつも嬉しく感謝していますm(_ _)m
こころから、ありがとう。
さぁて、場内が暗くなり、一瞬の間のあと 直ぐに1曲目『あなた』が始まりました。
シックなブラックのロングワンピース。
んっ、彼女の声か。
よくよく聞いていると、ほんのわずかではあるが 鼻にかかっている。
これまでの疲れなのか、風邪っぽいのか。
それでも、聴こえてくる歌声には、圧倒的な伸びのあるパワフルな声量。
そうしてモニターには、「あの宇多田ヒカル」が映っている。
どうやら本当に同じ空間にいるようであるが、まだ現実化はない。
悲しいかな、カメラが気になる。
聴こうと思っても、なんとか収めたいと、貧乏性なのが悲しいくらいに撮りたくて仕方ない。
その気持ちを抑えて、とにかく歌に集中する。
そうだ、双眼鏡を持っていたことに気づき、舞台を見ようとするが、前には人人人。
わずかな空間から、舞台が見える。
その隙間を彼女が横切る時に、確かにレンズが実物の彼女をはじめて捕らえる。
「ほんとうに、宇多田ヒカルだあ![]()
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」
ここではじめて実感する。
このあと、何曲かを歌い終えてMCに。
そこでは、ちょうど20年前の今日、デビューしたことが告げられる。
「自分をほめていいよね」
そうか、天才と言われ実際にありえないような記録も残してきた彼女。
哀しいプライベートがあったこと、われわれ凡人には決してわからないプレッシャーなど、華々しい表舞台に立ちながらも多く苦しさや悲しさ、孤独なんかと戦いながら生きてき彼女の生き様に共感して、いまこの場に来たことを、今更ながらに思い出す。
こころからおめでとう![]()
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自然に大声で、涙しながら叫んでいる自分に驚く。
拍手拍手拍手、鳴り止まない拍手。
モニターからは、明らかに涙ぐむ彼女。
こちらまで、一緒に泣いている。
なぜだろう、彼女を見ていると 切なく心が締め付けられる。
もしかしたら、あの鼻声は、今日のライブの緊張やこれまでの20年間のいろんな感慨なんかも含んだものだったのでは。
そう考えると、「人間活動」も並大抵の決断じゃなかったんだろうなぁとか、いろいろと思いを巡らしている。
が、実は これはライブが終わって丸一日 経って思い返して想うこと。
途中で、失礼ながら ダンサーさんとの2タッグがあるが、興味をそそられない。
そうして幕間、もちろん衣装替えなのだが、ここでビデオが流れる。
以前SONGSで対談していた又吉直樹さんとの再対談。
実は、この対談はショートコントの前振り。
彼女は途中から、ボケては又吉さんの頭へビール瓶を叩きつけて割る、という昔ながらのコントが続く。
結構長い、どれくらいあったのか、おそらくは15分以上ではないかと。
ただ そこには、いつもの生き生きとキラキラした少女のような眼差しの笑顔の彼女がいる。
いつもの無邪気な明るくあどけない彼女のもう一面が映し出されている。
が、ライブ中には、なんでライブを見に来てモニターばかり見てるんだろう、ライブを見に来てるのにずっとモニターを見てるじゃん、となんか。。。
実は、これもあとから思ったことだが、きっと彼女なりの必死のファンサービス。
コンサート会場でライブでコントをするわけに行かず、忙しい間を縫って 観客を楽いませたい為だけに、慣れないコントの撮影を、しかもあんなにSONGSでは真面目に話しをしていた又吉さんとするなんて。
でも、ちょっとイラついていたのは、単に彼女へ近づける嫉妬心だったかと、これものちのち気づくわけだが・・・。
そうしてMCでは、『オートマチック』が実は団子差兄弟に阻まれて結局1位を取れなくて、悔しかったこと、お母さんの藤圭子さんが自分が敵わないすごい歌手だったと嬉しそうに自慢しながら、自らが引っ込み思案で人前に出る子ではなかったが両親に恵まれて今ここにいられることに感謝する、と自分の想いを話す彼女。
ラスト曲前のMCでは、もう一度 20周年という日であることに話しを戻すも、度々感涙に言葉を失う。
走馬灯のように、いろんなことが駆け巡ってるんだろうなぁと思ったときには、
「がんばれー」
と、腹の底から また大声を張り上げている自分に、それもまた涙が流れていることに驚く。
ほんとうによく泣く日だ(笑)
いまも少し、あのときに掛けた頑張れは、言って良い言葉だったのかどうかは自身はない。
少々、以上に後悔もある。
が、あの声はおそらくまちがいなく、彼女にも耳にも届いたハズ。
後悔しているのに、少し嬉しくも喜んでいる自分の幼さに気づくのも 後のちになってから。
アンコールでは、『俺の彼女』、『Automatic』、そうしてわたしが彼女の楽曲のなかでも一番好きで、すでにこの1ヶ月間だけで繰り返し100回以上も聴いている、にもかかわらず、未だに毎回 通勤電車であれ、ひとり部屋にいても同じように目頭が熱くなる『GoodbyeHappiness』で終了となる。
コンサート終了時は、実はなんとも演出やセットに凝ったところもなく、会場は平面でほぼ何も見えない、そんな結構不満の残るコンサートであったのだが、彼女のわずかながらのMCを思い出しながらに思い返すと、実は自信のない彼女が唯一自慢できると思っているのが歌をうたうこと。
それを精一杯聴かせようと、凝りに凝った結果が、逆に以前のライブに比べて無駄な演出や趣向なんかを削ぎに削いだ、それが今回の LAUGHTER IN THE DARKだったんじゃないかと、振り返り思い起こしている。
この数時間、PCの前でこのブログを書いている横では、ずっと宇多田ヒカルさんの曲が流れ続けています。
あくまで、完全なる主観で書いている今回のライブの感想。
もし読んでおられる方に、不快な思いをさせているのなら心からお詫び致します。
ただ、こころから彼女の楽曲はもとより、彼女という人間が大好きな人間が綴る公開ラブレターだと思って、お許しいただけると幸甚です。
あと、しつこいようですが、あと一回だけ感想を含めたわたしの心の総括をしたいと思っていますが、もしお読みいただけるのであれば、それはそれで幸いです。 了