QED ~flumen~ ホームズの真実 著者:高田崇史

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

  プロット;8、ストーリー;8、描写;8、スピード感;8、ドキドキ感;8、発想:9、シリーズ:無し

  スリル;7、サスペンス;7、ドンデン;9、推理;9、感動;-、泣ける;-、切ない;-、エロ;-

 

ジャンル:ホラー、ミステリー

 

感想:

シャーロック・ホームズには、ほとんど興味がない。

 

昔何冊かは読んではいるものの、地を這いつくばって証拠を探し推理するホームズに対し、心理と頭脳で解明していくポアロに惹かれたのが一番の理由。

 

そのため、QEDシリーズは読み尽くしはしたものの、そのなかでのflumenシリーズは、長い間 置きっぱなしになっていた。

 

その判断が間違いであることは、特に中盤以降に明らかとなった。

 

 

 

ストーリーはもちろん、シャーロック・ホームズ。

 

言わずと知れた コナン・ドイルのシリーズの主人公探偵である。

 

なので、もちろん現実ではないフィクションである。

 

 

が、当作品はこのフィクションがほんとうにフィクションなのか、もしかしたら現実ではなかったのかを、真剣に問うていく。

 

 

これをホームズとともに対応させるのが、源氏物語。

 

 

源氏物語は、特に好きな古典なのだが、まぁとにかく否定する。

 

ひとつには、主人公の光源氏とともにもうひとりの紫の上に脚光を向ける。

 

ひとつには、この紫という色に隠された謎に目を向ける。

 

もう一つは、もともと作家の紫式部の名前の謎。

 

もともとが藤式部と名乗っていた彼女が、作品の紫の上の名をとって 自身の名前を変える異常性から、その本質を追求していく。

 

 

ホームズにしても、彼の家族である兄のマイクロフトや父のヘンリーにまで言及して、彼の実在性を証明するのだが。。。

 

 

こんかいの作品は、これまでのQED以上に突っ込んだ作品となっており、想定外の奇抜さでは群を抜いているかもしれない。 了

 

 

 

<評価の説明>

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい