カンナ ~戸隠の殺皆~ 著者:高田崇史
★★★★★★★7:秀作、十分に楽しめる作品
プロット;6、ストーリー;6、描写;7、スピード感;8、ドキドキ感7、発想;6、シリーズ;有り、
歴史謎解き;5、サスペンス;5、ドンデン;6、推理;5、感動;-、泣ける;-、切ない;-、エロ;-
ジャンル:、歴史、ミステリー
感想:
シリーズ第五弾は、戸隠山。
神社と蕎麦で有名な、歴史を交えれば戸隠忍者なんかもあるが、まぁ マイナーなネタではある。
とはいえ実は、個人的に戸隠山には比較的に馴染みが深いのである。
学生時代、信州長野に住んでいたので、車で1時間足らずで着けるこの戸隠山や飯綱山には、冬はスキーで、夏は登山や蕎麦を食いに行ったりと、なにかと足を向けた思い出の地なのである。
さて、当作がどのような観点から歴史にメスをいれるのかというと、それはやはり戸隠社をおいてほかにない。
行ってみるとわかるのだが、この神社 思いのほか大きい、というか山のなかにある神社である。
山の麓に中社、そこから数十分山を登ると本殿の奥社があり、その間にいくつかの社がある。
清廉な空気のなか、ヒーリングやパワースポット、最近では森林浴や森ガールなど、楽しみ方は自由なれど。
この神社に祀られている神が誰か、わたしも当書を読んで初めて知ったのだが、かの天照大神の天岩戸で名を馳せた 奥社は相撲で有名な天手力雄命、中社は知恵の神 思兼命、あとの3社には天鈿女命、天表春命、九頭竜大神が祀られえいるのだが、
名前の由来が、天手力雄命が岩戸を力いっぱい開けたので、その勢いで戸が吹っ飛んでゆき、落ちた地点がこの戸隠社であるというのだが。
そこから、この神社の秘密、引いては日本書紀の天照にまで話題が馳せていく、悠久の歴史である。
テーマが少々マイナーではあるが、その分 現代の主人公3名の社伝の追っかけっこが本格化してきたこともあり、総合的には楽しめる作品になっている。 了
![]() |
カンナ 戸隠の殺皆 (講談社文庫)
679円
Amazon |
<評価の説明>
★★★★★★★★★★10:超傑作、もう神の域
★★★★★★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊
★★★★★★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊
★★★★★★★7:秀作、十分に楽しめる作品
★★★★★★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品
★★★★★5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル
★★★★4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・
★★★3:失敗作、読む価値なし
★★2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル
★1:ゴミ、即破棄してもいい
