SRO Ⅳ ~黒い羊~ 著者:富樫倫太郎

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

ジャンル:、サスペンス、ミステリー、警察もの、シリーズ

 

感想:

SROシリースの第4巻。

 

前作では 、シリアルキラー近藤房子に散々な目にあったSRO。

 

なかでも 副室長 芝原麗子、メンバーの木戸沙織、あともうひとり 一課からレンタル移籍していた坊屋久美子と、女性3人の受けた衝撃は相当ものだった。

 

 精神的に疾患のある麗子は 隠し続けてきた秘密が、チームメンバーの前で白日の元に晒された。

 

 家族ともども恐怖に陥れらえた沙織は、相変わらず入院中である。

 

 ギャーギャー吠えまくっていた坊屋久美子は、一課に戻ったあとは村八分状態になってしまっていた。

 

それぞれが、問題を解決できないまでも、気丈に表面的には立ち直ったふりをしている。

 

 

 

いつものように上層部から活動停止を命じられて投書に目を通すだけの毎日のSROに、珍しく仕事が舞い込んできた。

 

それは法務省からの要請で、過去 少年時代に犯罪を起こした成年の捜索依頼である。

 

青年の名は太刀川遼一。

 

犯した罪は、父母と祖父と妹の4人の惨殺。

それも、殺害後 寝袋に詰め込んで、蛹のようにしたかったという精神的異常者。

 

服役後も、彼の更生プログラムを組んで進めていため法務省が監視していたのだが、行方不明になったことで、失態もさながら 社会に及ぼす不安などの影響も考慮し、SROに「捜査」ではなく 「捜索」依頼で直々にご指名されることとなった。

 

事件は、どんどんと深みにはまっていくのは当たり前だとして・・・。

 

それ以上に気になるのは、チームメンバーのプライベートや過去が徐々に明かされていく。

 

そうして今回ターゲットにされたは、室長の山根新九郎と針谷太。

 

このミステリーとプライベートが交互に語られるのだが、そのバランスとタイミング。

 

バラエティーに富んだ7人それぞれの個性が混じり合い飽きることは全くない。

 

とにかく、登場人物も犯罪も惹きつけられる魅力的作品でありシリーズである。 了

 

 

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい