笑うハーレキン   著者:道尾秀介

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

ジャンル:本格ミステリー、ピカレスク

 

感j想:

道尾作品にしてはソフトな方で、名作『カラスの親指』と同一系統の楽しめる内容。

 

主人公の元家具職人で会社社長だった40代の青年 東口は、連鎖倒産の煽りを食らってホームレスになっている。

 

また彼は、息子を失い その後、嫁とも離婚して一人になっている。

 

そんな彼の生活に身元不明の若い女性が乱入してきて、唯一のトラックを使って家具修理業を再開したり、ホームレス仲間の自殺、裏社会の人間との関わりを経験しながら、またいつのまにやら彼に付きまとうこれも正体不明の「疫病神」と呼んでいる幻影と折り合いながら、無理くりにでも笑顔を取り戻していくストーリー。

 

 

その中には笑いあり涙もあり、スピード感や展開は逸品、散りばめられた謎かけは推理小説さながらで、とにかく重いテーマの道尾作品ではなく 気楽な娯楽小説としては 十分楽しめる作品に仕上がっている。 了

 

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい