ある閉ざされた雪の山荘で   著者:東野圭吾

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

ジャンル:本格ミステリー、どんでん返し、叙述、密室

 

感j想:

2017年、東野 第二弾は、前回の『仮面山荘殺人事件』に味をしめ、同じ系統の密室、叙述ミステリーを選択。

 

結果から述べると、上記作品に比べれば やや小粒感は否めない。

 

とは言うものの、題名の付け方、物語の進行、トリッキーさ、スピード感、それと読み始めると止められない徹夜本であることは間違いない。

 

評価が少々低めなのは、東野作品としての期待値に対してであり、他の作家との相対評価では決してないので悪しからず。

 

 

さて、ストーリーはというと、

ある劇団のオーディションで、劇団員から選抜6名と外部から1名、彼が主人公でありストーリーテラーなのである、の計7名の役者が選ばれる。

 

ある日彼ら全員に、信州のとあるペンションへ来るようにとの演出家からの連絡があり 集合することになるあたりで、題名からも 「ああ、大雪が降って閉じ込められて、そうして殺人事件が起こるんだろうなぁ」と勝手に想像するのだが・・・、しかし この想像は 早々に駆逐される。

 

彼らが到着するやいなや 演出家からの速達便にて、ミッションが告げられる。

 

次回作品は密室連続殺人がテーマなので、『このペンションで過ごす4日間、あたかも実際に密室連続殺人が起こることを擬似して過ごすように』。

 

但し書きとしては、あくまでリアルに過ごす必要があるので、外は大雪と想定して外出不可、もちろん外部との電話などの連絡も一切断つ様に。

これを違反すれば、選抜は即時取り消しとなる、という注意書きがある。

 

これにより、この瞬間よりペンションは人工的に密室と化すこととなる。

 

こうして きっちりと殺人事件が発生するのだが、すでにこの辺でトリッキーさ満載で、物語に引き込まれてしまう。

 

さてはて、犯人は誰ぞや!

4日間が過ぎたあとに、なにが起こるのか( ^ω^)ワクワク

 

 

そんなこんなで、無理矢理感がたぶんにあるのは読者だけではない、作中の登場人物にとっても同じで、とはいえ 伏線はきっちりと張りめぐらされている。

 

しっかりとしたどんでん返しもある。

 

きっちり誘導にも引っかかった。

 

しかし、この というか東野作品の面白さは、兎に角読みやすく、スピード感があり、文字がそのままビジュアルに変換する表現であり、あたかも登場人物の一員になった感がする。

 

間違いなく秀作であるので、読もうと思っておられる方 ご心配なく!!!  了

 

★★★★★10:超傑作、もう神の域

★★★★9:最高傑作、間違いなくこれからも読み続ける珠玉の1冊

★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊

★★7:秀作、十分に楽しめる作品

★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品      

5:凡作、可もなく不可もなくで読んでも読まなくてもよいレベル

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい