ニシノユキヒコの恋と冒険 著者:川上弘美
書評:★★★★★5(凡作、可もなく不可もなく)
ジャンル:恋愛
感想:
ひとりの男の人生において関わった女性の視点から語られる恋愛小説。
趣向は、決して悪くない。
が、物語として面白くない。
何が面白くないと言って、見た目も仕事もセックスもデキる男が女性から言い寄られ最後には振られる、現代版源氏物語と銘打たれている。
しかし それとの大きな違いは光源氏には愛と苦悩があるが、当作主人公ニシノユキヒコにはそれがない。光源氏は真剣に女性を愛し苦悩するが、彼ニシノユキヒコは愛せない。
そのような主人公に対して、感情移入するこは不可能であろう。そういった意味で、そもそも作者の設定が間違っている。それがこの愛されない主人公を生み出し、いくら彼が最終的に女性に振られたとしてもなんとも思わないのである。
そうして彼は、登場する女性たちにとって、思い出というよりは、一種の事故ではなかったんだろうか。 了
★★★★★★★★★★10:超傑作、神レベル
★★★★★★★★★9:最高傑作、間違いなく繰り返し読み続ける
★★★★★★★★8:傑作、もう一度読み直したい
★★★★★★★7:秀作、十分におもしろい
★★★★★★6:標準的作品、一度くらいは読む価値あり
★★★★★5:凡作、可もなく不可もなく
★★★★4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・
★★★3:失敗作、読む価値なし
★★2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル
★1:ゴミ、即破棄してもいい読むに耐えない
(新潮社)
