ワイルド・ソウル   著者:垣根涼介

書評: ★★★★9(最高傑作、間違いなく繰り返し読み続ける)

ジャンル:ハードボイルド

感想:

期待に違わない一冊。


なので前半導入部は、何とも言えずにしんどい。それがすぐに明るい基調に変わるのは、ベースにラテンのノリがあるためか暗さも重さも感じさせず、テンポよく最後まで突っ切る。


読んでいても その情景が目の前に表れる様な表現力、プロットもドンデンを繰り返しながら飽きさせず、また登場人物の背景や感情の描写、スピード感、全てが優れており、ただただ楽しめる一冊に仕上がっている。

とはいえ、日本の政治、外交は今も昔もその無能さは変わらず同じで今更期待しても仕方なのかもしれないが、政治家や官僚の詭弁、無責任、開き直りには辟易するばかりで、なんとかならないのかと思わずにはいられない。 了


★★★★★10:超傑作、神レベル

★★★★9:最高傑作、間違いなく繰り返し読み続ける

★★★8:傑作、もう一度読み直したい

★★7:秀作、十分におもしろい

★6:標準的作品、一度くらいは読む価値あり      

5:凡作、可もなく不可もなく

4:駄作、よほど暇であれば読んでもいいが・・・

3:失敗作、読む価値なし

2:酷作、この作家の本は二度と手にも取りたくないレベル

★1:ゴミ、即破棄してもいい読むに耐えない





(幻冬舎)


題材としては、1950年代ブラジルとの移民受け入れ外交で不明瞭であったり不利な締結内容を隠したまま移民希望者には適当な説明を行い、彼の地で悲惨な状況に陥りながらもなんの保護も与えられる事なく虐げられた人々の子供達が、成人し国を相手取り復讐する物語。