こんばんは。


ご訪問くださり、ありがとうございます。

前回、次は大安寺についてご紹介します、と言っておりましたが、その前に、今日は、丁寧なお参りをするときや写経のときに必要になる

塗香(ずこう)

と、便利な周辺グッズについてご紹介させていただきますね。


【お香ってなにでてきているの?

お線香などの和風香料の原料になっているのは、

白檀びゃくだん伽羅きゃら

などの、良い香りのする木(または木の樹脂)である

香木

がメインです。

(そのほかに、丁字(お料理にも使うスパイスのクローブ)や麝香などの香料も原料として使います。)


香木を薄く小さくフレーク状に切ったものが、葬式や法事でお焼香のときにつまんで炭火の上に3回乗せる

お香

です。

香道、というお作法ですと、香炉の中の炭火の上に雲母(石の極薄の板)を乗せて、その上に超薄切りの香木のカケラをひとひら乗せて、間接的な熱で放散される香りを楽しみます。


正倉院御物で、織田信長など天下人が権威のしるしとして切り取ったことで有名な蘭奢待らんじゃたいという香木は、見た目がまるで生ハムの原木みたいです(笑)

 ↓


これだけ巨大なうえに素晴らしい香りのする香木はとても珍しいので、奈良時代から国の宝とされているのです。


さて塗香とは

それで、塗香とは何かといいますと、

香木をフェイスパウダーなみの微粒子に粉砕したもので、お線香のような香りのするふわふわのお粉

です。


結縁灌頂

や、

内陣特別参拝

など、仏様のすぐそばに行くときは、たいてい、お寺のかたから、手のひらにひとつまみの塗香のお粉を乗せられて、


この塗香を手や体にすりこんでお清めしてください


と言われます。


延暦寺の結縁灌頂のときは、お坊さんが参加者の手のひらに塗香を乗せて、

「唇にもつけて口も清めてください」

と指示されました。


醍醐寺の観音経読誦会、横川中堂の千日回峰行者特別祈祷、長谷寺の特別参拝など、内陣に入る時は、必ずといっていいほど、この

塗香によるお清め

があります。


塗香のつけ方は、宗派によって違うのだそうで、確かにお寺によって指示される内容が微妙に違います。

 ↓

付け方の一例です


口の清め方も、


少し口にも含みなさい


とダイレクトに言われるときと、


手によくすりこんで、口を開いてその香りを口から吸い込み、体にそって(エアー塗り、のように)ふわっとなぞって清めてください


と、香りでなぞる、というやり方のときもあります。


服にすりこむとシミになりそう…なときはエアー塗りでいいかな、と思いますが、いずれにしても、香りをまとって仏様に失礼のないようにする、というものだと思います。


写経のときは、塗香をよく手にすりこむことで、お清め+汗止めの効果があるそうです。


最近は、コロナ禍の影響で手水の出ないお寺も増えたので、そういうときは、


お伊勢さんのお清めスプレー

(※塩水にお香が混ざったものです)


などをプシュッと手にふりかけて手を清めたあと、塗香をすりこんでおくと安心です。


塗香は何がおすすめ?

香りなので、香水と同じで、各人のお好みが出ます。


癌封じで有名な因幡薬師では、

癌封じの塗香を授与所でいただけます。

ご祈祷の授与品にも入っています。




こちらは、薬師如来様が御本尊なので、なるほど!な感じのスパイシーな(平たくいうと、ちょっと薬くさい)香りです。


香水でも、フローラル系とシプレー系のように、甘い香りと薬くさい香りがありますが、お香にも似たような差があるわけです。



長谷寺の授与所でいただける塗香は、甘さ+スパイシーさが半々、という感じです。

500円と、お求めやすいお値段です。

 ↓

長谷寺オンラインショップ




醍醐寺の観音経読誦会のとき、阿闍梨様が手にタップリと乗せてくださる塗香が甘〜くてとてもいい香りで、1日中、手を動かすとふわっと香るので大好きなのですが、お尋ねしてみたら

松栄堂さんのものです

とのこと。


松栄堂でお尋ねすると、


お寺さんの使われるものは特注品なので、全く同じではありませんけど、お試しになってみて似てるものは店頭にあると思います


とのこと。

本店で3種類比べてみたら、こちらの


極品塗香 770円


が醍醐寺のものにそっくりでした!

 ↓

松栄堂オンラインショップ


一番お安いタイプがお気に入りの香りでうれしかったです。

倍のお値段のものは、スパイシーさがかなり入っていました。


なお、私は香水では

ディオールのブルーミングブーケ

がお気に入りですので(昔はプリスクリプティブのケーレックスが大好きでした)、同じようなお好みのかたなら、↑の塗香がお気に召すのではないかと思います。


【便利な携帯用容器】

塗香の入れ物は、


①山椒入れのような木や竹の筒に穴が空いていて栓をしてあるタイプ

か、

②黒檀などの高級な木で作られた魔法の壺みたいな形のもの


が主流です。

①は使いにくく漏れやすいのが難点で、②はとにかくお高いです。



※松栄堂さんのお品です。


ところが、最近、お安くて非常に使いやすい新製品が出ました。


ずこうまじっく


といいます。



 ↓
オンラインショップにより値段が違いますが、1000円を超えたら高いと思います。
(楽天に1800円というのがありましたが、高すぎます…)

https://nenjudo.ocnk.net/product/153


こちらは、アルミ?製の軽い円筒形容器に、先細りになった円錐形のプラスチック製の取り出し口をねじ込み式でとりつけ、上からペンのようなキャップで封をする方式です。

塗香はついておらず、容器のみの商品になりますので、お好みの塗香を入れてお使いください。
お遍路など荷物が多いときも少量ずつトントンと出して使いやすく、カバンの中で漏れず、重宝です。

塗香をすりこんでからお参りすると、手を合わせていても良い香りで、とても癒やされます。

皆様が塗香をうまくお使いになって、もっと仏様から歓迎されますように。

いつもコメントやイイネをありがとうございます。