こんばんは。
ご訪問くださり、ありがとうございます。
今日は、腎移植関連で、
よし、腎移植手術をするぞ!という前の段階、手術するかどうか迷ったり、順番待ちをしている間に早くすませておいたほうがいい各種治療
についてご紹介します。
【なぜ事前に治療しておかないといけないのか】
腎移植は、他人の臓器が体に入りますので、多かれ少なかれ免疫反応が出てしまいます。
それを抑えるために、移植後は
免疫抑制剤
をかなりたくさん投与し続けなくてはいけません。
オペ後が一番たくさん処方され、血中濃度を頻繁な血液検査で計りながらこまかく処方量を減らしていきます。
多すぎても移植腎に害があるし、少ないと拒絶反応が出てこれまた移植腎が傷むので、これは慎重にしないといけないのです。
さて、そうすると、手術後少なくとも半年は、かなりの量の免疫抑制剤を飲み続けることになります。
免疫抑制剤を飲む
↓
免疫が効かなくなる
↓
感染症になりやすくなり、ささいな細菌が体に入っても、どばっと増殖する。
もしガン細胞があると免疫抑制したとたんに一気に増えてしまう
ので、術後半年は
人混み禁止
ナマ物禁止
ですし、それよりも、オペ前に
ばい菌やガンの元は徹底的に取り除いておく
ことが大切です。
また、
移植後は生ワクチンが基本的に使えなくなりますので、ハシカや肺炎など、免疫が大事な感染症については、手術前にしっかりワクチンをうって、基礎免疫をつけておかないと大変です。
それでは、移植前にしておくべきことをご説明します。
1 歯周病治療と親知らずの抜歯
歯槽膿漏こと歯周病は、手術までに完治させておかないと、免疫抑制剤のせいで大繁殖して、歯茎から血液に歯周病菌が入り、そのせいで移植腎がダメになりかねません。
歯周病菌が血液に入ると、認知症にもなるそうです。
歯医者さんで徹底的に治しておいてくださいね。
(歯磨き指導も大事らしいです)
また、親知らずは、磨きにくくて隙間に歯周病菌がたまりやすいのと、移植後に抜くと、抗生剤や痛み止めの使用制限と骨粗鬆症治療薬の投与があるせいで、抜歯後の穴のところがうまく治らず、最悪
顎骨壊死
というおそろしいことになるそうです。
移植を検討し始めたら即歯医者へGO!というほど大切です。
2 ガンの検査と治療
移植前検査でガンの有無は徹底的に調べられ、怪しいという結果だとオペが延期になります。
早く移植したかったのに、これのせいでさらに1年や2年延びる…と大変です。
移植、どうしようかなー、ドナーも悩んでるしなー、というかた、がん検診だけでも先にひととおり受けておかれるとよいかもしれません。
3 ワクチン接種
お医者さんの世界でこんなガイドラインができるぐらい、移植の前のワクチン(肺炎その他)接種は重要です。
移植内科を受診すると、いつ、何のワクチンを接種するか指示されますが、移植が迫っていると接種が間に合わなくなるので、やはり移植内科には早め早めに行って、オペまでにたくさんのワクチンを順番にうつための時間的余裕を確保してください。
主人は肺炎だけで何種類もうちました。熱が出たりする副反応が強いものもあって大変でした。
関西では、手術がうまいことで有名だった京都府立医大の移植チームが大学内のパワハラがもとで崩壊し、ドクターは海外などへ流出、移植は京大頼みになり、府立医大の移植患者が一斉に京大に移ったことから、京大の移植内科はものすごく混み合っていて大変だそうです。
関東などでも、オペは1年待ち、などという話も聞きます。
コロナの間、移植をストップしていた病院も多いので、よけい混雑がひどくなっているようです。
移植をご検討されているかた、よい病院を探されて、なるべく早目に最初の受診をされたほうがよいかもしれません。
取り急ぎ、現状と、必要な治療についてのご報告でした。
少しでも、移植を検討されておられるかたのご参考になれば幸いです。
【追記】
これまで、腎不全関連記事は
「腹膜透析」
のテーマで投稿しておりましたが、このたび、
「腎移植」
というテーマも追加して、過去記事のうち移植関連のものはこのテーマに変更しました。
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