こんばんは。
ご訪問くださり、ありがとうございます。
こちらでは、腎不全のかたにお役に立つ情報を主として書いておりますが、今日は
特発性肺線維症
で、平成21年に余命2年、と言われてから令和4年まで13年生きた亡母がやっていた、体の炎症を抑える食事療法についてご紹介させていただきます。
【特発性肺線維症の発病と余命宣告】
特発性肺線維症は、肺の細胞が硬く線維化して「空気中で溺れて亡くなる」ような状態になる、恐ろしい病気です。
政府の指定難病です。
瀬戸物を作る際の粉塵や、動物の毛を吸い込むことが原因、と言われていますが、母には特にこれという因子はありませんでした。
(日本画の絵の具の胡粉なども疑いましたが、そんな大した量ではなかったのです。)
母方の祖母もこの病気で亡くなりましたので、どうやら家系的な何かがあるようです。
母方祖父が日本海軍の広報担当の画家で、大阪の海軍の官舎に住んでおり、その内装にアスベストがつかわれていたので、ひょっとして中皮腫だったのでは?と疑っています。
母は平成19年頃に発病し、この病気の権威と言われる瀬戸市の陶生病院で治療を受けていましたが、私達に言わないままどんどん悪化しており、平成21年夏に「余命2年」と宣告されました。
私が平成21年6月に京都の先斗町歌舞練場で日舞の「鷺娘」の舞台をつとめたあと、主人と、舞台や楽屋で付き人をしてくれていた妹と、見に来てくれていた母の4人で料亭に行って打ち上げをしていたとき
「発表会終わるまでは、と思って言ってなかったけど、実はあと余命2年なんや」
と母から聞かされ、一同真っ青になったのでした…
【食事療法スタート】
当時、母の肺線維症の悪化度を示す検査数値は1000を超えており、これだと余命は2年しかない、とのことでした。
ピレスパ、という炎症を止める特効薬もあったのですが、それを飲んで紫外線に当たると皮膚がんになる、という扱いの難しい劇薬です。
母は、院展などにも出品していた日本画の画家で、綺麗にお化粧をして訪問着などの着物を着て展覧会をするのがなにより好きだったので、そんな怖い薬は飲まない、綺麗にしていられないなら死んでもかまわない、と強硬でした。
(前に別のブログにも書きましたが、母は若い頃モデルをしていた人で、好きなファッションは70代になってからもピンヒールにボディコン、主婦でもアイラインとマスカラを毎日ガッツリつけている、意識高い系の昭和12年生まれでした。)
肺に持続的な炎症が起きているのが肺線維症の悪化の原因だ、とのことでしたので、食事で炎症をなんとかできないのか、と調べ回ったところ、
「今あるガンが消えていく食事」
という本に出会いました。
この食事法を実践したガン患者さんの66%が容態改善した、というのです!
そのほか、石原結實さんのニンジンジュース健康法の本も買いました。
こちらも、ガンに効く、という評判でした。内容は↑の本とよく似ていました。
ほかに、外国発祥のゲルソン療法、という食事療法もあったのですが、どれも似たような結論でした。
これらの本を読んだ結果、最大公約数的に、厳しすぎるところはゆるめて、以下のような食事療法をすることになりました。
↓
【母がやっていた食事療法】
① ミキサーではなくジューサー
で絞った、繊維質の入ってない
ニンジンとりんごの生ジュース
を毎朝、朝ごはんのかわりに飲む。
↑の本の推奨量は、
ニンジン2本とりんご1個でコップ2杯のジュース、
でしたが、母が
こんなん多すぎて飲まれへん
と言うので、その半量にしました。
ニンジンもリンゴも、皮付きでヘタと芯だけとって使います。
できれば、国産レモンの生搾り汁も1日に1/2個分飲む。
② 牛と豚の肉は食べない。
(魚と鶏肉はOK)
③ 白砂糖も食べない。
(はちみつと黒砂糖はOK)
④ できるだけ減塩する。
⑤ なるべく風呂や生姜紅茶などで体を温める。
⑥ 野菜をたくさん食べる。特に、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を食べる。
⑦ 素煎りピーナッツの皮(と実)を1日に10粒分食べる。
※ピーナッツの皮が肺の炎症に効く、という話だったためです。
と、だいたいこのような感じです。
ジューサーはパナソニックの単機能ジューサーを買いました。
おろし金が回転して野菜をすりつぶし、洗濯機の脱水の時のように回転することで繊維質をまわりのフィルターに付着させて液体だけを絞り出す、という仕組みです。
【効果】
あっという間に驚くほど効果が出て、平成21年秋の診察では、肺線維症を示す検査数値は600ぐらいまで下がりました。
主治医も驚いていたそうです。
しばらく、ピレスパ開始は免除になりました。
母もやる気をだしてジュース療法と、「肉と砂糖禁止」を頑張るようになりました。
ところが、平成22年の正月に、母が羽目を外して砂糖たっぷりのすき焼きと、お土産にもらったお菓子を食べたところ、みるみる数値が1200に。
反省した母が再びもとのジュース+肉砂糖禁止生活に戻したら、じわじわとまた数値は下がっていきました。
【その後の経過】
こうして、母は余命2年どころか、平成が終わるまで比較的元気にして、展覧会も継続していたのですが、平成の最後あたりから、父の認知症が悪化し、妄想から母に暴力をふるうようになりました。
杖で殴るなど、何度も警察が出動するほどひどいことになり、家族全員困り果てていたところ、令和元年春に父が散歩中に脳出血で倒れてほぼ寝たきりになり、施設入所することに。
私が父の成年後見人になりました。
父を入所させたあと、母は疲れから一気に容態悪化し、ピレスパなども使いましたが、ついに在宅酸素吸入が必要なほどSPO2が悪化してしまいました。
戸建ての自宅では酸素ボンベをひきずっての一人暮らしはもう無理、ということで、母も父とは別の(おしゃれな)施設に入ることになり、それまで続けていたジュース療法はやめざるをえなくなりました。
※ベネッセの「メディカルホームグランダ」という施設はやたらにおしゃれです。機械浴もできる設備や檜風呂もあり、ナース24時間常駐で、食事もそれなりにおいしいのですが、それでも特別な食事療法は無理でした。
母は令和2年1月に施設に入ってから、施設の食事を3食とるようになって、それまでのような特別な食事療法をできなくなりました。
それでも母は毎日ストッキングをはいてフルメイクして、パリッとした服装で頑張って暮らしていたのですが、令和3年夏から容態がどんどん悪化し、ついに令和4年6月に亡くなった次第です。
今振り返ると、体の炎症などの病気には、食事とストレスがいちばん影響するなあ…と思います。
【腎不全のかたの場合】
ニンジンジュース療法は、腎不全のかたの場合、カリウム量が問題になります。
ニンジン一本、りんご半分としても、カリウムは585mgですので、1日量の約1/3です。
昼と夜をかなり気をつけないといけなくなるので、腎不全のかたがされる場合は、カリウムにくれぐれもお気をつけください。
また、食事療法していれば医学的な治療をしなくてよいというわけではなく、母も毎月陶生病院に通って必要な投薬などはきちんと医師の指示どおり受けていましたので、
あくまでも医学的な標準治療の補助
としてご利用ください。
でも、すき焼き後の数値爆上がり事件のときは、家族一同
ああ、ほんとにやっぱりあの食事療法が効いてたんだなあ
と痛感した次第です。
母も、父のDVがなければもっと元気に長生きしてくれたろうに、と思うと残念でなりませんが、それでも満84歳まで生きられたのは、あの食養生のおかげだと思うと、食事は本当に大事だなあ、と思います。
腎不全のほか、ガンやそのほかいろいろな病気の方がお読みくださることがあると思いますが、風邪で体調悪いときなど、ニンジンのみのジューサー製のジュースだけで、がぜん体調が戻りますので、ぜひ性能の良いジューサーを買ってお試しくださいね。
なお、お出かけが可能で、デパ地下などに行ける方は、
コールドプレスジュース
というものをその場で飲ませてくれるショップなどがあれば、店頭でしぼりたてを飲んでみられますと、↑のニンジンりんごジュースの雰囲気がわかると思います。
※コールドプレスジュースとは、野菜やフルーツを低速ジューサーで酵素を壊さないようゆっくり絞ったジュースのことです。
大丸京都店では、お酒売り場の隣あたりにコールドプレスジュース屋さんがあります。
サラダ屋の隣のRF-1はミキサーでかき混ぜたタイプのドロドロしたジュースで、コールドプレスジュースではないので、飲み比べると違いがわかります。
ご病気のかたの体調が少しでも改善されますように。
いつもコメントやイイネをありがとうございます。
【9/25加筆 ジューサーの種類】
うちは今まで、パナソニックの高速ジューサーを使っていました。
平たい回転おろし金が水平に回転して、上から差し込んだ野菜をすりつぶし、回転によりそれが洗濯機のように脱水されて、汁だけが下から流れ出るという仕組みです。
バイイイーン!と、とにかく音が大きくて、誰かを電動ノコギリで殺してバラバラにしてるのでは、という不穏さでした。
今日、パナソニックのコールドプレスジュース用のスロージューサーを買ってきました。
絵に書いたトグロう◯こみたいな形のスクリューがぐるぐる回転して、周囲の壁との間で野菜を押しつぶして汁を搾り取る方式です。
音はとても静かで、たぶん夜9時すぎに絞っても騒音殺人にはならなさそうです。
味もとても美味しくて、なるほど、じわじわ絞ったから酵素がイキイキ!な感じです。
欠点は、大きくしか砕けないので、ジュースの絞れる量が少ないことです。
たぶん、2割ぐらい、高速ジューサーのほうがたくさん絞れます。
高速ジューサー→大根おろし状態にすりおろして、遠心分離で汁をこしとる
スロージューサー→1ミリから2ミリの破片にして、圧力で搾る
という感じです。
量をとるか、静けさと味をとるか、ここは難しいところですね。
あとの洗い物の楽さは、高速ジューサーの勝ちでした。
スロージューサー、仕組みが複雑なのでややめんどくさいです。
困りましたねえー💦💦💦
当分は古い高速ジューサーも出しておくことになりそうです。
深夜早朝に搾るならスロージューサーかな?
(加筆は以上です。)
【おまけ】
母に余命宣告が出ているとも知らず、踊っていた平成21年の「鷺娘」の舞台写真です。
※身バレを防ぐため、顔にはボカシを入れていますが、どうぞご容赦くださいませm(__)m
実家にある、たくさんの絵をどうしたものかと姉妹で悩んでおります。
入居していたメディカルホームグランダにもロビー用に襖サイズの枝垂れ桜などの大作を4枚ほど寄贈しましたが、まだまだ大きなものがかなりあり、施設などでないと飾れなさそうです…。
(加筆は以上です。)