⑴「晴天というのは不思議なものだ、と学校への坂道を登りながら西脇融は考えた」
——☆⑴天気の話。この書き出しから天気の話だけで16行続く。天気を使って24時間歩く、という学校行事を説明している。
⑵⑶続いて友達が現れる。そして膝カックンをされそうになり
『やめて、膝はやめてっ。まだ怪我が完治してないんだよ』
『頼むよー、これから丸1日歩くんだから』
『融がバスに乗っちまったら嫌だもんな』
『不吉なこと言うなよ』
『それだけは勘弁よ』
「バス、という言葉がこれだけ不吉な言葉として囁かれるのは、世界広しといえども、今日と明日の北高北高だけだろう」
——☆⑵丸1日歩くこと。24時間歩く学校行事を説明している。
——☆⑶次に展開させるため、バスの話を出しやすい⑵から繋げて、バスの話へ展開させるきっかけにしている。
⑷ふたりが1年生のとき、夜間歩行時、重症な腹痛になり、教師にバスに乗ることを説得されているにも関わらず、それを拒否し、友人に肩を支えられ泣きながら歩き続けている3年生のエピソードの回想を出してから。
「あの時は、こんなことで泣くかよ、と思ったものだったが、今にして思えば彼の気持ちはよく分かる。高校最後のイベントを、途中で1人だけやめてしまうなんて、考えるだけでゾッとするではないか」
——☆⑷。⑶からの展開として、ここでは「バスに乗ること=リタイヤ」ということと、リタイヤすることについてと、リタイヤすることは自分だけではなく友人にとっても悔しいものだということの説明。
⑸『おまえ、やっぱ明日走らないの?』
『実はまだ決めていない』
——☆⑸ここでは「走る」と「歩く」の違いの説明と、そこから一気にこの行事の全てと、この行事に対する主人公の思いを説明している。
☆恩田陸『夜のピクニック』では書き出しの1行目から10ページまでで、一気に作品の基本部分の説明をしている、ということ。
言い換えると、「書き出し=説明のみ」、とも。
または、「無駄や自分勝手が全くない」、とも言えると思います。
【あとがき】
ニーズがあるか不安ですが、少し続けてみようと思っています。よろしくお願いします。
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