2日目の日曜日も、THE PAUL GASKIN PROJECTは同じく5分押しでスタートした。セットリストは前日と同じ。ただ、2曲目までは、ポールのヴォーカルは音程がかなり不安定で(昨日もある程度そうだったが)、ちょっと大丈夫かな?という感じだったが、後半は完全に持ち直した。
2曲終わって、昨日と同じように「44年」と結成からの年数を言っていた。そして、「1981年の曲をやるよ。」と言って、名曲"Sweet Dream Maker"。この曲の中でヴォーカルの音程はかなり持ち直したので安心した。4曲目前でブルージーなフレーズを弾くポールだが、「なんかとても静かじゃないか?」と言ったので、そんなことはないとオーディエンスはみんなワイワイ騒いでいる。フィードバック音から"No Way Out"、演奏が終わると、"Beautiful people!"と叫んでいた。
"End Of The World"をタイトルコールして、5曲目スタート。短いMCを挟んで、ラストの"I'm No Fool"。こちらもフィードバック音から始まる。この曲ではポールの弾くメイン・ソロがかなり音量が小さかったのがちょっと疑問ではあったが…最後は、日本人メンバーと4人でカーテンコールをして、記念撮影。最後にポールがステージとフロアの間の柵の前を歩いて、ファンにタッチしていった。

THE PAUL GASKIN PROJECT@HOLIDAY SHINJUKU 2024.6.16
SET LIST:
1. Burning Alive
2. Ready For Love
3. Sweet Dream Maker
4. No Way Out
5. End Of The World
6. I'm No Fool

(全てGASKINの曲。)

当然、昨日と同じ出順で、TYTANのステージが始まる。
暗転して、幕が開くとすぐに、"Money For Love"の演奏を開始。8分刻みのキーボードのコードの刻みからリズムが入る。やはり、イアンのリードは速弾き含めてカッコ良い。ソロの後のサビの部分ではオーディエンスは手拍子をする。そのままリズムが入って来て、ラストに"Money!"のシャウトでフィニッシュ。(ちなみにこちらも"Cold Bitch"でゲストのデイヴがドラムを叩くというところまで同じで、セットリストは特に変わらなかった。)
2曲目はセカンドからのストレートでストイックな感じのナンバー"Fight The Fight"。ケヴィンがMCを取り、「アリガト、ドウモ、アリガト!」と言いつつ、同じくセカンドからの"Love You To Death"をタイトルコールする。ミドル8から単音リフ、そしてシュレッド全開なソロ、最後にサビを2回繰り返した。再びケヴィンが"Forever Gone"をタイトルコールして、ラウドでハデなドラム・ソロのイントロから8ビートのリズムがスタート。メロディアスなソロを経て最後のサビへ。
そして5曲目はTYTANならではのメロディックでハーモニックなナンバー、"Far Side Of Destiny"。クリーンのアルペジオにキーボードが入り、ケヴィンとトニーのハーモニー・ヴォーカルが入る。さらにフィルから重いタイトな8ビートが始まって、再びクリーンのアルペジオが響き、ハーモニー・ヴォーカル。オーディエンスは手を横に振る。そしてソロ。ここは結構クレイジーなリードであった。再びAメロに戻ってサビを繰り返してエンディングへ。
ケヴィン、また目頭を熱くして涙流す。昨日のライヴのレポでは、単に日本に来れた感慨深さで泣いたのではない…と書いたが、実に、この日本公演のライヴを最後にヴォーカルのトニーとドラムスのギャリーは脱退してそれぞれのプロジェクトを中心に活動するということで、その時は発表されていなかったからわからなかったが、そういった内情もあったのだろう。しかし、涙脆くなってしまったのだなぁ。
キックにキーボードとベース音、そしてミドル/スローで進むリズムにリフが乗る。"The Cradle"。2回目のサビの後、一瞬、静寂があり、ベースのラインが入って来て、三連のリズムにリフが乗る。アクセントが入りながら、ギターがフレーズを数回弾いて、リズムが入ってメロディアスなソロを奏でる。ギターとキーボードが三連のリフを繰り返し、サビが入って終了。ここは昨日も書いたが、スタジオ盤とは違うライヴ・アレンジだ。ケヴィンが「This is the special...This is "Rude Awakening"!」とタイトルコール。昨日のレポではLED ZEPPELINの"Kashmir"を彷彿させると書いた曲だ。エンディング・ソロはそこそこ長く、最後のスクリームの後、バンドもパワーコードを鳴らしっぱなしにして、ダン!で終了。
昨日もここで初代ドラマーのデイヴ・デュフォートが呼ばれて"Cold Bitch"を叩いたが、その前に女性のアナウンスの声がしたと思ったが、ステージにガイドの方が来ていて、「彼がANGEL WITCHの後、TYTANを作ったんです。」と日本語で解説していた。速い8ビートで疾走し、2コーラスやってソロ。さらにサビからスクリーム炸裂!デイヴとケヴィンが抱き合う…。そしてデイヴはスティックをフロアに飛ばした。…そういえば、ダグ・アルドリッチは過去にカル・スワンの事を、「彼はもう音楽業界にはいない。引退したんだ。」と言っていた事があるが、どうしているのだろうか…。
ドラム・キットには、ギャリーが戻る。昨日はイントロのソロはなかったが、今日はタム類を回して、最後にスネアの連打というドラム・ソロがあってスタート。アタマ打ちにリフが乗る。2コーラスの後、例のベースとキーボードの鐘の音…そしてそこに入ってくるヴォーカル…すぐにソロになる。ギターのサスティーンが伸びて、キーボードのノイズも伸びる。そこにベース・ラインが入ってきて、単音のリフ。最後は三連のリズムでソロ。リタルダンドしてエンディング。しかし、キーボードの音は鳴りっぱなしで、重いリフが始まる。必殺の"Blind Men & Fools"!!「Liars!!」のコーラスで大合唱になる!速弾きのソロの後、一瞬空白が出来て、全員がパワーコード全開!そしてフィニッシュ!!ケヴィンが最後の"Ballad Of Edward Case"をタイトルコール。速い2ビート、そしてスピードがハンパない速弾きのソロ、そしてツーバス連打の後、また空白(静寂)。再び全員がコードを鳴らしてカオス状態になり、最後の一音でキメた!
5人で肩を組んでカーテンコールして、記念撮影…だが、上手くいかなかったのか、もう1度。今となっては、このラインナップのラスト・ギグという事になったのだから、貴重な体験でもあったのだった…。

TYTAN@HOLIDAY SHINJUKU 2024.6.16
SET LIST:
1. Money For Love
2. Fight The Fight
3. Love You To Death
4. Forever Gone
5. Far Side Of Destiny
6. The Cradle
7. Rude Awakening
8. Cold Bitch(Ds:Dave Dufort)
9. The Watcher
10.Blind Men & Fools
11.Ballad Of Edward Case

https://www.facebook.com/Tytanofficialpage/

トリ、DEMON。
初めに述べておくと、演奏された楽曲は、全く昨日と同じだったので、セトリは3バンド全部同じという事に…だが、やはりライヴは1本、1本違うということは、現場で見ている人なら分かるだろう。
SEの"Full Moon"が鳴って、リズムのみ叩き出され、今日は例の仮面は手に持ってはいるが、被らないで出てきたデイヴ。たしかに棺桶もつかっていないし、仮面も被らないが、それはDEMONにとっては単なるギミックでしかない。それが1曲目の"Night Of The Demon"が演奏されて証明される。リフが入ってサビになると昨日と同じで大合唱だ。最後のサビでリタルダンドしてコードをかき鳴らす間をデイヴの「アーーーッ!!」というシャウトが響く。そのまま間髪入れずに2曲目のイントロへ繋げる。"Hurricane"。メジャー・キーでスピーディーなこの曲も人気曲である。
「2夜目だね。昨日も来た?」みたいな事をデイヴは言っていたような感じ。(英語が完全に聞き取れてないけど。w)そして、セカンドから"Sign Of A Madman"。仮面の代わりに?していたグラサンを外して歌いだす。しかし、このなんとも言えない安心感は何なんだろう。楽曲を聴いた瞬間に普遍的なロックンロールの「いつもここにいるよ。」と言っているような雰囲気があるのだ。短いMCを入れて、SEが流れ、"The Plague"。サビの入り方が独特なので変拍子のように聞こえるが、実は拍子は普通に4/4で流れていて、リフの構成が複雑なのでそう聞こえるのである。
「Having a good time?Having a good night?」と問うデイヴ。SEが鳴って、昨日と同じようにアルバム順通りの"Nowhere To Run"。ただ、ここで昨日よりベースの音量がかなり大きい事に気が付く。さらに、出だしのイントロのフレーズが昨日とは全く違っていた。「新作出したんだ。」と言って、"Face The Master"を披露。昨日とは変えて、もう1本MVが作られたちょっとQUEENみたいなクワイアを入れた"In My Blood"をやるかな?と想像していたが、同じ曲であった。謎のピコピコな音のキーボードのイントロからリフが入る。オーディエンスは手拍子で迎える。ラストのサビの"〜The Master!"のところで、デイヴはあの例の仮面を指していたのが笑った。いきなりなんで?みたいな。(笑)
そして昨日と同じあの感動的大作。「It's called "Remembrance Day"!」とタイトルコール。イントロから手を横振りするオーディエンス。途中のスネアのアレンジは見事である。そしてデイヴィッドの長いソロがあり、最後はデイヴのアカペラでの"Remembrance Day..."が空間に響いていった。SEが鳴り、"The Spell"。ポールのソロがキマる。やはり、ちょっとドラマーのニールはオカズで速くなっている面はあるが…もうそれもまた味で良いのだ。
「This is called "Life On The Wire"!」とタイトルコールして、DEMONナンバー中、最もヘヴィな曲が始まる。キーボードの音とデイヴィッドのソロがイントロを彩り、重いリズムが入ってギターのハモリが入る。そこからメイン・リフへ。最後は下手のデイヴィッドのソロが圧巻。昨日よりもテクニカルではなく、どちらかというと感情に任せた即興プレイで荒々しかったが、それもロックンロールだ!デイヴはそのソロの途中で2、3回シャウトする。そして、ポールとデイヴィッドのハモリのパートが決まり、エンディングへ。
昨日と同じように、例の仮面を最前列のオーディエンスに被るようにと促して渡し、「ファーストからやるよ!」と言って、"Liar"。ポールのソロは今回はライトハンド/タッピングが凄まじかった。ラストは、当然、"Don't Break The Circle"。これまた大合唱となる!素晴らしい代表曲である。

演奏が終わって、楽器陣は袖に消えていく。だが、何故かデイヴ・ヒルだけはアンプの前に立ち止まって、みんなを呼び戻し始めた。昨日はアンコールという感じではなかったが、今回はアンコールという事になるかな?という事で、当然アンコールに用意されているのはスピーディーなロックンロールの"One Helluva Night"!昨日も書いたけど、聴けば分かるけど、このリフの始まりの音の流れは一体どこから出てきたんだと思うほど個性的なラインなのだ。ソロはデイヴィッドからポールへと流れる。そして、ヴォーカルとドラムだけになるところで、オーディエンスの手拍子、さらにちょっとだけラストにデイヴィッドとポールのソロ合戦があって、エンディング!
嗚呼、ついに神のような悪魔のバンドを見ることが出来ました。しかも2回も!

また来てくれることはあるだろうか?デイヴ・ヒルはあんなに元気だけど、76歳なのだ。いや、まぁSAXONのビフも74歳とかだから…NWOBHMやり出した人はずっと若い!これからもずっと世界中にそのサウンドを響かせていってほしいと思う!!!

https://x.com/RubiconMusicTW/status/1803097899850752494

DEMON@HOLIDAY SHINJUKU 2024.6.16
SET LIST:
1. SE:Full Moon〜Night Of The Demon
2. Hurricane
3. Sign Of A Madman
4. The Plague
5. Nowhere To Run
6. Face The Master
7. Remembrance Day (A Song For Peace)
8. The Spell
9. Life On The Wire
10.Liar
11.Don't Break The Circle
-Encore-
1. One Helluva Night
 


http://www.demon.band/