9年前の2015年の1月に、DOOMが本格的に再結成するというタイミングで行われた「VIOLENT ATTITUDE」というイベントの2回目ということになる。今回も長らく活動出来なかったDOOMが年末から動き出したこともあり、このイベントを企画する事になったのであろう。
ただ、個人的には、当初、JURASSIC JADEからギターの長谷川さんが抜けるという事になった時、今回のライヴでの出演がラストになると伝わってきたため、チケットを取った時は、かなりの緊張感があったのだが、未だ後任が見つかっていない事もあり、4~6月のライヴは、決定していて、(おそらく)まだ長谷川さんが弾くことになりそうだ。

トップで出演したのが、SHELLSHOCKだったのだが、今日はド頭から見る事は出来なかった。申し訳ありません…。入った時には、NEPENTHESの最後ぐらいであった。
今日はステージを左右に分けて、右を「THE BAT SIDE」、左を「THE APE SIDE」としている。どちらかが演奏中は基本的にはもう一つのサイドは準備を進めるという形で、進行は単一のステージで行う時の転換の時間がほとんどないため、スムーズになっている。

THE APE SIDEでNEPENTHESが終わると、THE BAT SIDE前で待っていた自分の周りにTHE APE SIDEから流れてきたオーディエンスが集まってきた。
次はおそらく5年ぶりになると思うWARPIGS。
少しサウンドチェックがあったが、この時もKuroさんのレスポールのトーン、マジでイイ!1曲目は"Looters"で、ドラムのリズムの上でKimuraさんがブルース・ハープを吹く。そこに弦楽器隊が乗ってくる。そして、ドラムスが小さくなり、ベースもなくなったところで小さい音量でソロが始まり、フィルインからラウドに!ディストーション・サウンドになった。
「ウチはパーティ・バンドなんです。今日はスペシャル・パーティってことで!」とMCして、2曲目"Night Rider"へ。ドラムのビートにリフが乗り、ミドルで進む。中間でアタマ打ちになりソロへ。次の"Blow Hard"は、アタマ打ちでツーバス連打のパターンから始まる130ぐらいのスピード・ナンバー。MOTORHEAD的ではあるのだが、全体的なサウンド感はハード・ロックというシブさ。この曲は、アルバム「STAY COOL」には入っておらず、96年のデモに収録されている。
「去年、アルバムの再発CDが出ました。ボーナストラックで色んなデモも入っていてお買い得なんですけど…まだ買ってないなら、物販で買ってね…って、あれ、今日持ってきてない?ともかく、買って!」あ~、もったいない…ちなみに自分はCD持っていましたが、今回のはそのボートラもあり、しっかりゲットいたしました。名盤だし!今後もライヴが既に入っているので、ライヴ告知。
そして、4曲目"Junky Jack!"。ウラで2、3弦を手でピッキングするシブいリフにハープが乗り、凄くブルージーなイントロである。しかし、すぐにヘヴィなバンドサウンドへ。同じコードでも歪ませてピックによるピッキングになるだけでかなり重めになるが、もちろん、そのヘヴィネスにはコツがある。ハープのソロからギターの速弾きソロと見せ場も沢山である。ブルージーだが勢いのあるリフから"Too Cold"。これも、96年のデモからの曲。AC/DCっぽい8ビートで駆け抜けていく。ラストは"One Way"。ソロは結構テクニカルな感じ。その後少しサイレントになるパートを越えてエンディングはヘヴィに。
安定のロックンロール・サウンドだけれども、やはり極太のサウンドでありました。

WARPIGS@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. Looters
2. Night Rider
3. Blow Hard
4. Junky Jack!
5. Too Cold
6. One Way
 


https://www.facebook.com/warpigsjapan

次は、THE APE SIDEでUNITED。すぐにS.O.D.の"United Forces"がSEで鳴りだす。ツーバスを鳴らしてのミドルテンポで"Settle My War"が始まる。2ビートに加速して、大谷さんのソロ。そして再びツーバス連打のパートを越えると、Hally先輩のソロ。ラストは大谷さんがエンディング・ソロを弾いてフィニッシュ!次はMVにもなっている"Arise"。激しいフィルで始まり、2ビートのドラムにリフが乗り、激速で疾走し、ベースのみのパートから大谷さんのソロとなるが、先輩との短い交互のソロ回しになり、ラストはUNITED独特のツインのハモリの様式美を見せる。湯浅さんのシャウトが響き、エンディング。
「早い時間から、いいねぇ。今日はヨロシク!」と挨拶。湯浅さん、AZAGTHOTHという90年代に活動した船橋のバンドのTシャツを着ているのだが、「この(メンバーの)3人を探しています。」とTシャツを指して言っていたが、さすがに隣の市とはいえ、そこまで活動とかはわからない…。分かる方はあの会場にいらしたのだろうか?
すぐに強烈なリフにツーバス連打のリズムが…「CORE」から"Hell Breaks Loose"。この曲などに顕著だが、やはりUNITEDは男声のコーラスの入れ方が独特である。大谷さんのソロからツインリードになり、ツーバス連打のリフ応酬のパートへ。ブレイクがあって、一瞬の静寂の後、再びツーバス連打の嵐へ…。刻みのリフに速い2ビート!"Violence Jack"!!サビからツインのハモリ、そしてラストの「タタタタン!タタタタン!」のキメまでガンガンに走り抜けた。直後、トライバル・ビートを叩き出すAkiraさん。"Combat!"。リフの刻みは激しく、2ビートは再び速い!Hally先輩の印象的なメロディが聞かれるソロから大谷さんのソロ、そしてハモリ…リフの嵐が復活して、再び2ビートで疾風の如く飛ばしていった。
ラストは最強のイントロのリフから"Sniper"。ツーバス連打の2ビートの上でハモリを奏でるツイン・ギター。大谷さんのソロから、トリルから始まるのが印象的な先輩のソロ、そして再びハモリ。メインリフに戻った所で一瞬曲をストップし、オーディエンスを生声で煽る湯浅さん。再び開始し、印象的なサビからエンディングを迎える。
SEでJUDAS PRIESTの"United"が流れ始め、ライヴは終了となった。

UNITED@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. SE:United Forces(S.O.D.)~Settle My War
2. Arise
3. Hell Breaks Loose
4. Violence Jack
5. Combat!
6. Sniper
7.(Closing SE:United(JUDAS PRIEST))

http://www.united-official.com/

THE BAT SIDEに響くかすかな鈴?の音…。暗闇と静寂の中、Hizumiさんが舞う。16分のハットの刻みにクリーン・トーンのギター、そしてベースも入ってくる…"A Small World"。リフの上で重いアクセントが入り、ヴォーカル・パートへ。すぐにキックの連打になり、コード移行のリフが乗る。"暗い部屋の黒い猫(Black cats in the dark room)"へ続く。長いスロー・パートは今日は何故かそれほど長くは感じなかった。
「ヤッホー、ヤッホー!…アルバム『Nyx Filia』を出してから、既に1年です。」自分はリリース日を覚えていたし、昨年の後半の状況が最悪だったこともあって、そんなに早い時間の経過でもなかったが、それでも、若い頃よりは「もうそんなになる?」という感じではある。"Cave Sorrow"をタイトルコールし、重いリフが鳴り響く。やはりスキャット部のリフ展開が印象的である。
「今年は色々バンドマン的に過酷な活動もして、寿命縮めたかもしれないけど…もう少しがんばってもらうことになっているので…。」多くの人は今日でJURASSIC JADEのステージで弾く長谷川さんは最後と思っていたかもしれない。(一応、次のEARTHSHAKERとのツーマンでは長谷川さんが弾くようだ。今回が最後ではない事をFacebookでは述べておられるので。)だが、これで最後ではなさそうなので、いつまでになるか分からないが、見届けたいと思う。
3曲目で"触れてはいけない"というのは、あまり曲数が演れないということであろう。ベース・ソロ的な中間のパートで上手、下手で舞うHizumiさん。そしてドラムのビートから"ないことあること(Addicted To The Likes)"。前作からはあと1曲ぐらい聞きたいところではあるが、あまりに曲が多すぎる…。
「皆に会えてうれしいです。昔からの仲間とも会えて…。」そして、"恋するアトミックボーイ"をコールし、ラストのラストは、もちろん、あの曲だ。「あっという間のお時間です。…用意はいいか?ガキ共用意はいいかーー?かーがーみーよ、かがーみーー!!」Hayaさんのハットが鳴って恐るべき速度の2ビートが雪崩のように押し寄せていく!
ほぼ40年、「この世の終わりを映す」鏡は存在し続けている…。

JURASSIC JADE@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. A Small World~暗い部屋の黒い猫(Black cats in the dark room)
2. Cave Sorrow
3. 触れてはいけない
4. ないことあること(Addicted To The Likes)
5. 恋するアトミックボーイ
6. 鏡よ鏡

http://www2.odn.ne.jp/jurassic-jade/

http://www.facebook.com/JurassicJade/

ここで30分の休憩。進行はオンタイムで進んでいて、素晴らしい。

後半トップは、THE APE SIDEでのCOALTAR OF THE DEEPERS。
実は見るのは初である。暗転して、流れているアンビエントっぽいSE。すぐに演奏に入る。"Downfall"。Narasakiさんはエフェクトをかけている声である。幻想的な雰囲気を醸し出す。徐々に照明が明るくなると、いきなりヘヴィなバンド・サウンドが迫ってきた。赤いギターの人の速弾きのソロ。ライトハンドも披露。インスト部分が長かったため、一度Narasakiさんはステージからいなくなっていた?のか、再び現れたように見えた。すると、ここから2曲目が始まったが、XOXO EXTREMEというプログレ・アイドルの曲、"ADELHEID"(というかNarasakiさんが曲を書いているのであるが。)のカヴァーである。しかし、かなり雰囲気が違う。ギターの細かい単音リフから始まり、ドラムのアクセントが入ったりなどして、インテンポになる。だが、すぐにパーカッション中心のサウンド・バランスになり、再びバンドの重いリズムの演奏に戻る。ギターのソロが最後に入ってきた。
3曲目はバスドラが独特な形で入ってくるリズムパターンで進む"Serial Tear"。ギター・リフがクリーントーンで鳴らされて、アンビエント感が増す。また再び先ほどのキックが独特な形で入るパターンのリズムが復活して流れていく。なんとなく最後の方の雰囲気はLUNA SEAに似ているような感じもあったかな…。次の"To The Beach"は、イントロにシンセ音が少し鳴ったような感じがしたが、始まったギターのリフは結構ドゥーミーであった。サビ前は、ギターとドラムス中心のサウンドの中でNarasakiさんは歌い、サビはバンド全体の音圧に覆われる。ラストにはまたシンセの音がしていた。
5曲目は"913"という曲。パーカッションのイントロからカオティックな上モノのアレンジが凄まじいパートへ入る。ここは、それほど重いサウンドの演奏ではないが、途中からバンドでのヘヴィなプレイへ入っていった。SEが鳴って、ドラムのオカズから速い2ビートへ。"Hyper Velocity"。Narasakiさんが叫ぶ!ギターはリフを刻み、疾走…しかし、いきなりクリーントーンのギターとヴォーカルのみのパートへ。しかし、ラストは再び加速。
ラストは、"Fastest Draw(DreamMan2)"。シンセ音に被って行くドラムスのフィルがあり、速い8ビートへ。サビに当たるところはなんとなくポップに聞こえた。
全体的な印象は思っていたより、かなりアンビエント感が強いアレンジのような気がした。

COALTAR OF THE DEEPERS@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. SE~Downfall
2. ADELHEID(XOXO EXTREMEのカヴァー)
3. Serial Tear
4. To The Beach
5. 913
6. Hyper Velocity
7. Fastest Draw(DreamMan2)

 

https://twitter.com/u_desper 


THE BAT SIDEで、あの!Z.O.A!
初期の音源は聴いているが、ライヴ自体を見るのは本当にこれが初である。これまで解散という状態にあったことはあるが、今年10月「完全解散」、そして最後のアルバムを7月にリリース予定という事になっており、また本日演奏した楽曲は、全て次のアルバムに収録される新曲であった。
暗転してSEが鳴り、カッティングのリフで独特のサウンドが奏でられる。(新曲E)しかし、森川さんのヴォーカルの出力が凄く小さくほとんど聞こえない…あまり自分の場所の問題ではないような感じであったが。また高沢さんのドラムのセットのシンバル類が物凄い数だ!このバンドで現DOOMのPazzさんが叩いていた事もあるが、Pazzさんのセットもかなり「要塞」感のあるシンバル多点のセッティングであるので、そういったドラマーが必要なのかもしれない。すぐにサイレントなパートへ入る。ギター・ソロでヘヴィでラウドなサウンドが復活。
全部で6曲やったのだが、ここから楽曲の構成を細かく書いていっても、逆にどうなのか?まだ公に出てない新曲のなんたるかが伝わるのだろうか?というのもあり、特徴的だった部分を述べて簡潔にレポートを終了したいと思います。
2曲目(新曲B)は、非常に複雑。多様なアレンジが施されていた。3曲目(新曲A)。ドラムがほとんどソロみたいな前半。また中間のアンビエント的なパートではだいぶヴォーカルが鮮明に聞こえてきた。歌詞も少し聞き取れるぐらいに。4曲目(新曲G)は非常にカオスな世界で、森川さんは拡声器を持って歌っていた。ラス前(新曲F)森川さんがキーボードを弾くパートがあった。ともかく複雑でカオティック。ギター・ソロの部分では何かの演説らしき声のサンプリングなどが凄い音量で鳴ったりも…そしてなんとなくここじゃないかな?という所で曲を繋げた感じでラスト・ナンバー(新曲C)。こちらでも森川さんの鍵盤を弾くパートはあり。中間は幻想的な雰囲気で、ギターのヴォリューム奏法なども聞かれた。
メンバーは、Vo.森川誠一郎、G.黒木真司、B.篠原貴仁、Ds.高沢秀郎。(敬称略)やはり孤高のバンドであった。

Z.O.A@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. (New Song E)
2. (New Song B)
3. (New Song A)
4. (New Song G)
5. (New Song F)
6. (New Song C)

http://grandfishlab.com/

THE APE SIDEでCOCOBAT。
暗転してパワーコードを鳴らし、ハネるドラムが牽引していき、さらにパワーコードが鳴らされ、1曲目の"Araña (Spider Is Ok) "がスタートする。グルーヴが明らかに違う。2曲目"Hand Nuts"はザクザクしたリフからスタートし、ミドルの8ビートで進む。どちらかというとソングオリエンテッドな楽曲。しかし、声量もあるし、凄く歌が上手く存在感がある!
次の"Drop Dead"というタイトルの曲はまだ音源になってないのかな?細かい単音リフにアクセントが入るイントロから再びグルーヴィーな8ビートで押す。次もタイトルは"New"とされているが、新曲の意味?かな?激しいリフとリズムで始まり、攻撃的に押すリズムの上で歌うHideki氏。中間にはウラ刻みでファンキーなパートが現れる。ラスト、独特な響きのリフでしめた。
そしてここでなんと、GASTUNKの"Running To The Sun"のカヴァーが飛び出す。イントロのあのなんとも言えないベースとギターの絡みがあり、ドラムが入ってくる。やはり、全体的に民族音楽的な雰囲気のバッキングである。そして急激に曲のリフが変わった。おお!"Devil"!!自分が初めて買ったGASTUNKの(というかハードコア・パンクの)シングル「TO FANS」のトップの名曲だ!唸りスキャット?の部分を歌うHideki氏!!
MCもなく、"Cocobat Crunch"へ突入する。ハネるリズムで進行するが、やはりグルーヴが強烈である。そして、リフはザクザクと鋭利に切り込んでくる。さらに短く少しダンサブルにも感じる"Guy"を挟み、ラストは、"Grasshopper"!怒涛のベースのイントロからキック、シンバルのアクセントが入り、速くガンガンハネるリズムへ!
「どうもありがとうございました!」とHideki氏が挨拶してステージを後にした。

COCOBAT@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. Araña (Spider Is Ok)
2. Hand Nuts
3. Drop Dead
4. New
5. Running To The Sun(GASTUNKのカヴァー)
6. Devil(GASTUNKのカヴァー)
7. Cocobat Crunch
8. Guy
9. Grasshopper


https://www.toysfactory.co.jp/artist/cocobat/disco

 
THE BAT SIDEでSIGH。ステージには炎が出ているような映像のギミックがある。
「IN SOMNIPHOBIA」のオープナー、"Purgatorium"からスタート。アタマ打ちのリズムで速い。白塗りの落武者のようなギタリストはなんと、若井望さん!オーソドックスなソロ、そして泣きのメロディも素晴らしい。また、最新作「SHIKI」は、ギターやキーボードなど含めてほとんどを川嶋さんが担当していて、ライヴでは久々に川嶋さんはベースも演奏している。ヴォーカル、サックス担当のDr. Mikannibalさんと川嶋さんのツインのヴォーカルで進行していく。
2曲目はアルバム通りに進み、"The Transfiguration Fear"。ここで川嶋ファミリーのお子さんがステージにやってきて、可愛いコーラスを取る!家族全員が参加とは!1曲目よりテンポは少しダウン。サックスのソロ、そして、若井さんは2回ソロを取る。エンディング・ソロが終わるとまたお子さん達がコーラスを取る。
ドラマティックなイントロから最新作からの"殺意~夏至のあと"。断続的なツーバスのリズムで進み、泣きのソロが炸裂するが、それは所謂イングヴェイ的なハーモニック・マイナーの泣きとは違っている。さらにDr. Mikannibalさんの剣を持ったパフォーマンスが入り、ラストはメランコリックな雰囲気に…。
MCはなく、完全な静寂に支配され、SEが流れる。泣きのギターのイントロから"真夜中の怪異"。バラードではないが、テンポはスロー。明らかに、以前よりシアトリカルな部分は増し、楽曲もメジャー感(音楽の調性の意味ではなく。)がある仕上がりになっているような気がする。途中から加速し、最後のソロになったが、ギターの音がほとんど聞こえなかった。これは場所の問題ではないだろう…。さらに激しいドラムのフィルから5曲目のスピード・ナンバー、"The Soul Grave"。Dr. Mikannibalさんは白いドレスを身に纏って再登場。血みどろのメイクもしている。この曲ではヴォーカル・パートも多い。ギター・ソロでは先ほどよりは少し聞こえてきたが、やはりかなり音量(?)が小さい…。
ラスト2曲はアルバム「HANGMAN'S HYMN - MUSIKALISCHE EXEQUIEN」から。まずは、"Introitus"。こちらも前の曲ほどのスピードではないが、スピード・ナンバーである。そしてラストを飾るのは、大仰なイントロから始まる"Me-Devil"。こちらのサビは凄く耳に残る。ラストはそのサビにオーケストレーションが巧みに絡み、ドラマティックなエンディングを迎えた。

SIGH@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. Purgatorium
2. The Transfiguration Fear
3. 殺意~夏至のあと
4. 真夜中の怪異
5. The Soul Grave
6. Introitus
7. Me-Devil
8. (Closing SE)

https://www.facebook.com/sighjapan

THE APE SIDEで、トリ、主催のDOOM。
ベースがアベさんになってからは初めて見る。暗転してSEが流れ、「INCOMPETENT...」アルバムからの1曲目、"I Can't Go Back To Myself"。不協和音のコードを鳴らし、ブルージーなリフを弾く藤田さん。そこにPazzさんの8ビートが入り、ブレイクから2ビートに。サビの後、キックと刻むリフのみのパートからソロへ入っていく。このバックのベースも本当に凄まじい。4回同じフレーズをユニゾンして、ソロ後半へ。さらにリフに乗るスネアの連打を8回繰り返して、再びヴォーカルが入り、サビ、リフ展開してフィニッシュ!そして、フィルインからアルバムと同じ流れで、"Eating It Raw"。基本的には8ビートで進み(少々変拍子入る)、ベースとギターがユニゾンするリフの長い繰り返しを経て、リフのみになってからソロへと。本当に一筋縄ではいかないリズムとリフの展開である。アタマ打ちが少しあり、再び冒頭と同じパターンのヴォーカルが入り、複雑に展開した後はアタマ打ちでファストに。そして、3曲目は自分が初めて映像で諸田耕さんのプレイをTVで見た"Body No Body"。イントロとアウトロの物凄いベース・ソロを見た時は、日本にこんな凄い人がいるのか!と、唖然とした。(考えてみると、当時スラッシュ・メタルに関しては、テクニックがないなどと音楽知識がないのかな?と思う人の意見が凄くあったのだが、実際の所、日本に関してはテクニカルなプレイヤーばかりだった。)中間部のスペーシーな雰囲気の中の藤田さんのソロもやはり素晴らしい。アウトロのベース・ソロがだんだんリタルダンドして終わり、ギターノイズが少し出た。

アベさんにMCを振る藤田さん。「『しゃべって』と言われて……皆さん、今日は凄い楽しくないですか?」拍手喝采のオーディエンス。「じゃあ、メンバー紹介しようか。」という藤田さんだが、「ギター、ヴォーカル、俺、ベース、アイツ、ドラム、コイツ、で。」とかふざけてるし。(笑)
そんな感じのおもしろMCタイムの後、クローズドリムショットで始まったのは、"Killing Field..."。複雑なベースと共にインテンポになり、あの「アウ、アウ、アウ、アウ…」のシャウトが入る。スローなパートでのギター・ソロが美しい。そして、リフが奏でられてファストなリズムへ。再び、シャウトの入る複雑なベースの前半のパートが復活するが、急にテンポダウンで終了。さらに、独特のアクセントのスネアに弦楽器隊がユニゾンするリフ…"Complicated Mind"!DOOMの真骨頂とも言うべき代表ナンバーである。展開してミドルテンポになり、激しく艶めかしい(?)雰囲気のソロが入り、再び前半のリフに戻る。不協和音のリフでエンディングへ。

現在のところ、最新アルバムである古平さんがベースを弾いた「STILL CAN'T THE DEAD」。そのタイトル・トラックが演奏される。曲を聴いて思い出すのは、そのMV。スネアの細かいストロークのイントロからギターとベースが乗って、ユニゾン・パートへ。ヘヴィなリフが覆い、ヴォーカル・パートに入っていくが、その後のリズムチェンジ(これは2回ある)が異様で、リズムが崩壊するような「じらされる」形で3/4拍子の奇妙なリフ(最後だけおそらく2/4拍子(1/4か?)になりストップ)にリズム/テンポ・チェンジする。元のメイン・リフに戻った後、加速してギター・ソロ、さらに3/4拍子×3回+4/4拍子のリフに変化(これもラストだけ途中で切って伸ばすので、拍子は正確には良く分からない。)、メイン・リフに再び戻った後、再び偏執的なリフ展開をしてエンディング・パートへ。
ただ、ここで思ったのは、フロアの丁度真ん中(でも左のTHE APE SIDEの前だから完全に中心じゃない。)ぐらいで見ていたのだが、サウンドのバランスはあまり良くはない。楽器の分離が特にハッキリしていない感じだ。

「今日はありがとう。還暦間近でこんなに集まってもらって、本当にありがとう。」と述べて、「諸田耕が亡くなって、何年になるかな…。一番最後に彼と作ったアルバムから。」と言って、次の曲へ。
ドラムにクリーントーンのギターが絡む…"水葬"。途中のベース・ソロはアベさんが素晴らしい表現をしていた。続いて、アルバム「HUMAN NOISE」から"No Free"。ドラムのフィルがあり、変拍子に聞こえるようなビートの位置をズラした8ビートのリフ(メイン・リフ)、そしてギターの8分刻みのリフ(そのバックのベースが超絶!)になりヴォーカルがAメロを歌う。さらに、メイン・リフにまたなって、Aメロに再び。その後ドラムのフィル多用のBメロに入る。再びメイン・リフへ。ここから最初のAメロに戻り、続いてBメロを経て、ベースの導入からギター・ソロ。リズムは三連。16分刻みのザクザクリフに変化してスピード・アップしていく。途中Bメロのヴォーカル・ラインが出るがアタマ打ち2ビート。この後半の疾走パートだけ聴くとスラッシュ・メタル然としてはいる。テンポ・チェンジしてスロー・ダウンし、即興でカオスなエンディングへ。
ラストは「HUMAN NOISE」のタイトルトラック。最初に始まるメイン・リフは4/4拍子で進み、Aメロのヴォーカル・パートも同じく。途中で叫ぶヴォーカルのBメロは、5/4拍子で途中、メインリフが3拍目まで混在する変拍子になったり、凄い複雑。再びAメロ、さらに叫ぶ5/4拍子になり、"Human oh Noise!"の叫びのパートを経て、三連になり、ソロ(ウラのベースも凄い)、"Human oh Noise!"のパート再びで激しいリフになり疾走。"Human oh Noise!"のリフの前半を途中でカットしてメイン・リフを入れた合成リフをキメに使ってインプロ的なドラムのフィルが何回かあり、再び疾走する。リタルダンドして、終わりそうになって、刻みリフが鳴り、そのままノイズになって混濁…。
本編はここで終わった。

2~3分でメンバー再登場。MCはナシで、ハットの刻みから重いドゥーミーなリフが奏でられる。"Last Stand To Hell"。すぐにスピード・アップし、すぐにソロ。ドゥーミーなリフとファストなリフが交互に出現し、ドゥーミーなリフが徐々に遅くなって、フィニッシュ。そして、もう1曲は、"Why!?"。イントロのベースが"Body No Body"と同様に物凄い速弾きである。疾走し、再び速弾きベース・リフ、さらに疾走し、角張った三連リズムの上でソロ、ノイズと唸りとベースの強烈な速弾きのパートからファストへ展開。最後もベースの速弾きリフが駆け巡り、ユニゾンパートがあり、終了。
アンコールが「GO MAD YOURSELF!」シングルからの曲のみというところで、やはり、初期はシンプルなスラッシュ的なものが基盤にあって、少しプログレ色があるという感じ…ただ、やはり、全体でいうならば、DOOMはプログレ、スラッシュ…というよりは、ロックンロール・バンドだな、という感想である。
ベースのハーモニクスの響くSEが鳴り、照明も付いて終演となった。

DOOM@CLUB CITTA'川崎 2024.3.20
SET LIST:
1. I Can't Go Back To Myself
2. Eating It Raw
3. Body No Body
4. Killing Field...
5. Complicated Mind
6. Still Can't The Dead
7. 水葬
8. No Free
9. Human Noise
-Encore-
1. Last Stand To Hell
2. Why!?
3. (Closing SE)

 

http://doom-real.com/