本日は新宿。ANTIKNOCK。
今回の企画は、音楽性はほぼスラッシュ・メタルでまとめられているものの、世間的にはヴィジュアル系の見た目の部分でしかあまり語られないGARGOYLEがラインナップに入ったことで、嬉しくなってしまった。彼らのライヴにはもう6回位は行っているので、その演奏能力の高さ、パフォーマンスの完璧さ、そして、ヘヴィ/スラッシュ・メタル的な音楽性と勢いという物をしっかり持っていて、この企画に出る事は、音楽的には自然な流れとは思うものの、ファン層が少し違うだけに、彼らの凄まじさを別のフィールドにも伝えられる良い機会だと思えた。
…ところが、10月初旬に、今回出演が決まったRIVERGEのヴォーカリストである中村"しょーべー"昭二さんが亡くなり、出演は出来ないか?と思ったのだが、「出演が決定したライヴをキャンセルして穴をあけたことがないのが、RIVERGE。だから、今回も特別編成で出演する。」との事で、キャンセルにはならなかったが、この出演は、中村さんへの追悼という意味ももちろんあり、今回のイベントはCASBAHの40周年だけでなく、色々な深い意味を持つものとなった。

まずトップは、関東の公演は数年ぶりというFASTKILL。自分も5年前のTTFで見て以来である。
かかっていたBGMのデス・メタル(アーティスト名不明。)の音量が大きくなり、カットアウト。すぐに"Torture Inseption"のイントロのあの不気味な呪文のような語りがSEとしてかかる。そのまま演奏開始。前半部のインストが少し長く、途中から速くなる"Agony"からスタート。この曲自体の演奏も珍しい感じがする。さすがにキレの良いドラミングのKazu君、そしてベースはピッキングの音がビンビン!ちょっとヴォーカルは苦しそうな場面もあったがこの曲のみで復活した。強烈なラストの刻みがあり、"Blaoodbath"をタイトルコールした。一挙にいモッシュ・サークルが出来上がる!さらに3曲目に"Sense Of Ignorance"!久々に聴く名曲だ。フロントの2人がサビのコーラスをとる様が印象的だ。
望月氏のMCがあり、"Human Flesh"。少しギターの音が小さくなった感があった。サビの二拍三連のフレーズが印象的である。5曲目は強烈に速い"Lust And Desire"。ここで、Toshi君がしている五寸釘リストバンドが、実はRIVERGEの中村さんから何年か前にもらったものだと告げられた。「しょーべーさんここにいます!」という一言が心に突き刺さる…。
デス・メタル風のリフから"Drenched In Blood"、続いて"Sickness"へ。そして、「最後の曲です。この後も、凄いバンドがガンガン出るので楽しんで行って下さい!」「最後まで楽しまないと殺す!(笑)」とFASTKILL風に告げて必殺の"Kill For Pleasure"がタイトルコールされた。彼らの代表曲であり、21世紀に入ってからの日本のスラッシュ・メタルの名曲である。

FASTKILL@新宿ANTIKNOCK 2023.11.12
SET LIST:
1. SE:Torture Inseption~Agony
2. Bloodbath
3. Sense Of Ignorance
4. Human Flesh
5. Lust And Desire
6. Drenched In Blood
7. Sickness
8. Kill For Pleasure

https://www.facebook.com/FASTKILL.Japan

2番手は、未だVOLCANOの屍忌蛇さんが在籍していた頃からライヴを見ている所謂ヴィジュアル系の元祖とも言うべきバンドの一つでもあるGARGOYLEではあるが、まだ80年代末の何に属しているかとかジャンルの細分化が明確でない時期にアルバムを出した彼らの音もヴィジュアルも、特異なKibaさんのヴォーカルや和のテイストが入っていたり、形容するのが難しいスタイルのバンドであった。ただ、楽曲の中核は明らかにスラッシュ/パワー・メタルであったから、今回のイベントに呼ぶというのは、94年の「LIGHTNING & THUNDER」の第一弾(VOLCANO(ボルカノ…ヴォルケイノの前身)、YOUTHQUAKE、GUILTY VICE、AION、東京YANKEES、そしてGARGOYLEが出演。)と同じような意味合いで、音楽的には丁度いい湯加減というか、個人的にはもっと早く所謂スラッシュ・シーンとリンクする場面があっても良かったという感想なのである。

「さぁ、行くぞコラァ~~!」と幕が上がるといつもの衣装でKibaさん登場。そして1曲目は驚くべき事に"Halleluyah"!!このいつもなら本編最後やアンコールなどに持ってくる最強の代表ナンバーをトップにもってくるとは!いきなりエンジン急速回転という感じである。さらに「我々はここに、完全な毒を要求する!!」と言って、これも代表ナンバーの"完全な毒を要求する"。3曲目はベースからミドル・テンポで始まりアタマ打ちになり、速くなる"異血"。
「アウェイかな?と思ったんだけども、そうでもないの?」と既に"Halleluyah"から拳が何本も上がっているフロアを見て、驚いているKibaさん。今回の楽器陣のメンバー紹介(サポート・メンバーだが、ほぼ固定。ちなみに、ベースのJunさんはVALENTINE D.C.の方!)をして、「30年間…えーと、前のメンバーが辞めるまでの間にヘヴィ・メタルのイベントに呼ばれたのは10回もなかったかな?でも、なんでかコロナ禍になってから呼んでもらえることが増えてましてね…ありがとう!」と言って、次の曲では冒頭拡声器を持ってイントロを歌う。"神風ギャング団"。さらにかなり速いイントロの"Dragon Skull"が始まるが、歌に入るとノリノリな感じの8ビートになる。そして強烈に速いツーバス連打の初期の"Hunting Days"と続く。
「今日は全バンド初の対バンでしてね。」という言葉には「えっ?そうなんだっけ?」と一瞬思ったが、確かに考えてみるとおそらくそうなのだろうと…。20年ぐらい前にまだ与太郎さんがリズム・ギターで下手にいた5人編成の頃、GARGOYLEがトリで10バンドぐらい出演した(X.Y.Z.→AやBOWWOW、BLINDMANなど)HR/HMバンドのオールナイト・イベントがあったが、どちらかというとあれはハード・ロックのイベントで、今回のようなスラッシュ・メタルのラインナップではなかったし…。「CASBAHが40周年という事で…あと、他のバンドの方々も色々と…UNITEDも昔の曲をやるとか、本当になんか特別なライヴに出させてもらって感謝してます。」そして、その後、意外な話をするKibaさん。「僕、楽器全然出来ないんですよ。ただ、楽器を弾けないことを1回だけ後悔したことがあるんです。昔ね、86年ぐらいかな?大阪で。大阪のなんか街角に座ってたら、『君、ギター弾ける?』と声をかけてきた人がいてね、それがRIVERGEのヴォーカルの人だったんですよ。」ええ~~そんなことが!確かにGARGOYLEもRIVERGEも大阪出身のバンドではあるが、そんな出会いがあったなんて…!人は色々なつながりの中で生きてるんだな、と思ってしまった…。
7曲目に2ビートでとばす"影王"、煽りを入れてツーバス全開の"死ぬこととみつけたり"、そしてオーラスは、30周年のO-EASTの時、屍忌蛇さんと一緒に演奏したファーストのトップ曲をあの時以来に聴く。"Destroy"!GARGOYLEというバンドの音を初めて聴いた曲であった。しかし、今のメンバーのツインも強烈なプレイで圧倒される!ラスト、「マジかー!お前らー!超嬉しい!!」とそのオーディエンスの意外な盛り上がりにKibaさんの叫びがこだました。

GARGOYLE@新宿ANTIKNOCK 2023.11.12
SET LIST:
1. Halleluyah
2. 完全な毒を要求する
3. 異血
4. 神風ギャング団
5. Dragon Skull
6. Hunting Days
7. 影王
8. 死ぬこととみつけたり
9. Destroy

https://firstcell.net/gargoyle/

3番手は、UNITED。今日は初期のセカンドまでのレア・ナンバーばかりのセットである。(話がいきなり飛ぶが、30~40年もスラッシュ・シーンが日本でも続いてきたことを実感として感じてきたジジイの私としては、大谷さんのROMMELやEMPEROR時代の事やHally先輩のDEMENTIA時代を考えると、今「ヴィジュアル」という枠の中で活動している人々との繋がりは普通にあると言えるのかもしれない。CASBAHとhideさんのいたSAVER TIGERはEXPLOSIONのレーベルから同時期にソノシートを出しているし…。我々の世代では不思議ではないが、若いファンの人には意外かもしれない。)

SEにS.O.D.の"United Forces"がかかり幕が上がる。その後、メンバー登場。スネアのオカズから、"Don't Trust"。ファースト「BLOODY BUT UNBOWED」からのナンバーである。中間ミドル・テンポになるが、いきなりリズム・チェンジして2ビートへ。モッシュ・サークルが出来る。刻みのリフから大谷さんのソロへ。Hally先輩のソロへつなぎ、再び2ビートへ。そして、鋭いリフ・ワークから2ビートになり、"(It's So) Hard To Breathe"へ突入する。これも激しい。中間で一度ストップし、Hallyさんのリフから再開する。今度はツインのハモリへ展開。ミドルになりフィニッシュ。
「楽しんでるね、みんな。みんなキッズになろうぜ。俺はもうさっき戻してもらった。」と初期ナンバーはメンバー自身も(加入する前の)キッズだった時代に戻してしまったようだ。3曲目スタート。これもファーストからで、"The Plague"。ヘヴィなリフが始まり、ノリのある8ビートへと変化。さらにファストになり、ソロは大谷さんからHally先輩へ。Hallyさんのソロはタッピング中心。ラストは疾走して湯浅さんのスクリーミングでキメた。続いてファーストのラストの"Unavoidable Riot"。(厳密に言うと、89年のデモ4曲がここまでの選曲ということになる。)キックにコードが絡み、リフが始まる。基本は8ビートで進み、途中からアタマ打ちになる。印象的なサビからソロ。まずはHally先輩から始まり、大谷さんへ。再びサビ、大谷さんのソロと続き、エンディングのリフへ移行。
「ありがとう。どう?足りねーか??まぁ、じゃあ次の曲行こう。言う?(曲名)……"Don't Let Peace Break Out"!!」と短いMCで5曲目スタート。セカンド「HUMAN ZOO」のラスト曲だ。メチャ速のスタートでモッシュ・サークルがデカくなる。リフの雰囲気からか、ハネる感じの8ビートになり、再び2ビートになり、もう一度8ビート→2ビート…Hally先輩のソロがあり、リフ・パートを挟んで大谷さんソロ。スピード・パートから短いベース・ソロになり、ラストは再びリフ変化をして疾走。強烈なリフ攻撃でおなじみ"Violence Jack"がスタートする。ダイヴする者も出始め、クラウド・サーフされていく。ハモリのパートは両ギタリスト共に見事としか言いようがない。
フィードバック音にキックの連打が入り、湯浅さんの「おーい!もっと声を聴かせろ、俺の耳までちゃんと届かせろ。足りねー!」というヤサグレ煽りから8ビートへ。EP「BEAST DOMINATE」収録の"S.R.S."!独特なリズムチェンジを経て"(S,R,S, S,R,S, S,R,S,)Until we die!"のサビへ。続けて、おなじみ"Combat!"。こちらも歴史は古く、同じく「BEAST DOMINATE」収録。Hally先輩のソロから大谷さんのソロという流れでスピード全開!
そしてラストは、ファースト収録というか、今日は2番Aメロを日本語で歌っていたから、シングル「DESTROY METAL」収録でもある"Sniper"!フィードバック音からHally先輩、リフを刻む。大谷さんも入り、ハモリのイントロ。激速で進む。大谷さんソロからHally先輩ソロ、そしてハモリ。この流れは、やはり初期はClosing SEにJUDAS PRIESTの"United"を使っているという事もあり、イギリスの様式美メタルの影響が大きいのだと思う。一度完全にストップし、オーディエンスの歓声の中、再び湯浅さんのシャウトとドラムのフィルからスタート。アタマ打ちのスピード・パートがリタルダンドし、フィニッシュ。
「ありがとう。また会おうぜぇ!」と最後の挨拶をしてステージを後にした。
思えば、2015年の末、今はなき難波ROCKETSでRIVERGEとROSENFELD、そしてUNITEDの3マンがあった時も、ファースト、セカンド中心のレア曲をやった。あの時ともそんなに被っていない選曲で、贅沢な時間を過ごしてしまったようである。

UNITED@新宿ANTIKNOCK 2023.11.12
SET LIST:
1. SE:United Forces(S.O.D.)~Don't Trust
2. (It's So) Hard To Breathe
3. The Plague
4. Unavoidable Riot
5. Don't Let Peace Break Out
6. Violence Jack
7. S.R.S.
8. Combat!
9. Sniper
10.(Closing SE:United(JUDAS PRIEST))

http://www.united-official.com/

 



トリ前に、特別編成のRIVERGE!!
BGMに過去のライヴの音声が流れている…暗転して幕が上がると、2ndデモのイントロ(冒頭はベートーヴェンの「運命」をコラボったような感じ)に最近のMCを繋げて作ったという音源がSEとして流れる。そして、始まったのは、"A & ∀"。最もグラインド・コア的な速射ナンバーである。…とヴォーカルを取っている金髪の人の声や雰囲気が…なんとHisayoshiさん(ROSENFELD、UNHOLY THE 13TH PREACHERS)じゃないですか!ビックリ!「…え~ひとまず…CASBAH40周年おめでとうございます!」と告げ、「お前達の声が(中村さんに)聞こえるように、もっともっと大きな声出してくれるか!!」と煽り、"Cutting Edge"へ。4月に見た時もこの曲が復活していたが、ファーストでは独特の切れ味のリフを持つ曲である。
ここから後は出戻り(?)のギターのNasuさんが歌う。その前にHisayoshiさんが、「一人で車飛ばして大阪から来たんやけど、来た時、ステテコ姿で着替えようと思って車戻ったら、玄関に服全部置いてきてて。さすがにステテコ姿はないなと思って、新宿のユニクロに買いに行きました。でもな、帰りはRIVERGEのTシャツとか、FASTKILLのTシャツとか、CASBAHのTシャツとか、GARGOYLEのTシャツとか…全部俺が買い占めて帰ろうと思ってるからな(笑)。俺が裏に回る前にお前らは早く買いに行かないといかんぞ。」と物販宣伝をして、「今日のイベントは大成功のうちに終わりたいと思うんで、よろしくお願いします!」と言い、Nasuさんにマイクを渡した。「ええと、僕、辞めてるんですけど、急遽呼び戻されて歌う事になったんですけど、まぁ、張り切って歌うんで、お前らもついて来いよ!」と軽く煽り。
まずは、"Ready To Dive"。松本さんのドラミングが凄くシャープで、バンドのグルーヴも良い感じ。サビでは大合唱が起こる!!そして、ツーバス連打のイントロから「"Slavish Charge"行くぞ!おい!!」とタイトルコールして2ビートが全開になる。ストレートなスラッシュ・メタル・サウンドが響く。どんどんリズムがタイトになっていく感じである。
Nasuさんの中村さんを弔うMC、そして、Nasuさんに呼ばれて、ROCK STAKK RECORDSの松尾さんが登場して、「今日は、初めはやらんはずだったけど、俺が、いや、アカン、やってくれ、と言ってね。それで来ました。ありがとうございます。」と。そして来年の2/12も江坂MUSE HALLのイベントにRIVERGEとして決まっているギグには出ると告知した。さらに、80年代にRIVERGEのベースを担当していたKaratachiさんが来ており、その方を紹介した。
「じゃあ、行くぞ。最後行くから頼むぞ、お前ら~!」とNasuさん。ラストはもちろん、"Till I Die"!Karatachiさんも、松尾さんも、さらには企画のNobu(ビデオマン)さんまでコーラスに参加する。名曲中の名曲であり、初めてシングルEPで聴いたRIVERGEというバンドの音源…2月のライヴで全てが???それは、神のみぞ知る。

RIVERGE@新宿ANTIKNOCK 2023.11.12
SET LIST:
1. SE~A & ∀(Vo.Hisayoshi(ROSENFELD))
2. Cutting Edge(Vo.Hisayoshi(ROSENFELD))
3. Ready To Dive(Vo.Nasu)
4. Slavish Charge(Vo.Nasu)
5. Till I Die(Vo.Nasu)

https://www.facebook.com/rivergethrash

 

いつものバグパイプのあのSEが鳴る。幕が上がり、メンバーが入ってくる。
「All right, Tokyo!! Are you ready??」と羽鳥さんの太い声が響き渡り、1曲目のリフが奏でられる。"Swan Song"!!掴みはOK!!CASBAHとしては激速のテンポの曲ではないが、やはり強烈な疾走感がある。2曲目はベースから始まりトライバルな感じのリズムになり、ギターの刻みが入ってくる。"Believe Or Bleed"!!この言葉は、この曲が89年のデモでリリースされる前に、今回のギグで復刻された87年のブルドッグTシャツ(オリジナルは持っていたが、もうかなり色々切れてボロボロになってしまった。)のバックに書かれていた。89年のデモはそれまでよりヴォーカルにメロディを多く導入したり、色々なリズムなどを試している時期で、熱狂的なファンの間でも未だにどういう評価を受けているか分からないのだが、確かに当時は「スラッシュ・メタルらしい曲」を自分も望んでいただけに戸惑ったという面はあったのだが、Disk UnionのB.T.H.Recordsから2006年に過去のデモ音源などを集めた編集盤が出た時にそれまでとは違って魅力的に聞こえ、今ではあのデモも愛聴盤の一つとなっている。続いて、これはまたレアな曲で、92年のデモのラストに収録されている少々明るい感じの"Out Of Wreck-Age"!スタジオ・ヴァージョンではベース(?)とヴォーカルのみになるサイレントな部分が中間にあるが、ここでは一旦ストップして羽鳥さんが「I have a question!」と何回か叫んで再びスタートするというライヴならではのアレンジになっていた。しかし、おそらくここまで明るい雰囲気の曲はそれまでなかっただけに、当時は少々驚いた。
「Thank you!!会いたかったぜオメーラ。チンポフル勃起だぜ~。最高だぜ~。」といつもの通り?羽鳥さん節が出たが、「あ、失礼、女性は違った。」とか、このMC、昔から最高です。(爆)企画のNobuさんがいたから、今日は大成功のイベントになったと語る羽鳥さんだが、「本当に色々な事があって、立ち直れないかと思ったけど、なんとかこうして出来た。感謝しているし、天国で見ているRIVERGEの中村君にも皆、熱い声を届けようぜ、みんなな。」そして、40周年は有難い事に40周年を迎えられたけれど、特に記念すべき年とは意識していないとも…「それよか俺が60になったことの方がよっぽど大事かなっていう。」ってホントにそのアクティヴで素晴らしい肉体美…60?とマジで驚く。俺もこの1年の過酷な労働+食事のとり方でかなり腹は引っ込んだけど、羽鳥さんのストイックさはハンパない!「古いの続いたから、ROADRUNNER時代の曲も知っているみんなのために。This song is called "Speak"!」シングル「BAREFOOTED ON EARTH #2」の1曲目である。この当時の曲も色々な実験的な事をやっている雰囲気はあるが、当時のトレンド的なものはあまり感じない。CASBAHがグランジなりモダンヘヴィネスに影響受けたという印象は全くなく、どの時代も我が道を行くバンドであり、サウンドだ。「もう一発!」と言って放たれたのは、デモの「MARCH OF THE FINAL DECADE 94」にもROADRUNNERからのフルアルバムとしてはファーストとなる「BOLD STATEMENT」にも収録されている"Impure"。強烈なベースから始まり、叩きつけるようなビートなど久々にCASBAHの攻撃性を感じた曲という想いがある曲だ。
「懐かしい曲いっぱいやろうと思ったけど、俺らは現在進行形のバンドだって知ってた?…作品をあんまり出さないんで、『CASBAHやってるんですか?』とか言われるんだけど、やってるんだよ…っつーわけで、新しい曲もあるわけよ。じゃあ、俺たちの最新の曲を聴いてください。…気持ち良いんで、身体揺らせ!オーライ、行くぞ!」ここで披露されたのは、前にIDORAとのスプリットで発表した2曲ではなく、全く音源になっていない曲だった。("My Darkest Friend"とはタイトルコールもしていたが、正式タイトルかは分からない。)全体的にドラマティックな雰囲気のエピカルな作風である。もう今のCASBAHはどんな作風でもCASBAHとしてのスタイルに昇華しているし、それは認めざるを得ない事実だ。セカンドの「REACH OUT」もそういう意味で大好きな作品である。続いて、勢いのあるリフが聞こえてきた。初のMVも作られた"Unsung Heroes(Song For The Heroes)"!グルーヴィーな部分を持ちつつスピーディーでもある曲だ。
「毎回のライヴに来れるわけないし、みんな諸事情あるんだし。でもそんな今日みたいな特別な日に見に来てくれて本当感謝してます。寒い中ね、本当に。…出たバンド、ホント、最初のFASTKILLから…GARGOYLE、やべー!最高!UNITED、いつも通りカッコイイ!RIVERGE、まだまだいけんだろぉ!というわけで、みんなの支えがあってやって行けてると思うんで、本当に感謝です。それで…色んな方が亡くなっている中で、この曲は、あの諸田耕さんもイントロで叫んでます。みんな分かるかな?EXPLOSION時代の曲をやろうと思うぜ~!」と言ってミドル・テンポのリフが始まる。"Discharge"。強烈なパワー・コードの嵐になって、殺人的なタテノリがフロアをカオティックな状況に導く。ステージ・ダイヴは連発する。「最後のナンバーです!今日は皆ありがとう!」と言った瞬間、Shuさんがブラストを叩き出す。"Infinite Pain"。CASBAH最速のナンバーだと思うが、87年という年には非常にショッキングな曲だった。

アンコールはすぐに戻って来て、「ちょうどROADRUNNERにいた頃に活動に参加してくれた、Mr.ターボー・古平!」と言って、DOOMが復活して数年、ベースを弾いていた古平さんが登場。「ダブルベースで。」ということで、「皆が知ってる曲なんで…。」と言って、"No More Slaughter"!人気曲だが、あの「INFINITE PAIN」デモの中では"Chain Gang"と共にキャッチーなラインを持っている曲だと思う。ギター・ソロ前では三谷さんが超弾きまくり、ギター・ソロの後のブレイク、そしてラスト手前の部分では古平さんが弾きまくるというパート分けであった。
「ラストナンバーです!暴れて帰れー!」と言ったら、このリフが出てくるというのは間違いない。スローなイントロ・リフがゆっくりと首を振らせる…"Russian Roulette"!テンポアップすると、大勢のステージダイヴァー達が次々とフロアに向かって飛んでいく!CASBAHというバンドを初めてこのシングルで聴いた時の衝撃は、俺を本格的にヘヴィ・メタルの、いや、ロックンロールの世界に誘う事になった。あれから37年…俺は、それまでの漫画やイラストで食っていくつもりだった少年から確実にロックの世界に入っていく事になったのだった。

CASBAH@新宿ANTIKNOCK 2023.11.12
SET LIST:
1. SE~Swan Song
2. Believe Or Bleed
3. Out Of Wreck-Age
4. Speak
5. Impure
6. (New Song)My Darkest Friend
7. Unsung Heroes(Song For The Heroes)
8. Discharge
9. Infinite Pain
-Encore-
1. No More Slaughter(With:B.古平崇敏)
2. Russian Roulette(With:B.古平崇敏)
 

 


https://www.facebook.com/nomoreslaughter

ラストに企画のNobuさんが挨拶…この20年前にやっていた「to the eden」というイベントを今回復活させたが、来年も何かはあると語っていたので、期待したいと思う!