18日は、渋谷CYCLONEまで。歴史あるイベントでもある「MARCH OF THE FINAL DECADE」。

今回の当初のラインナップにはFASTKILLも入っていて、4バンド出演のはずであったが、キャンセルとなった。その理由はへヴィ・メタルに関わっている多くの方はご存知と思う…。
それ故、結果的に3バンドとなったのだが、スタート時間は変わらず…。ただし、トップのSOLITUDEは30分ぐらい押して始まったが。

SAXONの"Motorcycle Man"のSEから"Falling Down"へ。そして新曲であるスピーディーな"Blow"へと。
「この後にスラッシュ・メタルのバンドがいるからって、俺たちみたいなバンドナメてもらっちゃ困るんだぜ?いいか!」と檄を飛ばす杉内御大にオーディエンスはさらに熱く呼応する。
単音リフの上昇下降が複雑な"Virtual Image"のドラマティックな雰囲気から、攻撃的な"You Wish"へ。曲順は、最近のライヴのセットリストの定番の流れで、次はトライバルなイントロから激しく、且つ壮大な雰囲気へと展開する"Angel's Son"。
今回のライヴはソロの後で両手を前に出してオーディエンスを指さしたりなど、井田さんのショウマン・シップが上がっている感じであった。これまでは「職人ギタリスト」という感じの雰囲気だったが、今回のステージングはかなり見せる感じになっていた。
MCではFASTKILLのキャンセルの件について少し触れて「MCはうまくないから、あまり多くは語れないけれど、次の曲でその気持ちを表現します。"Frosen Rainbow"。」とSAXONのファーストのトップ曲のカヴァー。これは久しぶりの演奏である。後半のインスト部がまた独特の雰囲気を持っている…。続いて攻撃的なリフの名曲、"Walk In Paradise"へと。
あと残り2曲と言って、「新しいアルバムのレコーディングをします。アルバムが出たら、またみんな遊びに来てくれよな!」と告げた後、"Volcano Of Anger"、"Reach For The Sky"と演奏してステージを去った。バンドは今確実に充実している感じが伝わってきた。

SOLITUDE@渋谷CYCLONE 1/18
SET LIST:
1. SE:Motorcycle Man(SAXON)~Falling Down
2. (New Song)Blow
3. Virtual Image
4. You Wish
5. Angel's Son
6. Rainbow Theme~Frozen Rainbow(SAXONのカヴァー)
7. Walk In Paradise
8. Volcano Of Anger
9. (New Song)Reach For The Sky

http://www.spiritual-beast.com/solitude_japan/

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そして、いつものあのSEからCASBAH。
いきなり猛烈なパワーで"Swan Song"がスタート!前回の鹿鳴館以上のパワーとタイト感で、バンド・サウンドは往年…いや、もしかするとそれ以上の音圧を伴って向かってくる。しかも、あのバック陣の中にあって羽鳥さんのヴォーカルは確実に聞えてくるのだから凄まじいものがある。続いて、馴染みのあるイントロから"Chain Gang"、そして重いイントロのリフが印象的な疾走曲、"No More Slaughter"へ。
ベース・ソロがあって、新曲の"Inside Me"。まだこれを初めて聴いたオーディエンスもいたかもしれないが、だとしても、あまりのバンド・サウンドの説得力に圧倒されているようで、「休憩タイム」ではあり得ない。"Revolt Against"ではやはりオーディエンスにサビのフレーズを歌わせる。(まだ音源はないのだが。)しかし、みんな前より歌えている!この曲はキャッチーなラインもあり、覚えやすい曲とも言える部分もあるからかもしれないが。そして、"The Killing Machine"と3曲新曲を続けて、名古屋でも振ったという少々下ネタな「おまえら、大人しくねぇかあ?お前らチンコついてんだろうがよ!」というMC炸裂。みんなワイワイ言っている中、「え?ついてない奴もいる?じゃあ何がついてんだ~?」とさすがにその後までは続けずに羽鳥さんも笑っていたが。
そして4曲目の新曲、"Naked"の後、とんでもないサプライズ&レアな曲のリフが放たれた!あまりに唐突な出来事で頭の中が真っ白になってしまったが、あの横須賀の故・HideさんのいたSAVER TIGER、そしてUNITED、ハードコア勢からはGHOUL、LIP CREAM、CITY INDIANが参加したオムニバス「DEVIL MUST BE DRIVEN OUT WITH DEVIL」からの"Lock The Passion"!(あのオムニバスの時はタイトルは"Lock The Express"となっていたが、リメイク盤「DINOSAURS」(実はこのジャケ・アートはTERROR SQUADのアート・ワーク担当、Kawaguchiさんの手による。)では"~Passion"となっているので、おそらくこちらが正式タイトルと思う。)これをライヴで聴くのは初めてである。同オムニバス収録の"Desperate War"はYouTubeなどにライヴ映像が上がっていたりするが、こちらはライヴでやったという記録さえ見た事がなく、驚くというか、ほとんど奇跡に近い感じがしていた。オーディエンスもマニアは完全に狂喜乱舞!だが、曲を知らない人もいた様子でもあった。「今やった曲聴いて、泣いちゃった人いる?」と羽鳥さん…いや、マジでじわじわと来ますです…。
そして「MARCH OF THE FINAL DECADE」は、20年ぶりにやったイベントである事を述べ、その感慨はCASBAHにとっても大きいものであると語っていた。
ラスト2曲をやる前に煽りを入れるが、Hizumiさん調になってしまったということで、仕切り直して羽鳥さん風煽りでキメた!曲は"Russian Roulette"!!イントロのテンポ・アップするところでは、羽鳥さんもフロアに降りてきて、サークルに入って回る!やはりこの曲は金字塔である!そして、ドラムのドンドンドンドド!で久々に聴く"Death Metal"。考えてみれば、デス・メタルというジャンルが確定していない頃、ONSLAUGHTとPOSSESSED、そしてCASBAHにはまさにそのままズバリのタイトルの曲があった。つまり、当時はハードコアの要素を持ったスラッシュの中でもよりコアなサウンドを指していたのである。(POSSESSEDだけはその後のデス・メタルというジャンルに直接起因しているが。)といううんちくはここまでにして、ともかく、凄まじいばかりの直線的2ビートが印象的だ。そして、とても邪悪なのがソロ前の刻みながら下降するコードのリフ…ほぼ27年前、あのシングルを聴いた時、"Russian Roulette"以上にコアな恐ろしさを感じた事を未だに思い出す曲である。
トータル的に、やはり前回見た鹿鳴館以上に強烈な音圧とタイトさで、復活後ベストのライヴであったと思う。

CASBAH@渋谷CYCLONE 1/18
SET LIST:
1. SE~Swan Song
2. Chain Gang
3. No More Slaughter
4. (New Song)Inside Me
5. (New Song)Revolt Against
6. (New Song)The Killing Machine
7. (New Song)Naked
8. Lock The Passion(Another title:Lock The Express)
9. Russian Roulette
10.Death Metal



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そして、トリは浪速のメタル・シーンを支え続けるRAGING FURY。こちらも「MARCH OF THE FINAL DECADE」では重要なバンドである。
ライヴを最後に見たのは05年か04年かぐらいで、当時のTシャツは今でも持っているが、本当に久々に見る。新作にはVIETNAMのカヴァーも入っているとの事だが、今回はやらなかった。
ドラマーがImaiさんという方にチェンジしており、この方のドラミングが非常にユニークだった。スラッシュ・メタルにしてはあまり直線的なフレーズではなく、タムを絡めたビートなどが多い。またピッコロ・スネアという点も異色だ。
それにしても、やはりトリオでも音圧は凄く、Haruoさんのヴォーカルも素晴らしい。MCではやはりFASTKILLの事に触れていた。
「みんな好きなメタルいろいろあるやろ?スラッシュ・メタル、デス・メタル、ブラック・メタル…俺達はRAGING METALや!そんなジャンルはないんやけど、俺達のサウンドはそういう名前なんや!」というのが印象的だった。

そして、アンコールで1曲披露してからは、出演バンドの全てのメンバーが集まり、RAVENの"Take Control"をカヴァー(とはいえ、これ、某M氏に教えてもらったんだけど…。09年のRAVENのライヴで1曲目にやってるのに…。汗)。ドラムはMadさんでギターは井田さんとYamadaさん。ベースはHaruoさん、後のメンバーはコーラスだったり、エアギターだったり、色々…なのだが、みなさん、満面の笑み。このイベントには特別な意味性があるという事の証であった。

http://www.k5.dion.ne.jp/~rfury/