Piyokoのブログ


 


14日は、DESTROSEのワンマンへ。今年になってからは彼女たちのライヴへの参戦はこれで3本目であるが、今回はちょっと特別な意味性がある。それというのも、リーダーであるMina隊長が夏ごろから度々体調を崩し、医者の治療を受けてきたが、回復が思わしくなく、先月26日の名古屋のライブに出演出来ず(ギターは成美嬢の1本のみで行った。)、現在のところライヴ活動を続けながらは体調の回復は困難という判断で、昨夜の大阪のライヴを以って、一旦休養に入るということになったのである。そう、つまり、最も大きなキャパの会場でのワンマンでありつつ、一時休養前の関東圏での最後のライヴという事なのである。「Mina隊長自身の将来にも関わる問題」という健康への配慮によるものであるから、仕方はないのであるが…。





http://destrose.net/announcement.html





さて、ライヴは開演前30分ごろにはいったのだが、「みちのく☆くのいち」というDESTROSE版「大魔神5人組」的な(そうじゃないとMina隊長は言い張っているらしいんだけど。ww)バンドからの激励の映像なども流れたりもした。(「今日はライヴは出来ないんですよ。」とか言っておった。w)





http://ameblo.jp/hebimarina/entry-11452058889.html





そして暗転すると、アルバム"The Generations Of Chaos"のSEが流れ、それを断ち切る形で13日に出たばかりのニュー・シングルからの"Maze"が爆発的に始まった。この曲のギター・ソロは成美嬢から隊長へという流れで行われる。ちなみに今日は隊長はサンタの帽子?のようなものを被っている。続いて"Skykiller"。この曲もアルバムで大きな変化を見せた楽曲である。"Lifer 13"はDESTROSEの楽曲の中では最もロックンロール調の曲ではあるが、MOTORHEAD…いやSAXONっぽいと言ってもいいだろうか。ソロも様式美的なそれとは違ったルーズなものになっている。リズム隊に少々乱れがあったりもしたが、大きなミスという風ではない。それよりも、この曲あたりまで、なんとなくテンポ的にいつもより遅いか、もしくはタメが多いというか…なのは、長丁場で体力温存なのか?と少々勘ぐってしまったのだが…。


4曲目は隊長作の最もDESTROSEの陰りを感じる"Heart's Grave"。泣きとへヴィなリフが印象的である。


ここでのMCで「DESTROSE2周年記念」と言っていたのは、結成は07年なのだが(前身のDESTROY-YAではそれ以前から?)、2年前に一度バンドを停止(これは体調が思わしくなかったのではない。)して、その後の復活を丁度11月にして(ほぼ現在のメンバーで。)12月にこの会場で復活後初のライヴを行ったという経緯からであった。今回のシングルのレコ発でもあったのだが、それ以上の意味性があるとMarina嬢は言っていた。


次は、"Fenixx"だったが、始める前に「次の曲何やるかわかってるよね?え?曲名先に言っちゃダメだよ。(笑)」と、バンドの復活とをかけていた模様だ。この曲もシングルとアルバムでは中間のリフのインパクトが違っており、だいぶドラマチックなアレンジとなった。


メンバー紹介があり、DESTROSEの楽曲では最も好きな2曲のうちの1つとも言えるスラッシュ調の"Headless Goddess"。タイトルはもちろん、BLACK SABBATHの好きな隊長の命名である。(笑)過去はかなり速いテンポのヴァージョンで演奏されていたスラッシーなナンバーだったが、今はパワー・メタル的な感触も残しながらストレートなへヴィ・メタルになった感じがする。さらに今回はソロ後のミドル8部のアレンジをかなりソフトなバッキングに変えていたのも良い感じであった。続けてメロディアスな"Destination"。ギター・ソロでの指板の上からのフィンガリングによるタッピング的な奏法は隊長のトレードマークではあるが、正直なところ、音の粒立ちは良いとは言えない。メロディ構成がしっかりとあるソロはこのバンドの武器でもあり、通常の奏法では素晴らしいものを感じさせてくれるし、最近の速弾きの勢いも非常に良いものがあるのだが、特殊な奏法をしたりといった面ではまだ改善はあるかと個人的には思ってしまった。


そしてアルバム通りの進行で最もポップな(マイナー調ではあるが。)ギター・ソロがない"Romancer"。この曲は本当に詞が響く。さらにバラードの"Fade Out"であるが、かなりバンド的には古い曲で今回のシングルに収録されたヴァージョンはアレンジもかなり緩急を付けた秀逸なもので、Marina嬢のバラードでの表情も凄くエモーショナルだ。ただ、一つギター・ソロの出だしのフレーズはもう少し練りが欲しかったのだが…ハモリのパートは素晴らしく良い。





ここで、詩の朗読が流れる…内容からなんとなく次の曲が何なのかは分かったのだが、今回のシングル(は両A面…つまりXの"Standing Sex"と"Joker"がどちらもメインの曲としてシングル化されたのと同じ扱いだ。)の"Maze"と共にメイン曲の"霖 -Rin-"。オープニングは音源とは違い、アクセントで音を切る感じのブレイクから始まった。テンポ的にもノリ的にもこれまでのDESTROSEの曲の多くはツーバス連打の勢いのあるスピード・メタルが主体であったが、これはかなりへヴィなリフを持つこれまでにない独特の重いナンバーで、シングルで聴いた時は、そのMarina嬢のこぶしの効き方といい、バッキングがへヴィでなければほぼ演歌のような雰囲気をもっていた。しかし、それは悪いという意味ではない。かつてLOUDNESSがアメリカに進出した時、海外のオーディエンス、リスナーには「全く我々の音楽とは違う。東洋的に聞こえる。」と言われたといい、二井原さんが最近のインタビューで「あれは収穫だった。」と言っていることからも、「演歌メタル」的な要素は日本の武器である。「日本語はダサい。歌謡/演歌メタルになってしまうのはダサい。」といった風潮が80年代にはあったかもしれないが、アジアのメタルを聴くと、かなり韓国のメタルも演歌的であったりするのだが、そこが我々のルーツ的な意味合いを持つとすれば、そこにあるものは日本の主張と考えていいのではないだろうか?この曲は今日が初の演奏であったということであった。ラストのかなりの高音もしっかりと出ていた。また、Marina嬢としてはこの詞はこれまでで最も自分を歌った歌詞であるということである。 ここから2曲はカヴァー・タイム。まずは、SKID ROWの"Youth Gone Wild"。まさかゲイリー・ムーアのあのバンドはやらないだろう…というボケは置いておいて(すみません。笑)、なかなかに「ワイルドなカヴァー」であった。次はSHOW-YAの"Fairy"というスピード・メタル曲。この曲でも成美嬢から隊長へというソロの流れであった。





フロントにドラムのHaruna嬢が出てきて、自前のお寿司を物販で売っているというMCにはたまげたが、他のメンバーも自分の趣味の事なり、かなりここはまったりとした空間で面白かった。


あと2曲で終わりですと告げて、次は昨年の丁度今頃に出たシングルのタイトル曲、"Nostphilia"。(このタイトルの英語は造語である。)出だし、ベースが不調であったようだが、すぐに持ち直した。キャッチーなサビを持つ代表曲である。


そしてDESTROSEの最もフェイヴァリットな2曲のうちのもう1曲、"Sword Of Avenger"。80年代の解放弦ミュートとパワーコードを使ったあのスタイルのリフから始まる王道のナンバーで、LOUDNESSの"Like Hell"を彷彿させるような勇壮な曲である。またギター・ソロも素晴らしい。こういう時の隊長のギター・ヒーロー(ヒロインか?)然とした姿はとても画になるのだ!





アンコールは復活後しばらく使っていたというSEからメンバーが登場、前回見た7/20以来このメンバーでは2回目という"Deathless Memories"。歌詞の内容は未だに心に突き刺さるものはある…。 ラスト、バンドのテーマ曲といえるリフ展開の激しい"破壊の薔薇"で終了…だったのだが、なんと、セカンド・アンコール…。持ち曲は実はそう多くないバンドであるから、前のワンマンでもやったBLACK SABBATHの"Die Young"をやるのかな?と思ったらさにあらず。トップで披露した"Maze"を再演。「同じ曲を2回やるなんて。」という向きもいるのかもしれないが、EUROPEも昔は"The Final Countdown"をトップにやって、シメにもやるというセットであったし、他のバンドでも2回やるなんていうことは何度も見ている。(ジャンルは違うけど、ゆかりん(田村ゆかり)のこないだの横アリなんて、セカンド・アンコールで最初のアンコール最後にやった"チェルシーガール"をもう1回やったんだぞ!w)これは逆に新鮮な選曲であったと思う。





DESTROSEの現在の状況は良いとは言えない(隊長の休養の件)が、ともかく平日のこのキャパのワンマンであるから、懸念はしていたが、動員数を見た目の概算みたいに言う事は出来ないが、ともかくもかなりの入りであったということは言えるし、大成功であったと言えるのではないだろうか。 もちろん、バンドの演奏もしっかりとしていたし、サウンドも俺の位置ではとても良かった。





隊長にはムリをしないで、完全復活を願っている!





DESTROSE@渋谷O-WEST 11/14


SET LIST:


1. SE:The Generations Of Chaos~Maze


2. Skykiller


3. Lifer 13


4. Heart's Grave


5. Fenixx


6. Headless Goddess


7. Destination


8. Romancer


9. Fade Out


10.SE :(朗読)~霖 -Rin-


11.Youth Gone Wild(SKID ROWのカヴァー)


12.Fairy(SHOW-YAのカヴァー)


13.Nostphilia


14.Sword Of Avenger


-Encore1-


1. Deathless Memories


2. 破壊の薔薇


-Encore2-


1. Maze


2.(Closing SE:霖 -Rin-)


 


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