あの絵本が読みたい、と突然思い立ったのですが・・・
タイトルが思い出せずこの本だいすきの会の作田さんに「おかあさんがくりかえしあなたはだあれ?と赤ちゃんに聞いていく絵本なんですけど・・・」と問い合わせたところ
そのまんまのタイトルでした^_^;
『赤ちゃんが生まれました
名前はビリーです
でもかあさんはビリーってよばないんですよ』
が最初のページ。
ページを繰るごとに少しずつ成長していく赤ちゃん。
お母さんはそのかわいい仕草に合わせて
「ちいさいうさぎさん」
「ちいさいくまさん」
とか呼びかけるのね。
赤ちゃんはどんどん大きくなっていき
かわいさMAXのところで
「ママ」と初めてしゃべるの。
立った立ったクララが立った!的な感動。
その時ママも初めて「ビリー」と呼んで、ハグしてチャンチャン♪
これは、産んですぐ「なんてかわいいの!」と母性全開だった方には、ラスト『ママ』と呼んでもらえたところがほんわかシーンなのですが
そうじゃなくて・・・
もうだめだ
もうだめだ
もうだめだ
と死にそうになりながらも
なんとかかんとか
あの最初の1年を
カナヅチなのに太平洋を横断しろと海に蹴り込まれた人みたいに泳ぎ切った母親族が読むと
それもちゃんと声に出して読むと
最後の1ページで
ああ、やっと名前を呼べた。やっとお母さんになれたと胸が詰まるのです。
ホントは産んだ瞬間なってるんだけどね。
この絵本のお母さんのえらいところは、その戸惑いの間にも「ちいさいうさぎさん」と優しく赤ちゃんに語りかけていたところ。ホントえらいわー。
あなたはだあれ?と戸惑う長さは人によって違って当たり前だし、
世のお父さん族が思い込んでるほど多くの母親がすぐに赤ちゃんをかわいく思えるわけでもない。
かわいい、なんて感情では包めないほど、混乱している場合だってあるのよね。
その戸惑いの時期を、寄り添うように受け止めてくれる貴重な1冊だと思うのです。