世の中にはいろんな人がいる。勝った瞬間に手数料を半分以上取られる国が運営するくじがある。競馬、競輪ではそれが25パーセントなのでまだ良心的だ。でもある国ではそのくじを買うために行列ができる。しかもものすごく。一等に当たる確率は160万分の1と言われている。私にはどうしてもそのくじを買うことはできない。負けることがわかっているのにお金を出すことなど絶対できないのだ。そもそも人は合理的に設計されていないことが多いのかも知れない。そのくじを買う人から、買わなければ当たらないと言われたことがある、私は買っても当たらないのだ、正確には。でもそう反論はしなかった。我々は自由な世界に生きている。彼ら彼女らの夢を壊す権利は私にはないのだ。