第3回目は…
ミドリ役・阿波屋鮎美さん
にインタビューしていきたいと思います!
(質問者・山下 由/本文中は敬称略)
山下:初めて台本を読んでみてどうでしたか?
阿波屋:声に出して読んでみて、相手がいるっていうのと、自分の頭の中でやり取りしてたのとはやっぱり違うなぁと
山下:皆と読み合わせしてみてってことですよね
阿波屋:そうですね。演劇ってうまく会話が噛み合うようにやるけど、そうじゃないズレとか相手の言葉をあえて拾わなかったりとか、すごく後になって突っ込んだりとか、そういうやり取りがあるよなぁと読んで思いました
山下:一人で読んでいるときはそれは感じなかったんですか?
阿波屋:あんまり。今こうやって喋っているけど、さっきの話題についてずっと考えながらしゃべっていたりとか、そういうことってあるよなと
山下:読んでみて一番印象的なシーンはありますか?
阿波屋:自分のシーンじゃないんですが、(ハルの)お母さんが癌になったって分かってて、ユキちゃんがある告白をするシーン。「後になると言い出しづらくなっちゃうから」って言う所がすごく勇気がいるよなと思って。遠慮して言わなかったりすると、たとえば、亡くなっちゃったりとか良くなったとしても言い出すタイミングはどんどんなくなっていくんだなと
山下:対極的な出来事ですよね
阿波屋:自分だったら気を使って言えないなと思っちゃって…。色んな時に告白をするチャンスはあるんだろうけど、逆に他のタイミングだとどうだったんだろう?って思いました。なんとなく生と死、目の前で起こる生と死を感じました
山下:この話自体は家族のことですが、自分の家族の思い出で印象的なことってありますか?
阿波屋:私の育った環境は、おじいちゃんとおばあちゃんがいて、お父さんお母さんがいて…
山下:三世代同居なんですね
阿波屋:はい。おじいちゃんは物心ついた時から寝たきりみたいな感じだったので、あんまり話したことはなくて。で弟が二人いて、あとは同じ市内に母方の実家もあって
山下:結構家族は近い感じ?
阿波屋:めちゃくちゃ近い。親戚はほぼ青森県の津軽地方にいる
山下:家族がおっきい感じなんですね
阿波屋:兄弟は三人だけど、親戚も同じ年頃の子が多くて一緒に旅行行ったりとかして、その中で成長していくに連れて「お姉ちゃんだから」「女の子だから」みたいなこと言われることが多くなった。それがすごくストレスだったのが小学校6年生のとき
山下:その地域では、長女を女の子扱いするのは特別なことではない?
阿波屋:地域では、なのかは解らないんですけど。でも自分が本当にしたい振る舞いとは別の振る舞い方を求められている。それにすごくストレスを感じていて、それがすごく爆発した時に父親に反抗したことがあって、めちゃくちゃ覚えてるんですけど、「お姉ちゃんだからって言わないで!」って言って自分の部屋に泣きながら逃げ込んで、お父さんが後から「そんなに強く言うつもりはなかったんだよ」って謝ってきたことがあった。それがすごく印象に残ってます。
山下:今作の家族は、核家族で父親がいないって状態じゃないですか。お姉ちゃんは(ミドリは)一番大きいから父親の記憶とかあったのかもしれないと思うんですが、この家族形態に何か思ったり、想像できますか?
阿波屋:想像しても実感が伴わなくて、でもやっぱり想像するしかないですよね。実際には、核家族でお父さんがいなくてお母さんが女手一つで育ててっていう友達がいて、仲良かったんですけど、その子はお母さんが小学校5・6年の頃に再婚して新しいお父さんの苗字になって、その後新しいお父さんとの間に弟が生まれてた。その子はすごく明るい子で新しいお父さんが出来たことを喜んでいたし、新しい苗字が気に入っててみたいな…だから割と明るいイメージがあって。受け入れ方と捉え方で随分変わるんだなと
山下:なるほど。(この作品は)明るいイメージがあっても良いなと思いますね。僕ね、ミドリのモデルになった人から父親に宛てた手紙を読んだことがあるんですよ。その人はすごく明るくて活動的な人なんですけど、「明るく振る舞わないといけないのが嫌だった」ってその手紙には書いてあって…それ見てうわぁって思ったんです。あえてそういう風に振る舞わないと、友達関係がうまくできないみたいな
阿波屋:そっかぁ…
山下:だから、もしかしたら(ミドリも)きょうだいに見せてない部分や、あえて違う風に見せてる部分があるかもなって思いましたね。なんか、家族だからって全部さらけ出してるわけでもないじゃないですか
阿波屋:うん、むしろ家族の前の方が繕ってる部分もあるというか。本当に自分が思ってる考えを話しても、ポカンとされたら嫌だなとか思う
山下:そうですよね
阿波屋:多分、嫌われたくないとかがベースにあると思うんです。良い子でいたいみたいなのは、やっぱり長女だからかめちゃくちゃあって
山下:あぁ、ミドリと通じる部分がありますね
阿波屋:良い子でいたいっていうか良い子でいなきゃいけないみたいな
山下:家族の中の役割として、みたいな感じですかね
阿波屋:そうですね
山下:あなたにとって家族って何ですか?難しい質問ですよね?家族は家族だよみたいな
阿波屋:うーん、私は家族から離れて暮らしたのは大学一年生で東京出てきた時なんですが、高校卒業してこっちに来る時まではすごく一人暮らしを楽しみにしていた。憧れてた東京だし部屋も色々物を揃えて「さぁ行くぞ」ってなって、けど実際に一人暮らしはじめたらものすごく寂しかった。自分が自由に使える空間だけども安心できる人がいないとこんなに心細いんだなっていうのがすごくあって。過去に友達とシェアハウスしたり、今は結婚もしたしで、新しく家族もできて…家族がストレスに感じたり、悩みとかめんどくさいとかたくさんあると思うけど、孤独感とか不安感よりは全然まし。家族って安心だな、自分の味方でいてくれる人達って感じですね
山下:ぶつかることはあれどね
阿波屋:何かあったときに反応してくれる、死んだら葬式してくれるみたいな。そういう人がいるだけでも安心していられる
山下:最後にこの作品を観る人に一言を
阿波屋:観に来て下さい!
山下:そうなりますよね
阿波屋:家族とうまくいっててもうまくいっていなくても、家族と会いたいなって思う作品になると思うので観に来て下さい
山下:ありがとうございました
第4回目は…
劇団員・大和田あずさのインタビューです!!
(6/4更新予定)
お楽しみに!!

