前にも書いたが、オートバイの整備は徹底されている。しかし、「機械」は必ず壊れるものだ。いかに事前にそれを察知するかが、メカニックの腕にかかっている。一度命拾いしたことがあった。

そのときはフロントタイヤを交換していたのだが、メカニックがフロントタイヤを取り付けたあと、リア周りを点検すると、ガタがある。調べてみると、なんとリヤアームに取り付けてあるボルトが折れているのを発見。この時は本当にぞっとした。気がつかずにテストコースに出ていたら、間違いなく転倒は免れなかっただろう。出しているスピードによっては、大変な事態を招く結果になったことは容易に想像出来た。

この時は本当にメカニックに感謝した。また、改めてその技量についても尊敬した。これが本当のプロの仕事だろう。フロントの交換なのに、リヤも点検する。なかなか出来ないことだ。

後に私はこのことを副社長に話し、彼のプロフェッショナルな態度について報告した。また、彼の直属の上司にも会って、感謝の意を表した。彼らと仕事が出来ることを感謝しているし、誇りにも思っている。