※※※ネタバレ注意!〜2021〜※※※


【ミステリー】☆

【怖さ】☆

【アクション】☆☆

【ラブ】☆☆☆

【うける】☆☆☆☆

【建物損壊】☆☆☆☆☆☆☆☆☆


総評としては物足りなさが目立った。赤井ファミリーを出す為に映画オリジナルのキャラが3人しか出てこず、既存のキャラの人気のみにフォーカスを当てているという印象だった。赤井さんと安室を共演させなかったことに関しては評価するが、正直テレビアニメスペシャルとしても少々物足りない。4週に分けて通常のテレビアニメ回として放送しても良かったのではないかという感想。そのシーンいる?という瞬間が数箇所あり、そこを切って内容を深堀りした方が良かったのではないかと思う。例えば、前回同様の女監督によるラブシーンへの意識を感じたが、秀吉と由美たんの絡みに関しては本作の内容にほとんど関係しておらず、名古屋の街並みを取り入れるためだけの時間だったのであんなに長尺いらない、など。


少年探偵団の登場は抑え目で、代わりにリニアに乗りたい、仮面ヤイバーショーが見たいと言った要求がエスカレートしていた。流石に小学1年生としてもう少し遠慮を覚えてほしい。彼らの将来に暗雲が立ち込めていると心配にすらなった。唯一役に立ったのは、小嶋元太の特殊能力、「ウナギ愛」である。ついにこの能力が頭角を現し、なんと国内有数の財閥、鈴木財閥会長の命を救った。まさか日々のウナギに対する情熱が人命を救うとは誰が想像しただろう。これで園子(水平線上の戦略内の霊安室)に続いて園子父が鈴木家として2人目の寒いところに閉じ込められた被害者となったのが不憫である。そして今回哀ちゃんはコナンと行動を共にしていたが、有能すぎた。是非この先も2人にはコンビで活躍して欲しい、蘭の足の引っ張り具合と対照の仕事ぶりである。常時可愛さの嵐だった。


また個人的に今回1番ジワリティの高かったシーンとして、コナンがゾーンに入るシーンについて触れたい。コナンがハッとしたかと思えば背景が宇宙空間仕様になり、回想シーンについてはドラえもんの机の引き出しのタイムマシーンのやつの移動シーンを想起させた。これまでとは一風変わった演出だったが必要性は感じない。


肝心の赤井さんはまじかっこよかった。目元のアップは心臓に悪かった。赤井さんがいなければ今作はルーの入っていないカレーといったところか。赤井さんと家族それぞれの絡みを見ていると改めてこの家族どうなってるんだと思わざるを得なかった。筆者のコメントとしては、遺伝子つおい、である。


近年アクション映画として認識されている劇場版名探偵コナンだが、今回はアクションではなかった印象。しかし相変わらず新しくできた建造物、乗り物を大破させたがる節があり、リニアが脱線してWSGドーム?とやらに突っ込んだシーンはもはやとりあえず全部壊しとこ☆感が凄すぎて草生えた。是非世の中のあたおかコナラーにこれまでの器物・建物の損害総額を計算してみて欲しいと期待するばかりである。


ミステリーとして成り立っていると感じる部分は皆無だった。今作の事件に関して触れられることとしては白鳩さんのヘアスタイルが鳩をモチーフにしたのかな?というところである。他にも最初のデトロイトでのシーンでハーモニカ吹いてた人吹き終わったあと余韻すごいかよ、だったり、殺人を犯した電車シーンで映った犯人ぽい人普通に犯人かよ、だったりを心の中でツッコミは入れ続けた。


結論として内容の無さは例年通り。コナンをよく知らずに観た人を置いてけぼりにする映画と化している。次回作に関しては25作目となるが、警察学校編のメンバーがメインとなるようで、ますますディープ味が増していくと案じられる。期待度としては高いものにはならないと思う。杞憂に終わるといいが。

[0420追記]次回作の主役は高木渉ということで、警察学校編メンバーも出演の上で我々に親しみ深い高木刑事の活躍が見れそうだ。ただどれくらいのミステリー要素が取り入れられるのかは依然不安のまま。新しい嗜好を取り入れた作品になることは期待できるだろう。