自民党新役員と改造内閣の顔ぶれが発表されましたので、私なりの感想を述べたいと思います。
まず、谷垣幹事長について、私は高潔で立派な政治家だと党派を越えて評価しております。自民党が野党に転落した時にも、火中の栗を拾って、誰もやりたがらない「総理でない自民党総裁」を務め上げました。派手さはないけど、まじめで誠実な「手強い相手」でした。公共心の高さを競い合うような、真に国民のための政治を期待しています。
改造内閣・党人事は全体的に見れば、タカ派保守色の強い布陣に見えます。目玉の女性閣僚や役員も「封建的」とまで言うつもりはありませんが、「新しい女性」というよりは「古い伝統的な価値観を大切にする女性」の代表のような印象を受けます。ただし、有村女性担当大臣には期待しています。二人のこどもを育てる働く女性の代表として、頑張って頂きたいです。
少し気になる点も指摘しておきます。山谷内閣府大臣の所管はあまりに多すぎないか?特に、多くの重要課題に加え、「拉致」と「防災」を担当させるのは、それぞれの「課題軽視」に繋がると思います。拉致問題の決着を本気で目指すなら、なぜその直前に担当責任者を替えるのか、理解に苦しみます。また、防災大臣を女性にするのは「男社会的だった防災」に「女性の視点を強化」するという点で良いと思いますが、はっきり言って所管の数が多すぎて無理です。広島市豪雨災害時のゴルフ強行と言い、どうも安倍総理は『防災に対する意識が低いのではないか?』と心配です。理想を言えば、防災大臣の担当は一つで十分です。
最後に危機管理という視点で直感的に気になった点を述べます。安倍総理はもともと滑舌の良い方ではありませんが、会見時の「舌のもつれ?痺れたような話し方」はちょっと気になりました。まさか二度目の総理で緊張する訳がないし、あの不自然な喋りは何だったのでしょうか。それから、農水大臣は多くの重要課題を抱え少し大変そうに感じました。