真央ちゃん可哀想に…、あんなに頑張っていたのに…。オリンピックも選挙と同じで、なかなか思い通りには行かないものです。
浅田真央選手のSP失敗の原因は極度の緊張で筋肉が収縮して、いわゆる痺れた状態で、脳の指令が手足に届かなくなってしまったためだと、素人的には思います。実は政治家にもごく稀に似たようなことがあるのです。私は演説の前でもあまり緊張しないタイプですが、それでも過去に二、三度、そういう経験がありました。
 初めは普通に心臓がドキドキするのです。「これはおかしいぞ」と思って深呼吸を何度かすると大抵、ここで収まります。映像を見るとSPの始まる直前に真央ちゃんは何度も深呼吸をしていたので、この時点でその兆候はあったのだと思います。
しかし、たまにこれでは収まらず、唾がまったく出なくなって、喉がカラカラになることがあります。やはり、真央ちゃんは何度も水を飲んでいたので、すでにこの状態に至っていたのでしょう。ここで「まあ、いつも通りにやるしかないな」と開き直れれば良いのですが、自分の実力以上の最高のパフォーマンスをしようと力むと、ごく稀に最終段階に入ってしまうことがあります。
演説前の政治家であれば、舌が痙攣を起こし収縮してしまい制御不能になってしまうのです。ここまで行くと自分ではどうにもなりません。
もちろん、アスリートと政治家の「緊張」を一緒にすることはできませんが、「期待に応えようとする真面目な心が瞬間的に極度の緊張を生んでしまった」ことは、容易に想像がつきます。
子どもたちの多くがフィギュアスケートをやるようになったのは浅田選手の功績です。その中から男女を問わず大勢のオリンピック選手も育ちました。そして、今回のソチ五輪への期待を一身に背負ってくれたのも浅田選手でした。子どもたちに夢を与えてくれたことも加味すれば、メダルを取れなかったとしても、「国民栄誉賞」に近い価値があると私は思います。