難航していた「シリアの化学兵器破棄を国際管理下で行わせる」という国連安保理決議が全会一致で採択されました。一方、米国のオバマ大統領とイランのロハニ大統領が1979年のイラン革命後初めて、電話とは言え、首脳会談を行いました。
どちらもとても喜ばしいニュースです。しかし、これで平和が訪れるのかと問われると、どうしても、すぐにYesとは答えられない不安を抱いてしまいます。
 特に信じられないのはシリアです。非倫理的な化学兵器を同じ国民に使うような指導者の国をそう簡単に信じて良いのか。私の偽らざる気持ちです。米国はもちろん、ロシア、中国や国際機関を含む全世界で、厳しい監視の眼をシリアへ向け続けて行かなければなりません。
イランの方はもう少し期待が持てます。今後、もし、イランが本当に核問題を解決し、米国とも良好な外交関係を築き上げたとしたら、近い将来、イランは、間違いなくイスラエルに次ぐ経済力を持った中東の雄へと変身を遂げるでしょう。私が留学時代に接していた、各国人留学生の知的好奇心レベルで、イラン人の平均値はアジアのどの国々の留学生と比べても、群を抜いて高かった印象を私は持っているからです。