すごい二日間の値動きでした。東証の株価乱高下の話です。それにしても連日、1000円を超す振れ幅というのは異常です。然したる理由も無く、これだけ動くということは何かある訳で、その原因を突き止め、早急に株式市場の安定化を図る対策を講ずるべきです。
今日の乱高下は黒田日銀総裁の講演中に始まりました。一つの原因は、新任の日銀総裁と市場との対話がうまく行っていないことにあると感じます。私は以前から黒田総裁の粗っぽい発言に違和感を覚え、度々HP等でも指摘をしてきました。
歴代のFRB議長(米国中央銀行総裁)は「市場との対話」に細心の注意を払って来ました。それでも就任した直後には手痛い失敗を繰り返し、その後、少しずつマーケットの信頼を勝ち取って行ったのです。思い出すのはグリーンスパン議長です。彼は最後には「市場から絶大な信頼を得てしまった(?)」ために、80歳を越えても代わるべき後任が見つからず、引退できませんでした。ちなみにその結果、皮肉にも米国株価は急落しなかったゆえに、危険水域まで上がり続け、あとで苦労することになります。
もう一つの原因はもっと根本的な問題です。やはり通貨供給量が多過ぎるではないか…。金融緩和のやり過ぎです。これはもちろん日本だけの問題ではなく世界的な問題です。ただ、このまま、黒田総裁が調子に乗って「バズーガ」を打ち続ければ、その責任は日本が問われることになるでしょう。
長期金利上昇、住宅ローン金利上昇、国債価格下落…等、変調の兆しは、多くの不安を中間所得層に与え、格差拡大へと繋がって行きます。この二日間の株価乱高下は、そんな悪夢を予感させます。