安倍政権はいよいよ原発再稼働に向けて大きく舵を切りそうな気配です。東京電力福島第一原発事故からまだわずか2年。原発防災もほとんど実践的な対策が取られていない中での政策転換には私は反対です。
私は先の衆院選で特に前半戦は、ほとんど「脱原発一点」を訴え闘いました。国民の多くは、意見としては脱原発に賛同してくれたと今でも理解しています。ただ、少し皮肉を込めて言えば、民主主義のルールの一つである選挙という「民意をはかる場」においては、自民党の勝ちと民主党の負けによって、「国民は脱原発の意志を明確には示さなかった」のだと、残念ですが考えざるを得ません。
もちろん、私は、それが「脱原発か原発再稼働か?」の選択につながるとは多くの国民が気づいていなかったと思います。しかし、自民党が勝つということは、その後には当然、原発再稼働がくるという意味なのです。たとえ、国民が一時の経済的安堵を求め、民主党へのお灸とのセットで自民党を勝たせたのだとしても…。
3月18日は「原子力災害対策編」と言って、原発から半径30キロ圏内の自治体が、原発事故が発生した時の地域防災計画の一つである「原発の過酷事故を想定した対策項目」を策定・修正する期限です。まだ半分以上の自治体でその準備が進んでいないと伝えられています。これはある意味、無理も無いことです。今までの防災訓練のほとんどは、『原発、すべて異常ナシ!』と大きな声で報告し敬礼をして終わっていたのですから…。
そんな中、大飯原発を抱える福井県大飯町では、原発の過酷事故を想定した実践的な避難訓練が行われました。訓練では緊急時に「甲状腺被曝を予防するヨウ素を飲む」実践もジュースをヨウ素に見立てて行われていました。原発を抱えるということの意味と過酷事故の危険性への覚悟を国民が実感するためには必要な訓練だと思います。